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〈ゲーム感想〉【Thronefall】この小さな防衛戦を推したいだけの記事


西へ東へパッパカ走る

『Thronefall』はミニチュアな3Dマップで繰り広げられるタワーディフェンスゲームです。プレイヤーは王となって馬で戦場を駆け回りながらお金を稼ぎ、設備に投資し、部隊に指示を出しながら押し寄せる敵を迎え撃ちます。

アートな色彩のマップとコマのようなちびキャラクターが特徴的ですが、守るべき城や防衛の要の矢倉や防壁のディテールが細かく、建てられる設備を全て建ててみると思った以上のイカつくてカッコいい城塞都市が仕上がります。

シンプルさを突き詰めたゲーム性と見た目のミニチュア感がおぽののツボを刺激しました。


ゲーム性 − 野戦築城こそ戦の粋

実は「タワーディフェンス」って個人的に苦手意識があるんですよね…。基本的な遊び方はリソースの分配とウェーブ戦を乗り越えることの繰り返しですが、遊んでみるとウェーブ戦は眺めることしか出来ず旗色が悪くなった時点でもう手遅れ…なんてことはしばしば発生します。

それ故、自由なようで最適な順番の強化を見つけるための失敗を繰り返すような感覚に陥ることから、アドリブで生きてきているおぽのはタワーディフェンスも苦手…なんでしょう。

しかし、『Thronefall』。

まず目を引くのが自キャラの馬に乗った王?を操作できる点。これによってタワーディフェンスをやりつつも自分自身が主力になることも出来ます。もっと言うと王様を優先的に狙う敵もいるので、そんなヤツラを引き付けて自ら囮になることすら出来ます。

敵は決められたルートを通るだけではなく優先的に狙う目標があるので、その法則がわかりだすと緩〜く敵の流れを制御できるようになります。

慣れてくると敵を引き連れてヤツラがバターになるまで矢倉の周りを回れます。

次にお金。投資先に自分で近づいていって、稼いだポケットマネーで建物を建てた強化したりします。これが本当にやりやすい。

建てるだけなら低コスト、高くてもコイン5枚とかで済むので、計算しやすく将来を見据えた投資計画が立てやすいです。

節約したら自分の城を建てられました!

強化方針も自分で決められます。

またもう一つの良いトコが、このゲームを遊びやすくするためのサポートシステムが充実していること。具体的にはステージを開始する前にスキルを最大3つまで選ぶことが出来ます。このスキルの効果は例えば、お金稼ぎが楽になったり、城がべらぼうに強くなったり、味方が弱くなる代わりに自分の攻撃性能が格段に上がったりなので、自分の防衛方針を決めてから遊び始めることができるのです。

遊べば遊ぶほど増えていく。

他にも敵のステータス影響がある要素を投入すれば、同じステージでも過去にクリアした作戦が通用しないので、何度も遊べる工夫がされています。そんなお手軽なアーケード感を楽しみながら遊び続けると、ハイスコアをどんどん叩き出せるようになっていきます。

敵味方にはわかりやすく相性が存在しています。例えば近接系の強力な戦士たちは空から飛来する敵に一切攻撃を通せません。敵の攻城兵器はこちらの建物に対して大ダメージを与えて粉砕してきますが、逆にバリスタで迎撃すると兵器を一瞬で破壊することが出来ます。

どこで迎え撃つか、引き込んで倒すか、相性の有利を押し付けて倒すか…考える余地があることの楽しさといったら、たまりませんね。

南西の防備を固めるぞ!!
※この後手薄になった北西の敵に蹂躙されます

これが正解!というのがあまりなく、自分が特化させたい方向に伸ばせばちゃんと相応の活躍の場があるのがこの『Thronefall』です。

しかし防衛側のゲームなのに『Thronefall』とは不吉である。


グラフィック − アーティスティックでファンタスティック

最初に書きましたが、なかなか格好いいんですよ。建物が。魔物のいる世界観ですが、ファンタジーすぎず、石造りの砦にもバリエーションもあるのでプレイヤーごとに細かな個性が出せるポイントです。

大金を稼いで全てのステージで全ての建物を最大化するのが夢ですね。完成した時は壮観です。こんなの誰も落とせるワケ無いだろ…という自信に満ち溢れています。

勝ったな。ガハハ。

上で「相性」と言いましたが、対策を怠っていると一瞬で崩れ去るような脆さが潜んでいます。

で、こう。

日中は建物を強化できて、夜間に敵がやって来ます。その時間帯によるマップ全体の色合いも鮮やか。

アヴァンギャルド芸術のようなパキッとした印象を強く感じました。それが草原に砂漠に雪国にとありそれぞれが個性と特徴をもって存在しています。


ボリューム − 軽やかな口溶け

非常に惜しい点ですが、まだまだ早期アクセスゲーム故にボリュームは物足りないです。用意された全部のお題をクリアするのにもそこまで時間がいりません。

まだまだ小さいワールドマップ。

800円という値段と照らし合わせると断然お得なのですが、こんなに楽しいのにもう終わっちまうのかよ、と。これを嘆かずにはいられません。

美味しいものはすぐなくなるよなって気持ちです。

ワンプレイが短めなので、繰り返し繰り返し遊んでしまうのが沼なトコ。あ、今のミスったな…というのもすぐに修正できてその場面まで戻れるので気がついたらこんな時間までやってたわ…なんてこともありました。


というわけで今回は推したいゲームを語らせていただきました。

よくある見た目はタワーディフェンスのようで、美味しいとこだけをギュッと詰め込んだ、「ミニマル」と形容するに相応しい作品だと思います。

いつか高低差が激しいマップも出るといいな…。


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