DHLの配達員が超クール

会社のビルのエレベーターで、大きな荷物を持った女性と一緒になった。キャリアウーマン風の容姿に、赤い口紅をつけて、小さなショルダーバックを肩から下げていた。

大きな荷物にはDHLのロゴがついていて、封筒や小さなダウンボール箱が溢れそうになっていた。もしや、この素敵な女性はDHLの配達員なのだろうか。

配達員といえば、過酷なシンガポールの気候のもとでは、いつも汗だくで、ウエストポーチを腰につけていて、髪も乱れているイメージ。わかっている。もちろん、全員ではない。でも、次から次へと配達先を回っていれば、顔も髪も汗まみれになるし、荷物を運ぶときに服が汚れたりもするだろう。

私が配達員だったら、汚れてもよい格好をするし、化粧が落ちて汚くなるくらいだったら、最初から化粧はしないかもしれない。

こんなことを別のシチュエーションでも思ったことがある。例えば、美容室に行くと、私服で働いているところと、制服で働いているところがある。小さな髪の毛があちこち飛んでいるだろうし、パーマや染髪の液体が服にぴょんぴょん飛んでくるだろう。服を汚したくなければ制服のほうがいい。

おしゃれな美容師さんは、私服でも決して「汚れていい」格好をしていない。こんな素敵なお洋服、汚れてしまったらもったいない、と思うときもある。

仕事にはそれぞれに適した服装がある。工場で働くのに、機械にはさまりそうなピラピラしたスカートなんて着ていたら安全性に問題がある。汚れていい服を着ている人は、仕事中に余計なことに気をとられないで集中できるだろう。

でも、服装はその人のスタイルを周りの人に瞬時に伝えることができる。

その配達員の服装が、本当に仕事をしやすいかどうかなんてわからない。女性だから女性らしい格好をした方が素敵、なんてことを言いたいのではない。ただ、自分がいかにいつも先入観にとらわれているのか、とか、どんな職業でも自分のスタイルを維持することはできるんだ、と思い、配達員の女性がとてもカッコよく見えたのだ。

という話。

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