しばらくぶりにここに帰ってきた。
わたしは、婚活を休止している。
表題の通り、婚活アプリも削除した。アカウントも退会した。

別に彼氏ができたからでもない。
単純に、結婚に焦ることをやめたのだ。

一番の決定打となったのは占いだった。
もうひとつは、片思いが忘れられないからだった。

今年に入ってから、旧知の既婚男子と急激に距離が縮まった。

話が合うし、おもしろいし
顔も身なりも好み。
仕事ができて、尊敬もしている。

既婚な上に遠距離。
会えない寂しさと、会えた時の破壊力が強くて、
わたしの中をどんどん埋めていった。
「都合のいい女」だと百も承知で、
それでも彼に会うのが楽しみで、
私は自他ともに感じるほど、魅力を上げていた。
彼が結婚していないければ、と200回くらいは考えたと思う。

「本気になったら困るんでしょ？」

夏に会ったとき
せっかくの雰囲気を壊さないように、
でも本気が伝わるように、
そっと聞いた。

彼は困った顔をして、返事はしなかった。
それで十分な答えだった。

じゃあねと言った後、
私はしばらく呆然と東京の夜景を見ていた。
もう連絡をするのはやめようと思って
たくさん泣いた。

別れ際「また会える？」って
彼の方から聞いてきて、
ずるいなと思った。

結局そういうところで、
毅然とした決定をするのは女の方だ。
私は「酷な質問ね」と受け流すのが精一杯だった。

私は心の底から会いたかった。むしろ離れたくなかった。
でも、真面目な自分が足を引っ張る。

連絡しない、という選択は結局できなかった。
意志が弱いことにうんざりしつつ、
寂しさの方が勝ってやめられない。

貴重な30代前半は刻一刻と過ぎていく。
不安と、自由とのせめぎ合いは続く。