愚かな私
大変だ。
自分から別れを告げたくせに今更めちゃくちゃ苦しくなっている。
別れてすぐは、彼に早く次の恋愛に向かってほしくて素っ気ない態度で接していたはずなのに。
私は今でも彼のことが好きだ。
どこが?と聞かれてもすぐには答えられないが彼のことが好きなのだ。
先日彼から電話があり、夜中の0時から朝の4時30分まで話していた。付き合った当初みたいで嬉しかった。次の日も仕事だったけど、きっとあと数回しかないであろう彼との電話を切りたくなかった。
彼は仕事を辞め今より遠くへ引っ越すことを決めた。女性からアプローチされどう返事をするか迷っていると私に話した。
彼が私から遠ざかってゆく。靄がかっている。彼の顔がよくわからない。
彼のことが嫌いになって別れたんじゃない。
家庭が欲しい私。やりたいことや勉強したいことがたくさんある年下の彼。
付き合っているときは折り合いがつかなかった。
もっと話し合いをすればよかった。無理してでも会いに行けばよかった。色んな提案をすればよかった。彼に頼りすぎだった。責任を彼に押し付けようとしていた。哀れだ。今更後悔しても遅い。
前髪を切ったことだって、彼にまたやり直したいと思ってほしかったからだ。
電話で、まだあなたのことが好きだと言った。
でももうやり直せないよねと言われてしまった。
色々提案してみてもだめだった。
あなたとまたやり直す方法を考えることに意味はない?と聞くと、その時間は別な人と付き合うことを考えた方がいいと言われた。
私はどうしてこうなのか。失ってから気づくのだ。なぜ失う前に気づけない。
行かないでと言いたい、他の人と付き合わないでと言ってしまいたい。彼を困らせたい。言ったところでその通りにはならないと分かっている。
そして薄々気付いている。これは彼への愛ではなく自分への愛だ。利己愛。
彼の私に対する好意がなくなってしまうことが、こんなに恐ろしいことだとは思っていなかった。
彼に会いたい。抱きしめたい。キスをしたい。
抱きしめてほしい。キスをしてほしい。
彼との愛おしい日々よ。どうかあの頃に戻りたい。辛いこともたくさんあったけど、私は彼の愛に支えられて生きていたのだ。
たったの1年半、かけがえのない、私には眩しすぎる年月だった。
1人になった愚かすぎる私はどう生きていけばいいのかわからない。
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