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アトロピン、その使い方間違っていますよ(笑)

注:本記事は特に有用な内容はございません

昨年の夏頃、2歳の娘さんをつれた20代前半のお母さん。

「娘の目が内側に寄っている気がするんです」

私がみると、完全に内斜している…

今のクリニックにきて、小児の内斜視を見るのは久しぶり。

緊張感が走る。

詳しく検査をする必要があること、そのためには調節をとる強い目薬を使わないといけないことをできるだけ丁寧に説明。

院長に状況を伝え、アトロピンを処方してもらうことに。

「刺激の強い目薬なので、かなり嫌がると思いますが検査のために必要です」

「見えにくくもなるので注意してあげて下さい。よろしくお願いします」

お母さんに後日の検査日を伝え、来院を待つことに。

まさかまさかの事態に…


来院してくれるか心配していましたが、娘さんと2人予約した日に来てくれました。

「目薬、大変だったと思いますが頑張って点眼してくれましたか?」

それが…うちの娘、目薬すると凄く喜ぶんですよ。

ん?珍しいな

「それはよかった、じゃあしっかり目薬できましたね」

「はい、でも凄く刺激が強くて嫌がると聞いていたので…」

「旦那の目に点眼してみたんですよ」

ん?私の聞き間違いか。多分そうだよね…で、今なんておっしゃいました?

「いや、だから旦那の目に点眼してみたんですよ」

「そしたら旦那が見えない見えない騒ぎだして…目薬ちゃんと効果あるんだなって安心しました~」

ええっ~⁉本当に旦那さんの目に点眼したのか、え、そこは自分じゃなくて旦那さんの目なんだ。

てか、アトロピンとか大人の目に点眼したら…生活どうなる?

自分だったらどうするかな、仕事行けるかな?

その後どうしたのかなと頭の中でいろいろな思いが交錯する中

「それで旦那さん、どうなったんですか?」

「う~ん、しばらく見えにくそうでしたけど、慣れたみたいですよ。あ、片目だけですから

片目だけの点眼と聞いて安心しつつ、なんだか点眼された旦那さんの状況を想像したら不覚にも笑っちゃいました。

だって、お母さん全く悪気なさそうなんだもん。

という、昨年個人的に一番ツボに入ったニュースでした。

アトロピン、そんな使い方したらダメですよ(笑)

読んでいただきありがとうございました。


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