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NLDSを振り返る

フィリーズ対ダイヤモンドバックスのNLCSが盛り上がっている中ではあるが、ここではタイトルの通り、ブレーブスのNLDSを振り返っていきたいと思う。

1  怪我

まずは投手陣の怪我人の多さ。特に先発陣の離脱は痛すぎた。

最も痛かったのはチャーリー・モートン。シーズン中ずっと苦しかった先発陣の台所事情。その中で39歳のモートンは中心となってローテを支えて14勝を稼いでくれた。だが最終盤で人差し指の炎症で離脱。そこまで重症ではなさそうだったがNLDSには間に合わなかった。もともと短期決戦に強いモートンがいなかったのは本当に痛かった。

モートンが離脱していなければストライダー⇒フリード⇒モートンの順で三本柱をPHI戦に注ぎ込めたはず。後半戦不調気味のエルダーを3戦目に投げさせなければならなくなってしまった。

球団オプションを行使してモートンと契約延長するのかはまだGMも明言していない(GMはモートンを高評価してたけど)。ここからの動向に注目したい。


そして、カイル・ライト。2022年に突如覚醒。21勝を挙げ最多勝を獲得して元ドラフト1位の意地を見せた。今年は更なる躍進が期待されていたが、まさかの9登板、シーズン後半の中継ぎでの1勝に終わった。

そもそもライトは開幕から怪我で出遅れていた。4月中旬に今季初登板したかと思えばすぐに離脱。当初は8月か…と言われていた復帰時期はどんどんずれこみ、結局9月に。

ポストシーズンに向けて切り札になるはずだったが、復帰後もピリッとしない投球が続いた。それでも先発のコマを考えるとNLDSではショートスターター気味に使われるのでは?と思っていた。だがシリーズ前に肩の怪我でまたも離脱。

手術を受けることになり、来年投げられるのかすら不透明だ。28歳とそんなに若くないし、そろそろ計算できる戦力になって欲しいところではある。

そしてマイク・ソロカ。2019年に13勝を挙げ新人王投票で2位。ブレークした…はずだったが、翌年にアキレス腱を断裂。2021年、ようやくその怪我が治ってきたところでアキレス腱再断裂。その後肘を痛めるなどして結局2年間登板がないまま迎えた今シーズン。

久々のメジャーでの勝利を挙げるなどマイナーとメジャーを行き来しつつ投げてローテを埋めていたが、9月に入って前腕の炎症で今季絶望。こちらもライトと同じく、ポストシーズンで短いイニングで良いから先発で投げて欲しかった。とにかく怪我が多すぎる。来年こそ本当の復活に期待。

他にもマクヒュー、ニック・アンダーソン、リー、イアン・アンダーソン、マツェック、イノアなど、中継ぎも含めた投手陣は本当に怪我人が多すぎた。しかもみんななかなか戻ってこない。来年はフルメンバーで見られるのだろうか。

2 アルシア事変

今年のNLDSのハイライトと言っても過言ではないのが、アルシアとハーパーの間のいざこざ(これをここではアルシア事変と呼ぶことにする)。

事の発端はハーパーの走塁ミスによって終わった第2戦後のロッカールームでのアルシアの「アタボーイ、ハーパー!」という発言。これを居合わせたフィリーズ側の記者が聞いて記事にした。これが瞬く間に拡散。これがSNS時代の怖さよ。フィリーズファンがこれに怒り、SNSでアルシアを猛バッシング。

もちろんハーパーにもこの記事の内容は届いていたらしい。第3戦、ハーパーは怒りの2ホーマー。ベースを回りながらアルシアを睨んだ。これは結果でやり返したハーパーがさすがと言うべきだろう。

試合後、囲み取材でアルシアは「彼(記者)は聞くべきではなかった。だってクラブハウスで言ってたんだから」とコメント。まあ言い分は分かる。

さらにこの騒動は続く。第4戦の試合中、フィリーズファンがベンチのアルシアを煽る。それに対してアルシアは暴言と変顔で煽り返した。

アクーニャになだめられていたが、アルシアはもう29歳。チームを引っ張っていって欲しい立場でこれは…と思ってしまう。
この一連の流れで熱狂的なフィラデルフィアのファンを余計に熱くさせてしまった。直接的な敗因ではないにしても、少なからずブレーブスのチーム内の雰囲気を悪くしてしまったのではないかと思う。

何より悔しいのは、これによってTwitter上などでブレーブスがヒール役にされてしまったこと。アルシアももちろん悪いが、記者側も悪いと思う。そこはもっとクローズアップされるべきだ。

3 冷えきった打線

このシリーズを通して、とにかくブレーブス打線は打てなかった。NLCSを見ていても、フィリーズ投手陣の調子が良かったことは間違いないと思う。それでもさすがに打てなさすぎた。

唯一打線で気を吐いていたのは2ホーマーのライリーぐらい。アクーニャ、ハリスはなかなか打球が上がらず、オルソンは引っ張っての強い打球が打てない状態。オズナやロサリオも不調だったし、マーフィーはシーズン後半から結局調子が上がることはなかった。

代名詞のホームランも4試合で3本。フィリーズは4試合で11本放ち、完全にお株を奪われた形になってしまった。

このシリーズ全体として、ブレーブス打線はボール球を振りすぎた。フリースインガーが多く、少々のボール球でもブンブン振る打線。しかも、ほぼ全員が好不調の波が激しいタイプ。ハマればどんなエース級でも攻略するが、ハマらない時はそこまで良くないピッチャーに苦戦する。そんな打線の悪い面が全て出てしまった4戦だった。

ブレーブスは主力とは格安長期契約を結んでいて、怪我がない限り来年もスタメン野手が大幅に変わることはないと思う(正直レフトは欲しい)。来年以降のポストシーズンでポストシーズンアレルギーは改善されるのだろうか。

4 終わりに

という感じでブレーブスのポストシーズンを振り返ってみた。来年のことも考えたいけれど、まずはこの先のNLCS、WSを見届けたいと思う。ではまた。


グリッソム覚醒してくれ。

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