私が住む、マレーシア・ペナン島。
信号機というものをあまり見かけません。
片側3車線くらいの道路も車の切れ目を狙って
みんなその辺をどんどん渡っていきます。

私もだいぶ慣れてきて、道路の真ん中で取り残されても焦らずに
じっと車の切れ目を待って気をつけて渡ることが出来ています。

先日、SNSで「散歩にちょうどいい」と評価されていた公園が
家の近くにあることを知り、
Google Mapで調べながらお散歩がてら行ってみることにしました。

歩いていてしばらくすると、大きな幹線道路にぶつかりました。
ここを越えなければ公園に辿り着けません。
しかし、片側4車線で中央分離帯にはガードレールが隙間なく設置してあるし
車がスピードを落とすことなくビュンビュン通り過ぎて行きます。
ここは流石に渡れる気がしません。
いや、横断しちゃダメな道路だと思いますけど、この交通量。。。

道路沿いをしばらく歩いてみたのですが、向こう側へ渡る歩道橋もなく信号もありません。

やはりここは渡れないだろうと思い諦め掛けていたその時、
ひとりの女性が左右をキョロキョロ見回し、
明らかに渡ろうとして車の流れが途切れるのを待っている様子でした。

「すみません、向こう側へ渡るんですか？
　私も一緒について行っていいですか？」

どうしても一人で渡れる気がしなかったので女性の渡るタイミングで
私も一緒に渡ろうと思って声をかけてみました。

女性は快諾してくれたので、二人でじっと車が切れるのを待ちます。。。
3分程経っても全然渡れるチャンスが来ない。。。
彼女も「この辺りに楽に渡れる道があるといいんだけど。。。」と。

そんなことしてるうちに、どこかのおじさんもいつの間にか私たちと一緒に車の切れるのを待っていました。

さらに3分位経った頃、最初に動いたのはおじさんでした。
車が少し渋滞し始め流れるスピードが遅くなってきた時、
おじさんは一歩前に出ました。

「お、おじさん！？今、行くんですか？」（心の声）

おじさんのタイミングを疑ってしまったのですが、
だんだんスローになってきた車の間をおじさんが行きます。
そして、とうとう車の流れが止まりました。

女性と声を掛け合い、慎重に且つ急ぎ足で渡ります。

やっと渡れた！
もう、おじさんと女性と三人で手を繋いで喜びたい気分でした。

と、思ったら、たどり着いたのは中央分離帯。
おじさんも女性も躊躇なくそのガードレールを跨いでいく。。。
そうだった、まだ渡りきれてなかったんだ。。。とほほ。

また3分程三人で並んで車の切れ目を待ち
ようやく向こうの通りへ辿り着きました！

女性にお礼をいうと、笑顔を返してくれました。
そしてすぐに自分の道を急いで行ってしまいました。

日本では車がいなくても赤信号を止まって待つタイプの人間だった私。
なんか、もう、ちょっとしたアドベンチャー！！w
でも彼らには日常の光景なんですよね。

数年後には、私にとっても日常の光景になることでしょう。
そのうちガツガツ車を掻き分けて道路を横断しているでしょう（←危険）
そして、一時帰国した時に日本の道路を信号無視しそうで怖いです。