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俺は変われるのか【舌癌編】24

舌癌患者に「口内炎」はとてもナイーブな問題だ。

私は舌癌治療で、抜歯をしたり、放射線治療を行ったりした事で、治療後の口腔内はガラリと変わっている。

その治療の代償として、「噛み合わせ」が大きくズレてしまっていた。

その噛み合わせのズレが原因で、抜いていない傾いた智歯が頬粘膜を擦り続け、粘膜に白い斑点と潰瘍を生じさせていたのだった。

また口腔癌が発生したか…

歯医者は相変わらず嫌いだが、また口腔癌になっては家族が困ると思い、意を決して歯科へ。

赴いた歯科は、私の舌癌手術を行った大学病院を紹介して下さった歯科医院だ。

歯科医師の先生とは2年ぶりの再会となり、舌癌手術から再発までの経緯など、色々と話をした。

だが、この二度目の診察がまた口腔癌の診断になるかもしれないとドキドキしながら、口を開け診察へ。

「あー潰瘍になってるね。上の親知らずが頬に当たっているみたいだね。」

そう言ったっきり、放射線治療で酷くなった反対側にある虫歯の診察に移ってしまった。

一通りの診察と虫歯治療を終え、一番心配していた潰瘍はスルーだ。

私は心配になり、つい先生に声を掛けた。

私「あのー、頬粘膜の潰瘍ですが、これは悪いものですかねぇ…」

歯科医師「あーこれね、親知らずの歯が当たって潰瘍になってるんだよね。」

私「大丈夫なんですかねぇ?」

歯科医師「大丈夫だよ。悪い腫瘍とかじゃないから。一回癌をしているから心配になるよね。一先ず頬を傷付けている歯を削るので、潰瘍はすぐ治ると思うよ。」

この歯科医師は「口腔外科専門医」で、後に調べたら指導医でもあるようなので信頼はしていた。

歯科医師「削った親知らずね、本来なら抜歯したいんだけど、〇〇さんは放射線治療で放射線を口腔内に照射しているから簡単には抜けないんだよね。その放射線がどの位、どの部位に照射したか確認する為に手紙を書くので、それを主治医に渡して下さい。」

数日後、歯科医師の言った通り、その潰瘍と白く角化した病変は数日でツルンとしたキレイな粘膜になった。

頬粘膜の潰瘍に関しては、一先ず安心だ。

更に数日後、その歯科医師の手紙を握りしめて、再発治療後2年半経過の「節目のpet-ct」を受けに東北へ。

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