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ジョーカー感想 唆されて作られたような映画

ジョーカー観てきました。ネタバレ有りで感想書いていきます。

予告編の展開そのまんまだったけど、関係無しに超面白かった。ホワキンフェニックスの演技力もさることながら、とにかく画が綺麗だったからだと思う。
あと、社会派映画というより、割りとバットマン映画だった。

作為的な粗さ

アーサーの境遇に共感する所はあるものの、殺しの衝動に繋がる説得力や共感させる為の描写が無い。殺した後の爽快感あふれる綺麗な画で観客をスカッとさせて誤魔化しているが、後でよくよく考えてみると殺人に至る材料が乏しい。
金持ちやムカつく奴を殺すとスカッとするだろ?という下劣なメッセージをこの作品は荒く投げかけている。
でもそれで良い。だってジョーカーの話だから。
正直ジョーカーが元々優しくて良い奴だったなんで思ってる視聴者はあまりいないはずだ、この映画は茶番で、ジョーカー自身が自ら語っているお涙頂戴ストーリーという印象が終始あった。
この手法が上手い。社会派映画ではなくジョーカーの映画、バットマン映画たる理由だ。
アーサー可哀想。殺人鬼に至るのもしょうがないよね。と思わせようとして思わせられない粗さと隙。この行間にチラチラと製作者側、神の視点にいるジョーカーの存在を感じるのだ。
きっとジョーカーに唆されて作ってしまったんだろう。

ただし、この映画に感化されてしまう人も一定数いるかもな、と思ってしまうのはやっぱり結構酷い現実の状況なんだよね。

色々考えさせてくれる良い映画だった。

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