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〈ゲーム感想〉【Palworld】スキなものが全部ある。イヤなものも一部ある。


手に汗握るパルとの冒険譚

(ネタバレあり)
今年、二〇二四年一月中頃に発売された『パルワールド』は、オープンワールドのサバイバルクラフトゲームです。

不思議なモンスター「パル」が生きる大陸で、プレイヤーはそやつらを捕まえながら、彼らと協力し合い大陸の各地にいる塔のボスや人智を超えた伝説のパルに挑むのがメインの遊び方。

このゲームを巡る議論は今なお続いていますが、おぽのはいつも通り、遊んだ時の良いトコと悪いトコを書き記したいと思います。


ゲーム性 − すべての道はパルに通ず

戦闘、採掘、移動に輸送と、このゲームはやることなすこと全てにパルが関わってきます。

序盤のプレイヤーは棍棒で殴るぐらいしか出来ないような弱さ。要するにパルを仲間にしないと話が始まらないレベルと言っていい。

上半身さ…筋肉あるにしては薄くない…?

サバイバルクラフトで他生物を捕獲したり飼育したりすることはよくありますが、パルワールドはそれをより先鋭化した形です。一にも二にもまずはパル。です。

これがモンスター収集要素と非常にマッチしているんですよね。

この作品、アーリーアクセスの段階で111種類のパルが登場し、亜種と呼ばれる元になったパルと色や属性が異なるパルを含めると137種類にもなります。

一人が仲間にできるパルの最大数は480体。(正確には手持ちの5体、観賞用40体、拠点作業者20×3を含めるともっと多い)

そんなもんだから片っ端から捕まえて捕まえて捕まえまくってよいのです。

捕獲に使うのはパルスフィアと呼ばれる球体状の捕獲装置。投げつける際にどれぐらいの確率で捕まえられるかが表示され、完全に捕獲するまではスフィアが揺れる度に捕獲の確率が上昇するようになっています。

つかまれっ…つかまれっ…

当然逃げ出されることもありますね。

スフィアを作ってパルを集めて、そのパルたちに素材を集めさせて、更にスフィアを作って…。

捕まえた時にプレイヤーは経験値を得られ自分のレベルアップにつながるのですが、これがまあ、捕まえたときと倒したときでは大違い。初めて捕まえてから10匹目まではボーナス経験値という御祝儀がついてくるので、とにかく捕まえたほうがダンゼンお得。

ただし、プレイヤーは本当に弱っちいので、なかなか捕まらずパルとの戦いが長引けば長引くほど追い込まれていきます。

この攻防も面白い。

倒れるときは一瞬よ。

より捕獲率の高い、虎の子の上位ランクのパルスフィアを投げるべきか…と懊悩しながら、倒れたことは何度もあります。(結論から言いますと、迷うぐらいなら投げちゃっていいです。あとからいくらでも作れるのでね。)

捕まえたパルたちは戦いにおいて圧倒的なパワーを見せてくれるだけではなく、それぞれの種族に得意な拠点での作業が設定されています。

火起こしが得意だったり、手作業が得意だったり。捕まえたパルだって一切無駄にすることなく自分の拠点のパワーアップに役立ってもらえます。

拠点の各施設と保管場所、休む場所の導線を考えて、その作業に最適なパルを割り当てて…と、そんなちょっとしたコロニーシミュレーションみたいな要素も楽しい。

後半のパルは地力も強くて作業のスキルも高いんですが、そういうのはたいてい図体がでかすぎて小回りがきかない…

げっなんか動いてないと思ったらひっかかってる…あんなトコに作業場を立てるんじゃなかった…。


UI/UX − 持ち味をイカせッ

全体的に歯がゆい。

パルワールドのメインUIは影響を受けたであろうゲームの、使いにくいところを少し改良して搭載しているのがよくわかります。

むしろそこまでするならもうあと一声!と強欲な叫びを上げてしまいます。

見知ったUIは、勝手知ったるUIですので、往々にして他者の説明なく、スムースに利用することが出来ます。

あーわかるわかる。

それらは間違いなく遊びやすく、使いやすくなっているのだけど、あとこれができたら…!がなかなか叶いません。

たとえば先ほどスフィアを構えた時、捕獲率が出る、と書きましたが今までそのパルを何匹捕まえたか、も知りたかったです。そりゃ捕まえてから気づくのでも全然いいんですが…。(ちなみにそういうmodはすでにあります。)

それでも、属性ソートはありがたい。

また480体のパルを収納できるパルボックス。レベル順、属性順、図鑑順…などのようにソート機能がついていて、戦いに行く際のパーティを決めにはとても楽で助かります。おぽのが惜しいと思ったのは、作業能力順がないところ…。割り当てたい作業に適応したパルを探すのが少し手間でした。

UIの改良がうれしい反面、このゲームオリジナルの面白さをもう少し感じたいと思ったおぽのです。


ビルディング − 階段下倉庫のおぽの様へ

拠点設営はサバイバルクラフトにおける醍醐味!!そして腕の見せ所!!おぽのの得意とするのは四角四面の豆腐建築!!

拠点で作業を手伝ってくれるパル、と自由自在な建築、の両立さなかなか難しいのでしょう。

かなりバグります。(目下、バグフィックス中だとか。)

これは…正し、い…??

引っかかるのは当たり前、スタックどころか屋根から降りられなくなったり、ルート計算中に作業がなくなって途方に暮れたり、割り振ったはずの作業を一切やらずに別の仕事に勤しんでいたり…と、楽しい拠点運営のまでの障害はとにかく多いです。

鉄則となるのができるだけ床は敷かず、平べった〜く平べった〜く拠点を作ること。導線となる道もできるだけ広めに取り、作業場は隣接させすぎず、壁などは中央付近には作らない方が良いでしょう。

拠点となるのは設置したパルボックスを中心とした円筒状の広い空間なのですが、なんならそのパルボックスすらも隅っこに寄せたいぐらい邪魔です。

飾れないし…デカール中で遊んじゃお…

だったらせめて自分の居住区は立派に!と思うじゃないですか、おけるパーツのバリエーションが縦横比1:1正方形か直角二等辺三角形ぐらいしかありません。家具などはかなりのバリエーションが用意されてるのですが、飾ろうにもスペースは取れないわ、パルが引っかかるわでてんやわんや。結局吹きさらしの階段下にベッドを置くのが楽なパーソナルスペースの作り方です。


テーマ − かかったかな?と思ったら

どこかの感想で、パルワールドは「悪ノリ」と評しましたが、基本的な意見は変わっていません。悪ノリ…いや「悪ガキ」…かなぁ??

やりたいことを全部詰め込んだ。それだけじゃ飽き足らず、これ面白いんじゃない?あれも面白いんじゃない?とどんどん重ねていった結果、化学反応を起こして「とんでもなく面白い部分」と、さすがにこの年齢では「楽しめない面白さ」が共存する作品になったように思います。

その「楽しめない面白さ」が「悪ガキ」という表現につながっています。

割と序盤で手に入る調理器具。

このゲームではブッチャーナイフでパルを「解体」できるのですが、このブッチャーナイフを持つと、よりによって「なでる」というコマンドがその「解体」に入れ替わるあたり………。(「解体」を選ぶとモザイクがかかるらしいんですよ。)

でも生意気おぽのもこういうのでゲラゲラ笑ってた時期がありましたねぇ…。

この無茶苦茶っぷりは、大の大人が大真面目になってお出ししてきた、この何でもありのゲームとしてみるなら、むしろマッチしているまであるかもしれません。

まあこの顔見ちゃうと無理ですよね。

反面、登場するパルは何か可愛かったり格好良かったり。頼もしかったり、弱すぎて逆に好きだったり。


そんな好きな部分と好きではない部分がはっきりしている不思議な作品でした。

これは好きだなぁ。

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