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ピュアな告白を秒殺した

私はもうすぐ「アラサー」というにも厳しい年齢になる。
周囲には同じかちょっと上くらいの独身男子がいて、当人も周りも、「あの人とくっつけばいいじゃん」みたいな考え方をする。

正直、なぜそんな安売り市場みたいになっていくのか遺憾に思う。

「結婚できないアラサー」=「ハードル下げます」じゃない

敢えてここでは愛があるゆえにこういう言い方するけど、
「田舎のオヤジ達」にいじられるとき、
大体私は「結婚できないんですよ、頑張ってるのに」という。

それは嘘じゃない。
でも、だからと言って「早く結婚したいから、文句言いません」に変換しないでほしい。むしろ、我が強かったからこうなっているのに、それがなぜ急降下すると考えるのか。

そうしてとってつけたみたいに
目の前の独身男とすぐにマッチングしようとするのはやめてほしい。

たちが悪いのは、それでその独身男がまんざらでもなかった時だ。

「ヒラマサさん」みたいな男子とマッチング

ドラマ「逃げ恥」は私もハマって最終回までガッツリ見た。
星野源演じるヒラマサさんは「プロの独身(=中年童貞)」だったが、正直なところリアルでそれは私には厳しい。
ましてルックスが星野源じゃないのだから。

マッチングされる対象はそういう系が多い。
奥ゆかしいというか、草食というか。

申し訳ないけど、私はそういうのを可愛いと思えるようなオトナ女子じゃないし、
いたって普通の経験値しかないのでフォローもできない。

職場のピュア若手女子にアプローチされていた男子が「オレこの歳になって処女はムリだよ」と言っていたのを思い出す。
その時は「若い子が言い寄ってくるってウハウハじゃないの?」と思ってたけど、ちょっと理解できる気がしている。

電話で「付き合ってほしい」

とある夜。知らない番号から電話がかかってきたら、その相手はいつかのマッチング独身男だった。

もじもじとしながらも単刀直入に告白を受けた。
こんなピュアな告白スタイルいつぶりだろう。
そんなことを冷静に思える私は冷めた大人になったものだ。

「あー…申し訳ないです。私は自由に生きるのが捨てられないので」

そう言ったけど、腹の底にはもっと残酷な本音があった。
ルックスからしても、話の合わない趣味からしても、
問答無用であなたとは無いんで。
仕事やライフスタイル以前の問題なんで。

…人間的にこんなことを思っている自分はひどいと思いつつ、
いや、どう考えてもそうなんだよ。

毎日顔を合わせたり、
街中を歩くときに私のパートナーとして横にいることを考えても、
絶対わたしは嫌になってしまうから。

秒殺でピュアな告白を断った後、
わたしは振られた時の悲しみを思い出していた。

実らなかった恋に泣いていた時、
もしかして相手はこれくらいアッサリと思っていたのだろうか。

一世一代の大チャレンジみたいなものも
なんとなく言ってみたものも
みんな同じ「告白」で

断腸の思いで答えるのも
今回のようにアッサリ問答無用みたいなのも
みんな同じ「返答」だ。

結構マジメに生きてきたつもりだけど、
わたしは結構人の気持ちを無下にも出来てしまうのだと

なんだかピュアな告白を通して
残念な気持ちになったりしていた。

そしてさらに、

「いい歳こいて選んでるんじゃねーよ」

という、誰ともつかぬ世間のバッシングが聞こえるが、
もうそんなものにも動じない。

わたしは結婚に焦ることをやめたのだ。

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