ふたつの町

五月は、通勤が楽しい。

 新緑の中だと、バスを待つのが苦ではない。バスに乗り込んでからも、スマートフォンよりも車窓に夢中になってしまう。

 この町は街路樹が豊かだ。公園も多い。山林を切り開いた住宅地には、所どころ雑木林の気配が残っている。高い建物は少ない。地平線は山に縁取られている。五月の景色は壮観だ。

 生まれたての若葉が、最初はおずおずと木々の枝先を彩り、やがて、勢いをつけて町中に溢れる

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五月につくった詩

零れた光に群がって虚空の闇をさまよう

その有様は誘蛾灯にまとわりつくようで

死にものぐるいで醜くて儚くてどこか美しい

偽物の光源にはもう飽き飽きなんだよと

ほんものを探しては孤独に四方を塞がれる

いつしか来た道すら見失って前も分からない

朝のこない夜をひたすらに待つことだけができるんだよ

「光」 (詩人の文学館)

いつだって思いを馳せるのは
その幕がおりるとき
悲しくなって寂しくな

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6月2日 無法モnote 第一回『初夏の憂鬱』

はじめに

早速今日から始まった6月最初の無法モnote。
梅雨に入る前に春先のことを巡り返すのもまあ悪くないか、なんて思いながらキーを叩いている。

雨の多い日になるとどうしても動かなくなるしなにより外出を控えるとなると玉の晴れた日に何をしようかということばかり企み天気予報ばかり気にし出す。今年の梅雨は長そうだし、梅雨が明ければ茹だる程暑くなりそう。これはこれは困った。

自動車学校に通ったころ

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溶けゆく甘さを口にした

眠いは甘くて
ときには深い

深海に沈んだことはないけど
例えるのであれば
水の底で息をするような、そんな
深い眠りに堕ちていく
そんなことが幸せで

明日も明後日もきっと君が好きで
そのまた次の日もきっと君が好きなんだろうな

好きなんて曖昧で
人の感情なんて理屈でなんて説明出来ない
定義しようともできないし
ときにもどかしく
その人間臭さがどうしようもなく
気持ち悪いけれど

でもそれ

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