柴田俊幸

フルート奏者。たかまつ国際古楽祭 芸術監督(2017-) アントワープ王立音楽院音楽図…

柴田俊幸

フルート奏者。たかまつ国際古楽祭 芸術監督(2017-) アントワープ王立音楽院音楽図書館/フランダース音楽研究所 研究員(2017-2019)『音楽の友』『管楽器専門月刊紙Pipers』『ザ・フルート』『WebマガジンONTOMO』『ぶらあぼOnline』などに寄稿。

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  • 「デリバリー古楽」まとめ

    出前演奏サービス「デリバリー古楽」の記事をまとめました。

最近の記事

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柴田俊幸について

はじめにこれまでにやってきているお仕事です。 以上の6つです。演奏以外いろいろやっているじゃないか、と言われますが、すべての要素が刺激し合い、音楽家としてのインスピレーションにつながっています。 演奏活動はフリーランスの道を選びました。現代の楽器も古楽器も両方ともバランスよく演奏していきたいと思ったからです。幸運なことに両方の分野でプロフェッショナルな経験を積ませていただきました。その経験を生かして、生徒たちには視野の広い演奏法を教えるようにしています。 アントワープ王

    • マニラで「クラシックの国ガチャ」を考える

      クラシック音楽家にとって、日本は国ガチャで【当たり】なのだろうか。 日本という国はヨーロッパからみれば「極東」という遠い位置にありながら、世界中のクラシック音楽家たちが演奏会をする稀な国だと思う。クラシックCDの売り上げだけでなく音楽教育においても世界トップクラスであり、クラシック音楽家たちにとっては夢のような場所だった。柴田が専門の音楽教育を昔から受けていないもかかわらず、この世界に飛び込み、人並みに仕事をこなし、西洋クラシックについて本場の人と語り合えるのは、この国に生

      • 「東京春祭2022」柴田のカンペ

        4月18日、東京・春・音楽祭2022(以下、春祭)でアンソニー・ロマニウクと一緒に演奏しました。あの日のテーマは「シームレス(=境目のない)な多様性」でした。携帯電話にメモっていたので、読み上げようとしたのですが、舞台の上でテンパってしまって、上手く読めなかった文章です。 (一礼)皆さま、こんばんは。柴田 俊幸 です。無事帰って来れて良かったです…。そして今から、東京文化会館で演奏できるのを本当に楽しみで仕方ありません。実は東京23区デビューです(笑)このホールの壁について

        • 「スクランブル古楽」 柴田のカンペ

          (以下の文章は、2023年1月14日に梅若能楽学院会館で行われた「スクランブル古楽」の冒頭にアナウンスしたもののカンペです。) 今回の演奏会のテーマは「旅立ち」です。「スクランブル」は飛行機が急発進する時に使う言葉です。今回の演奏会は我々若い古楽器奏者が集まって、新しい団体の出発を祝うだけでなく、「古楽」が狭くてニッチな世界から飛び出して、いろいろな人に楽しんでもらうことを願って使っています。ちょうど今日の会場はとても素敵な能楽堂、普段のコンサートホールから飛び出すことに成

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        柴田俊幸について

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        • 「デリバリー古楽」まとめ
          7本

        記事

          彼は躊躇なく下から入れる。

          フンメルのトリルの話です。 トリルとは、音楽においての装飾の一つで、2つの音が交互にコロコロコロと演奏すること。その長さや入れ方はそれぞれ時代や演奏家によって変わってきます。 古楽、特に後期バロック音楽を中心にやっていると、色々な装飾の入れ方がありますが、シンプルなトリルですと、上の音から入れるのが当たり前になってしまします。 (W. F. バッハのClavierbüchlein より) 時代は古典派を経て、ロマン派に向かいます。みんなが大好き、ベートーヴェンの作品は

          彼は躊躇なく下から入れる。

          エゴは添加物

          先日、Facebookで、インタビュアーがゲストスピーカーにコテンパンにされるのを目撃した。 インタビュアーはSNSで多くのフォロワーもいるアメリカ人の音楽家。 一方、ゲストスピーカーはベルギーの王立音楽院の元教授(古楽系)。 インタビュアー側が知識不足(特にハーモニー)で、質問→答えという一方通行が多く、いろいろと噛み合ってなかったのが残念だった。 その中でも、装飾法について、次の答えは強烈だった。 "If you want to play differently

          エゴは添加物

          デリバリー古楽を振り返って。

          コロナ禍下でいろいろな芸術活動が行われてきたと思います。 中でも最も広く展開されたのは、オンラインを通じての動画配信だったのではないでしょうか? ミュージシャンの星野源さんの「うちで踊ろう」が最高の例でした。配信するだけではなくて、コラボという呼びかけを通じて、聴き手を作り手に変える、素晴らしいアイディア。 クラシック界隈では、びわ湖ホールプロデュースオペラ『神々の黄昏』無観客公演の実施および無料ライブストリーミング配信も話題になりました。 一方で、私は、この動画配信

          デリバリー古楽を振り返って。

          デリバリー古楽 in 直島ホール |5/30レポート

          デリバリー古楽が香川県内で浸透してきましたように思います。 そんな中、去年からご縁のあった直島ホールで島民有志によるコンサートを企画していただきました。お客様は島民の方30人限定。 ポスターは作らず、1週間前に告知。口コミだけで集まりました。 デリバリー古楽 in 直島ホール 当日、使用したガイドラインはこちら。 この企画を実行するかどうかは慎重に検討しました。開催を決めたおおきな要因は、5月23日に香川県でコロナで入院していた人が退院し、その後も感染者ゼロが続いてい

          デリバリー古楽 in 直島ホール |5/30レポート

          中四国地方での「デリバリー古楽」解禁

          5月25日、政府は緊急事態宣言の全面解除を決定し、特定警戒都道県(北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川)以外への県境をまたぐ移動の自粛要請について、6月1日から緩和する方針を発表しました。 これを受けて、「デリバリー古楽」の中四国地方での活動を6月1日より始めます。 香川県を除く中四国地方へのデリバリーの概要は以下の通りです。 エリア:四国地方、中国地方の全県。基本、公共交通機関で伺います。難しい場合は車で移動します。 料金:15分の演奏で、1人3500円、2人5000円、

          中四国地方での「デリバリー古楽」解禁

          夏日の古楽|デリバリー古楽05/17レポート

          デリバリー古楽レポートこれはデリバリー古楽のレポート記事です。 デリバリー古楽についてはこちら 最新の予約状況はこちら 夏日にデリ古楽5月17日、高松市内の、3人家族の素敵なお宅で「デリバリー古楽」してきました。この日は最高気温28度の夏日。いやあ、もう夏ですね。 1曲目は、リビングルームでクープランの「恋のうぐいす」をアカペラで(通常は通奏低音が入ります)、演奏しました。すこし遅くなりましたが、春らしい雰囲気を。 様子は以下のような感じです。(写真の撮影・提供はすべて

          夏日の古楽|デリバリー古楽05/17レポート

          古楽器奏者が、お宅訪問し、1対1の演奏会を開く──「デリバリー古楽」を始めます!

          「デリバリー古楽」とは このアカウントは、古楽器奏者の柴田俊幸が運用しています。ベルギーを拠点に、古楽の演奏やその指導、研究を行っています(詳しくはコチラをご覧ください)。 さっそくですが、次の言葉を見てください。 「デリバリー古楽(こがく)」。 いま、こんな名前のサービスを準備中です。何のことだかよく分からないかもしれません。すこし説明させてください。 一言でいえば「古楽の出張演奏」です。 こう言うと、「『古楽』ってなんだ?」という方もいらっしゃるかもしれません。

          古楽器奏者が、お宅訪問し、1対1の演奏会を開く──「デリバリー古楽」を始めます!