『闘争領域の拡大』ミシェル・ウエルベック|感想
ー現実社会という名の檻ー 『闘争領域の拡大』は、現代フランスを代表する小説家であるミシェル・ウエルベックの処女作である。私にとっても、初めて読むウエルベックの小説だった。ただ正直なところ、うまく読み込むことができなかった。読み終えた後の感覚は、村上龍『限りなく透明に近いブルー』を初めて読んだ時と近しい感覚だった。それはテーマのひとつとして、セックスを扱っているからだろう。
読み込めなかったなりに、この小説を読み解いてみた。そのために『闘争領域の拡大』のあらすじを説明したいの