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〈ゲーム感想〉【Enshrouded~霧の王国~】これがサバイバルクラフトの本気


霧中に活を求めよ

(ネタバレあり)
『Enshrouded』は今年2024年1月下旬にSteamにて発売されたオープンワールドサバイバルクラフトです。

ドイツのメーカーさんで、マルチプレイなのにソウルライクな徹底されたダークファンタジー系の世界観&戦闘と、驚くほど細部まで拘れる建築要素が特筆したいトコです。

幻想的で妖しいながらも美しい中世風の風景が広がっています。…ですが、いかんせんおぽののパソコンは古い上にスペックもそこまで良くはなく、最高画質で観られないのが…口惜しや…。


世界観 − 君はフレイムボーン

サバイバルクラフトは多人数で遊ぶことも想定されているので、ストーリーなどの物語性を持たないか、あってもフレーバーぐらい。「そうは言ったけどまあ好きに遊んでよ」と言っていただいているかのような自由なものがほとんどです。

こういうのもしっかりしてるサバイバルクラフトは珍しい。

しかし、この作品はそこから違う。がっつり世界観を彩る物語とクエストが用意されており、プレイヤーは依頼をこなつつ陽の当たる地上と、魔物がはびこる霧の世界を行ったり来たりすることになります。

そうか、おぽのはフレイムボーンだったのか…。

でもちゃんと名前で呼んでほしいなぁ…。

拠点を拡張しながらクエストをこなして、時には霧に侵食された渓谷を冒険することも。霧の中に足を踏み入れるとタイマーのカウントダウンが始まり5:00以内に通り抜けるか、引き返すかを余儀なくされます。(活動時間を回復させる方法はあります。)

明らかな危険地帯なのはそうなのですが、世界の謎や大事なアイテム、クラフト用の素材が眠っているので意を決して乗り込まねばなりません。

ここは本気を出さないやつが負ける世界。

フレイムボーンに休息などないのである。


アクション − ソーシャルディスタンス

このゲーム、接近戦闘はそれなりに緊張感があります。武装した人型の敵が多く、かつ群れているので舐めてかかると手痛いしっぺ返しが待っています。

マルチプレイは最大16名で遊べるそうなので、プレイヤーが多ければ多いほど難易度は下がりますが、アクション下手だとそれでも常に真剣勝負。

しかし、これは近接戦闘の話。

弓や魔法を使い出すと様子が変わってきます。

矢やMPと魔法の弾を消費しながら高いダメージを相手に与えることができ、戦いは一気に有利な状況に。しかもオートエイム機能までついているのでなんとなくで操作しててもしっかり敵に攻撃が当たるので、楽しくてしょうがないです。

さらにさらに、初期魔法。これはMPも魔法の弾も必要なく無限に打ち出すことができるので、弱い敵や野生生物を倒すのにもってこい。

ただ一人プレイの時はよく考えないと倒しきれなかった敵に接近されて、よりつらい目に遭うのでそこは覚悟してください。

誰か遊ぶと一人が盾役をやるだけで、戦いがぐっと楽になります。

スキルツリーもおしゃれ。役割分担もラクチン。

遠距離が強いということなので、おぽのは弓、友人は魔法をチョイス。これが我々の本気構成。

…?


ビルディング − なんかちいさくて細かいやつ

拠点ができた!建築!!建築がやりたい!!!

…でもこのパーツ使いづらい!!

よくある光景です。その制限の中で創意工夫で活かせる方々は本当に尊敬しちゃいますよ。思いも寄らないパーツの活用から、正統派ながらも見た目の整った建造物まで。

この作品はかなり細部までこだわれます。

建築用のパーツはボクセル…

な、何だこの小ささ…!?

自分のくるぶしまでの高さしかないような立方体の単位で微調整できる細かさ。

大枠を作ったら細部をコツコツと削っていって形を整えます。石と木材、金属と骨、そんなパーツごとのつなぎ目も自然と馴染むように微修正されます。

ちょっと四角く作っただけでもいい感じに調整してくれる。

ちょっと二階が飛び出れば無料で支木を付けてくれるし、縁取りも勝手にしてくれます。これだけで一日が潰れる。

景観を整えるのもいいし、自然は自然のまま、風景に馴染むように建てるのもいい。更に今後のアップデートで正円の丸窓等も追加予定なのが楽しみでしょうがないですよ。

難点を挙げるとするなら、そんな細かすぎる建築が可能なせいで、建築メニューがなかなかに使いづらいところ。

このパーツはどこだ…?あれ、何で置けないんだ…?などが結構な頻度で発生します。

えーとこのパーツで、この素材で…ここにおいて……あっ間違えた取り消し…とやって巨大な穴凹が地面にできるのも、ありふれた風景です。


移動 − スカイフライヤー

Q.オープンワールドの空中移動といえば?
A.そうですね、グライダーですね。

この作品もオープンワールドの例に漏れず空中移動方法が存在しております。

そう、それがこのグライダ…

ウィングスーツだこれ!?

爽快感が段違い。

ムササビのような形状で、現実でもスポーツ感覚で渓谷を滑空する人々がでてくるぐらい人気のウィングスーツ。見たまんま危険すぎておぽのは現実では挑戦できませんが、ゲームなら問題なし。こんな形で疑似体験できるなんて…

その性質上、下から上へ上昇することはできませんが、高い塔から飛び立ったり、霧に包まれた谷底へ突入したり、風を切りながらハイスピードで飛んでいく様はこのゲームならでは。

複数人で並んで飛ぶとスカイダイビングみもあってより楽しい瞬間です。これは建築と合わせておすすめしたいところ。グライダーで緩やか〜に空中遊泳もいいですが、この身一つで全身に風を受けて空を掻っ切っていく姿は、おぽののこの作品に対するハイライトと感じています。


今あるマップがとんでもなく広い上に、この先も継続的にアップデートを行う予定なのだとか。今から楽しみだ…丸窓。

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