扇ヶ浜があったから

千葉から和歌山県　紀南地方に移り住んで四半世紀になります。
実家から初めて離れ、誰も知り合いのいない関西。

嫁ぐにあたって、不安はありましたが、
「ここなら住んでも大丈夫かも・・」
と、思えたのは、
『近くに可愛い雑貨屋と、扇ヶ浜があったから。』
と言っても過言ではありません。

身近に海がある生活は、憧れです。

嫁いだころは、友達もいなくて
寂しくなると一人、自転車を漕いで、扇ヶ浜の海を見に来ました。

ぼーっと海を眺めていると、
思い悩んでいることが、とてもちっぽけなことに思えてきて、
心の充電をして帰れたのを思い出します。

聞けば、今でも友人は、
扇ヶ浜で一人座ることがあるとか。
大きな海を前にすると、頭の中の整理もできるようです。

美しい田辺湾は穏やか。
海を見て気持ちが安らぐ・・
そんな方は案外少なくないように思います。

夕日がきれいな街

扇ヶ浜は、田辺市民の憩いの場 サードプレイス

夕方になると、各々浜に繰り出し、
犬の散歩をする人。
小さな親子連れ。
学校帰りの高校生。
おなじみさんとおしゃべりする年配の方々。
バスケやスケボーをする若者。
ギターを弾く人。
おつまみとビールでくつろぐ人や
時に夕飯を広げる方たち。

老若男女が自由に集い、
自然と言葉を交わすその雰囲気が好きで、
まさに田辺の縮図。

弁慶祭りともなれば、
すごい人出で！
浜で見る花火は、秋の田辺の風物詩です。

気軽に海の真ん前に駐車できて、
誰でもくつろげる市民の憩いの場、

『サードプレイス』

私は扇ヶ浜が大好きです。

新しい観光施設が立つ計画

先日、地元紙に扇ヶ浜駐車場のスペースに、
新たに観光施設が立つ計画という
記事が掲載されていました。

『えっ！一体どこに何ができるの？』
ざわつく私の周囲の面々。

この浜の雰囲気は貴重です。
どんな建物が立ち、
今の景観や雰囲気が、どのくらい保たれるのか不安でなりません。

市民の日常の声を大切に聞き、現状のリサーチ、
想像力をもって計画してほしい。

今はまだ何もわかりませんが、
経過を注意深く見守っていきたいと思います。