見出し画像

五等分の花嫁8扉五月考察(WGP2023世界大会調整記)


はしがき

おつかれさまです、おるかです。

五月についてそれなりに考察したのでアウトプット。
五月というデッキを語るにあたり、Noteだけでもかなり様々な記事がありそれらを参考にしたことを明記しておきます。
また、このデッキは五等分映画弾の実装当初からデッキパワーの高さの割に高い評価を受けていたとは言い難い上に、2023年ネオスタンダードにおいてかなり優秀な成績を収めた割には一切の規制を受けなかったデッキでもあります。

一から組み上げたわけでもない(既に存在するアーキタイプかつ特に何事もなく組んでも40枚くらいは一緒になるはず)ので構築1枚1枚というよりは何故このデッキを選び、どのようにチューンアップを行い、その過程や成果がどうであったかの部分を重点的に語ろうと思います。

このデッキを使ったのは2024年2月の世界大会環境で、そこで勝つために調整をしました。
2024年環境でも環境が大変動しない限りは一定の成果は残せるとは思いますが、この記事を読んで何かを吸収するにあたってこのデッキが2024年前期のデッキとして選ばれたわけではない点にはご留意ください。

1.世界大会レギュレーション考察とデッキ選定

レギュレーション理解

まず、この世界大会のレギュレーションは時間との戦いでした。
制限改定が1/6で大会は2/3、出場者=各国の勝者のデッキはほぼ壊滅しているので各々が1か月で勝てるデッキを何とかして準備する、というレギュレーションと理解。時間をかけて習熟する必要があるデッキを悠長に履修している暇はない、味がなくなるまでデッキを嚙み続けて苦手対面を潰したりすることも難しい。WGP2023を勝ち上がるのに必要なスキルセットとWGP2023世界決勝で優勝するために必要なスキルセットは全く別物だと感じました。
一応準備自体は12/26から開始。制限がかからなさそうなデッキで候補をいくつかさわり絞り込んでいく作業。

当日の出力(=デッキパワー×練度)を上げるためにできることを考えると、アプローチは大きく二つで、練度重視かデッキパワー重視のどちらか。
①それなりに練度があるデッキの中からある程度強いデッキをピックしチューンアップする
②最強の秘蔵デッキを作り上げるor最強デッキを死ぬ気で履修する

今回は①を中心に選びました。
最終的には取れるデッキ選択肢との比較などありつつの結論ではありますが、世界大会においてプレイミスで負けた時に自分が後悔するであろうことも気にしました。最終的な勝率が最も高い択を選ぶべきでこのような私情は挟むべきでは無いのですが、優勝する確率と優勝しない確率なら後者の方がおそらく高い状況において、そう何度も訪れることが出来ない舞台に出た記憶がプレイミスの苦い記憶とやりきって力負けした記憶なら後者の方がまだマシだろうという。併せて、僕自身ヴァイスシュヴァルツ自体はそれなりの歴があるので地の動きがヴァイスシュヴァルツの基本に近いほどフィットが早く、特殊な動きや考え方へのフィットには時間がかかるなどの事情もありました。「今から作れる最強デッキ」はどちらかと言うと特殊よりだろうという。
②の候補として本門ピクサーや8枝プロセカ8電アリスギアなどがありましたが前者はむずすぎ(まさに特殊な動き、考え方のオンパレード)、後を2つはデッキが多分強くない(or1か月で''何とか''するのは難しい)というのがそれぞれ10試合ずつ回してのざっくりの結論。
デッキの強い動きが発現した時のピクサーは強そうでしたが多そうに見えたかなたマリンとバンドリの2光景が体感どうにもならず1ヶ月でどうにかするのは厳しそうというのもありました。
ピクサーのみ最悪乗り換えも考慮しつつ一旦は①の方針で進めることに。
(ちなみにこの考察をする時点でCardGamerK選手のデッキは6枝2扉のチェンソーと断定。けーさんは僕より最適解を取れないのが嫌い。)

デッキ選定

①としては、全国大会に向けて対面練習のために回していたデッキのうち制限がかからなかった軍団がメインの候補でした。僕個人の話をするなら五月と8電ホロ。後はECG×Kのサーバに所属していたため謎に電源ぐらの知見が高かった(くれあ選手さんきゅー)のでここも候補でした。

特にこの二つのタイトルはプールが広く、練習をする中で特定のデッキに対してささるメタカードが必要になった時に後付けで無理やり入れるみたいな対応がとりやすいことから、こういうシーンで選ぶには適していると言うのを実感しました。有効プールが広い強みですね。
狭いプールだとそもそも○○がない!みたいな形で他の部分に納得しているのに環境要因で没になることも考えられます。加えて、それが2週間調整してからだったりすると「1ヶ月という期間で何らかの答えを出す」という今回のレギュレーション上致命的です。
五月に関しては光景がない点が問題ですが、世界に出てくるメンバの思考を考えたときに光景がある程度閾値であることから、逆に「ストックだけが勝ち筋」のデッキを持ってくることは考えにくく、「その他の部分が十分強ければ」という条件付きで目をつぶりました。併せて、ストックは余程のインチキがない限りターンの経過が必要で、五月における「オカケンのソウルパンプで走り出しをあげたあと1連動でリソース回復する流れ」は素直にバランスがよく、序盤のお手軽ソウルゲーという「分のいい抽選」には過ぎないものの完全にバンザイお手上げでない点は評価点でした。

五月とホロライブを比較したときに、単純にナーフ無しかつこの3デッキ同士で戦った場合に一番強い五月を筆頭に据えました(白黒サイドがあるので同じサイドならそのサイド内のデッキには勝てないとまずいという考察。ピクサーなどのストックドカ積みデッキが黒なのは結構デカかったです。)。
デッキを見てもストブ手段あり、早出しヒール強め、入れるか不明だが防御札がプールにあり、火事場の馬鹿力的詰めがあるなどなどデッキとしてのバランスがよい上に、デッキの練度以前に自分のこれまでの経験が生かせるポイントが多く、チューンアップした時に様々な相乗効果で仕上がりがかなり良いと考えました。
またこういう「何が強いかまだわからんけど……」みたいな時はヴァイスシュヴァルツ的に強い、”面とクロックの押し引きに主張点のあるデッキ”を使うと一定の勝率を出せるという経験があったかつ、老害よりプレイヤーの1人としてそういうプレイに一定の自信があったことも決め手のひとつでした。

2.リストの整形

ということで検討の軸に五月を据えた上で、五月のリストを洗練させつつ無理対面がないかの確認作業を実施。
1/0型と2/1型があるのですが一旦はオーソドックス&専用サポートもある1/0型からスタート。ちなみに1/0型を回す間に2/1は少し厳しいなと思うようになったという裏話があります。

ここから先は

12,489字 / 23画像

¥ 800

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?