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どう感じて、どう考えるか

今回は食料廃棄についてのお話しでしたが、読んでみていかがでしたか?世の中には多くの社会課題がありますが、それらを考える上で大切なのはまず「事実を知る」ということです。

今回のえほんを読むと
①日本では1人当たり1日でおむすび1個分ほど の食べ物を廃棄している
②世界で10人に1人が飢餓である
③食料廃棄は温暖化の一因にもなりうる
という事実が分かります。

さて、お子さんはこれらの事実を知りどのようなことを思ったのでしょうか?ここで大切にして欲しいのは、起きている事実に対してどう考えるかは人それぞれの自由であるということです。

例えば、「もったいないから、残さないようにしよう」と思った子もいるでしょう。「日本以外の国はどうなんだろう?」と興味を持つ子もいそうですね。また、「残しても他の動物にあげられるといいのにね」と考える子もいるかもしれません。このような観点はとても鋭く、もともと自然界ではゴミという概念はありません。人がゴミと考えているような食べ残しや排泄物も、他の生物が食べたり微生物が分解したりと、最終的には土に戻り循環しています。

さらには「残ったおむすびをつかって何か作れるかもしれない」と考える子もいるかもしれません。ここ最近ではサーキュラーエコノミー(循環型経済)という言葉が出てきて、廃棄物などの無駄を富に変える循環型の経済モデルが注目されています。この発想はまさにそのものですね。これらそれぞれの発想が、この課題に対しての解決策を生み出し、明るい未来を作っていくのだと私は思っています。

食料廃棄に話を戻しましょう。ニュースなどでよく聞く「フードロス」「食品ロス」とは、本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品のことです。令和元年度の食品ロス量推計値は570万トンとなり、前年度より30万トン減少しました。昨今の注目もあり、さまざまなアイデアでいい方向に向かっています。(農林水産省 食料産業局公表より)家庭で食料廃棄を減らすためにできることの一つとして「食材を使い切る」ということが挙げられますが、この点においてクックパッドが多くの方に活用されていることを感じます。余っている食材を検索欄に入れて検索するだけで、そこにでてくるのは日本中の家庭の知恵であり、一人一人のレシピ作者さんが考え抜いたおいしいレシピです。

例えば大根が残っているとき、クックパッドで大根を検索すれば約17万件(2022年1月時点)のおいしいアイデアをみることができます。

このえほんを読んだあとは、家で何か残り物が出た際に親子でその残り物をどうするのか?を話してみてはいかがですか。そこで出てくる子どもの自由な発想は、新しい発見になるかもしれません。

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横尾 祐介 クックパッド株式会社コーポレートブランディング部 部長

大手電機メーカーを経たのち、トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社にて複数のブランドマネージャーを歴任。コンフォートブラジャーの先駆けとなった「スロギー」など数々のヒットを企画。現在はクックパッドにて料理の価値のブランディング活動を行う。フードロスをテーマにした「クリエイティブクッキングバトル」や、中学高校にむけた「クックパッドの家庭科」の授業など、社会課題を料理の観点から捉えた企画を生み出している。

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