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友人の結婚発表に、焦燥ではなく安堵した話

久しぶりの婚活ネタ。今日は不意打ちでカウンターパンチを食らったはずが、なんかあったかい空気砲だったみたいな話。

先日、前職の同期の女子、F子とH美とランチに行ってきた。H美はまだその会社で働いていて、同期の中では希少な生き残り。F子は退職してフリーランスで仕事をしている。素直で、穏やかで、可愛くて、大好きな2人。

久しぶりに会ったので、それぞれの近況を話したり、あの頃はどうだったとか、相変わらずあの人はこうだとか、どこのスイーツが美味しいとか、女子の話のネタは尽きない。頭のいい子はおしゃべりが面白いし、とっても楽しく過ごした。

お手洗いから戻ると、F子とH美がほわほわ笑って話してて、なになに?って顔したらサラっと「結婚したって話してたの」とF子が言った。

「…ん?え、え?F子がってこと⁈」

いつものパターンならそこでまた焦燥感に駆られ、複雑な気持ちになる。でも今日は、これまでにはない、ゆるっとした安堵感とおめでとう感がスモークみたいに湧いた。

多分、F子がほとんど結婚願望がない子だったからだと思われる。
F子には長く付き合っているちょっと年の離れた彼氏がいて、一緒に住んでいたのは聞いていたけれど、結婚しないのか聞いたら、「何にも変わらないから、別に籍は入れなくてもいいかなって思ってる」と話していた。
「子どもでもできれば結婚するとは思うけど…」と言っていたので、もしや!と思ったけど、妊娠したわけではないらしい。

こんなに可愛い「のに」
こんなに良い子「なのに」
まだ若い「のに」

「結婚しないと決めるなんてもったいないよ」

そんなふうに、自分がそう思われたら心外な所感を、例外なく私もF子に対して感じていたのだと思う。だから結婚したと聞いて安堵したんだと思う。そんな自分だけの考え事をしてたら、F子がゆるゆる〜っと続ける。

「何にも変わってないから、全然実感もないんだけどね」と、まるできのうの夜何食べたか話しているくらいのテンションだ。いつもと変わらぬやさしい空気のF子が「本当に素敵だなぁ」と感じてしまう。自分のことで頭がいっぱいのハッピーオーラが全開のお花畑女子からの電撃婚発表と決定的に違うところだ。

この気持ちは、、北川景子とDAIGOが結婚した時に感じた感覚に似ている。たぶん、本能的に好きで、憧れていて、その人が新しいことを決めたことが素敵だということでいっぱいなのだ。幸せを願うというより「いいねぇ」「いいじゃないの」ってしみじみ見守りたい気持ちだ。

H美もいつものように「そっか〜素敵だね〜」と微笑んでいた。H美も独身だけど、H美はとってもマイペースだから、たぶん私みたいに焦燥感を感じることはたぶんないのだろう。でも、思うこともあるんだろうな。

「私、次行くところの手土産何か買ってくね!また会お〜!」

帰り際、F子は駅前のデパートへ向かって言った。
焦ることもなく、好きな人と自然に結婚したF子は素敵だな。いいな。
でも、そうやって人にお菓子を買ってあげようとする愛されキャラのF子だからこそそうなれるんだな。
そう思う私はひねくれてるな。

…そんなことをぼんやり考えながら、電車に乗った。
私も素直に可愛いことを考えられる女子に戻りたい。

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