もさ

主に読書記録と日記。 大企業勤務・国立大(理系)卒アラサー 分からないことばかりという…

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主に読書記録と日記。 大企業勤務・国立大(理系)卒アラサー 分からないことばかりという気持ち。

最近の記事

読書感想文 SHIBUYA! ハーバード大学院生が10年後の渋谷を考える

全編を通じて、多様性を包摂しようとする話。消費者としての人々や電車の乗り換えの人、海外旅行者くらいがターゲットされた街づくりがなされており、本来渋谷にあったストリートカルチャーが廃れていくことが危惧されている。(渋谷のカルチャーの発信地としての機能がインターネットやそれこそメタバースに展開されてきて、求心力がなくなってきたという話もある) 元々の渋谷系音楽なども東急西武の巨大資本の足元で発生したと考えられ、資本自体が不要という話ではないが、今の開発だとあまりにも資本の力が大き

    • 【読書感想文】実験の民主主義

      諸課題を解決するうえでも、市民の声を聴くのが大事だという思いがある。民主主義というか、市民の活動が個人的に重要だと思っているが、それが”いい”のかは立ち止まって考えるべきだと思っていた。つまり、自分たちにとっていいことが全体としていいのかは分からない。その意味で、宇野の本を手に取った。理論的にそれでいいのかを政治学者の目線でも語っていないかと。 一言でいえば、それについては、複雑化された現在においては、実験的にやるしかないというスタンスといえそうに思う そもそも全体として"

      • 何のスマート化か。-読書感想文「スマート・イナフ・シティ」

        スマートシティという言葉自体、現在バズワードになって久しく、 政府がデジタル田園都市構想によって、都市のスマート化を後押ししている。 よく引き合いに出されるトロントにおけるスマートシティの失敗について、 政治的なプロセスが全く行われずに、提携企業が選定されたことが原因として挙げられている。*1 こういうことが起きないように市民と合意形成をしながら、スマートシティ化を推し進める必要がある。 *1 それはまさしく「スマートイナフシティ」にて指摘している点である。 本書に

        • いいのかもしれない。-2024/1/27の日記-

          前日、ホームパーティにて4人でワインを4本開ける。10時ごろ起床。重たい腰を上げ、ジムへ。行ってしまえば勝ち。だし、なんとなく前日に酒をたらふく飲んだとしても、次の日、健康的にジムに行けるおれかっこいいとどこか誇らしくなる。とはいっても、朝はゆっくりだったため、ジムが終わって帰るころには2時まえくらいに。軽く買い物に、千駄ヶ谷へ。初めて訪れた街だったが、いい感じだった。その街の象徴っぽいお茶屋さん、モンマスティーへ。いい甘さで、小腹がすいたときにちょうどいい。Freshser

        読書感想文 SHIBUYA! ハーバード大学院生が10年後の渋谷を考える

          【読書感想文】差別はいけないとみんないうけれど

          基本的にはロールズの正議論に則り、「正体が無知のヴェールに包まれた状態」におけるものに立脚していたいものの、生得的な違いなどにより、平等ではない事実(女性のほうが感情的だったりすることを裏付けるデータだったり、人種によってIQ平均値の統計的な差異が認められていることなど)により、それが上っ面な正義でしかないことが明らかになってきた。また、女性の平等を求めたとしても、それに見合う効能とコストがあるのかと指摘し、棄却するような功利主義(それぞれの正義や道徳の対立を効能とコストの観

          【読書感想文】差別はいけないとみんないうけれど

          15年ぶりの従兄弟との再会

          昨日、父方の従兄弟に会い、ごはんを食べた。実に、15年ぶりとかくらいだった。小さい頃はよく会っていて、兄弟のような関係性だと思っていた記憶がある。従兄弟と会えるというのは、妙にイベント感が高くて、当時、父方の家に遊びに行ったときは、母親はすぐ帰っても、残って数日家に入り浸っていたような気がする。 親の離婚で母側に引き取られた自分は、父方との関係が崩れてしまい、そこから15年くらいは会えていなかったということになる。 facebook/Instagramでなんかの拍子につなが

          15年ぶりの従兄弟との再会

          9月前半の日記 -言語化能力の低さによる悩みばっかりな日々-

          某日 英語の勉強を兼ねて、NHK world Japanを定期的に読んでいる。 昨今だと、トピックが非常に多く断片的な情報ばかりを拾っているように感じる。 背景や歴史をあまりにも知らなすぎることにどう向き合うのか。 一日あたりニュースに向き合う時間は限られているため、その10分そこそこで何かがわかるわけでもない。 複数日にわたり、同じトピックについて考え続ける必要があるが、新たなことが次々と流れてくる。 ニュースを読んでそこで感じた疑問をテキストで残しておいて、次の日にその疑

          9月前半の日記 -言語化能力の低さによる悩みばっかりな日々-

          【読書感想文】陰翳礼讃

          要は、近代化が進む日本において、昔の方が良かったみたいな話で、昨今だと、「老害」みたいに揶揄されかねない。が、その老害っぷりの緻密な文章が彼の表現力の高さを表している。 西洋のライトが日本家屋にもどんどん導入され出して、夜ですら部屋の暗がりは無くなった時代を谷崎は生きていた。そこから更に近代化/西洋化が進んだ現代において、我々は確かに夜でも日中と同じように仕事したり、家事したりできている。我々はその利便性を謳歌している。 だが、同時に失ったものがありそうだ。 覚束ない蝋燭の

          【読書感想文】陰翳礼讃

          8月の日記

          某日 参加しているボランティアにて、BBQ企画を実施。基本的にみんな楽しんでくれていたと思うが、役割を与えてあげることをもっと自覚的にやってあげたいと思った。ボランティア側が率先して、BBQを進行する(例えば火をつける、肉を焼く、野菜を切るなど)も大事なことではあるが、みんなで作り上げることのほうが重要。役割があることによってそこがその人の居場所になるように思う。飲み会などで若手に酒を注がせたり、出し物をさせるような文化も元々はそういう意味で成立していたように思う。確かに自分

          8月の日記

          7月の日記

          某日 明らかに発言不要の会議にウォーキングしながら、参加。こういう打ち合わせを見つけて、定期的に運動のタイミングを確保したい。というか、そもそも発言もしなくていいような会議には参加しない強い気持ちを持ちたい。 某日 業務において、いろんなデータ・数字を集めて、経営層に発信している。いろんな数字を見ていると、いろんなことが見えてくる。以前に上司が言っていたが、データはもしかしたら役に立たない、嘘をつくかもしれないが、少なくとも納得感を全員で共有することができるものである。そし

          7月の日記

          3月の日記

          某日 全社共通のE-learningや期首の福利厚生系の申請など、簡単な雑務はよっぽどじゃない限り、目についたら対応するようにしている。忘れてしまうため。 確実にやることと早くやれることの2重の意味を持つ。早いだけで回りからも評価を得ることができる。 今日も早いですね、とコメントを同僚にもらった。単純にメモリ上残しておくのがだるいだけだし、 そもそもそんなに忙しくないし、一定の時間集中しないといけない業務もそんなにない。 暇であることを露呈しているだけなのだろうか。 某日

          3月の日記

          VUCAの時代に求められるスキルとは

          VUCAの時代に求められるスキルとはなんだろうか。 とある。 そういうのは今までも求められていたようにも思う。 モダニズム的、フォーディズムのような時代からの脱却というのはもう何十年も前から語られ、構造主義的な背景をもとに作り上げられたポストモダンという概念がある。 さらにポストモダンへの批判として、多元主義がある。 多元主義的な状態(いきすぎた相対化が言葉をなくさせる、批判を一切できなくさせる)からの脱却としてのリスキリングなのだろうか。 そもそも不確実な時代にデータ分析

          VUCAの時代に求められるスキルとは

          映画「ハッピーアワー」

          重心の探り合い。人を頼ること、だれかとの間にある正中線に身を置くこと。それが幸福の時間である。というのが映画「ハッピーアワー」のそのタイトルの意味と言える。くだらない飲み会、夫婦生活のような、自分の行動が相手を慮ったり想像したりして発生する時間。自分の行う行動の動機が主体性の内にはなく、その関係性の間、間主観的に存在している状態。そういう状態を幸せというのではないかと提示する。 自立しすぎていた公平に対して純が言い放つ「つまらん。」、「生活の中で殺された」という言葉はまさにそ

          映画「ハッピーアワー」

          12月後半の日記

          12月某日 電話会議において、質問があったとしてもそこで聞くべきなのか、他の人も知りたい情報なのかを考えてしまって、躊躇してしまう。結局後から質問もできるとなると、その場で必ず聞くべきことは何なのだろうか。人の時間を奪ってまで聞くべきものはそんなに多くないのかもしれないと思う。だし、仮に他の人にとっても重要かもしれない情報だったとして、自分ごととして受け取れるのかは不明だ。(個人的には正直他人が質問している内容はあまり頭に入っていない。)また、他の人が後から同じ疑問にぶつかる

          12月後半の日記

          12月初旬の日記

          12月某日 会社の人と飲み会。 居酒屋のメニューや案内が日本語ばかりであることが気になった。 日本にいると、広告や案内は日本語のみで書かれる場面が多い。 これでは、あまりにも外国人に対するおもてなしが低いと感じる。 海外からみたときの参入障壁はある種自国の労働を守るという点においては、ポジティブに効果を発揮してはいるが、ツーリズムやグローバリズムという観点で言えば、苦しい。 ただ、昨年海外駐在していた身としては、日本語で全情報が手に入るというこの心理的安全性は代えがたいとも思

          12月初旬の日記

          9月前半の日記 帰国まで

          9月某日 シンガポール日本人墓地に行く。 墓地自体は日本らしいのに、土地柄、生えてる木やメンテしてる人の肌の色、聞こえてくる言語はまるで日本じゃない。 このズレはここで生きて死んでいった人たちも感じていたはず、 今よりももっと日本との距離が遠かった時代の孤独感を想像する。 1年だけで期限もある状態でシンガポールに来ていたが、それでも日本との違いに食らってしまって、孤独であった。 帰る前にここに来れて本当に良かった。おすすめしてくれた友人にも本当に感謝。 9月某日 朝のルーテ

          9月前半の日記 帰国まで