SOUVENIR

2022年9月29日に配信された『SOUVENIR』を聴き倒している。最初何と読むかわからなかった、スーベニアと読むのね。まぁ素敵な唄でした。

『SPY×FAMILY』の主題歌となるとの公式発表がまずあり、その後ノンクレジットのオープニング映像公開、そして配信リリースされた。
2022年9月30日(金)9時の時点で456万再生となっている。すごいね。

ここ最近何連作なんだと思うくらいタイアップが続いている。
ドラマ、アニメ、実写映画、アニメーション映画、CM、ゲームと、BUMP OF CHICKENの音楽は多くの分野で響いてきた。

BUMP OF CHICKENの音楽(というか歌詞)は非日常的な優しさでできていると思っている。
非日常といっても現実離れしているという訳ではなく、あくまで現実と陸続きでありながらも容易には近付けない境地のような。

日常を送る中で遭遇する辛い出来事をシャットアウトするシェルターのような。
耳から流れ込み全身を包み込むバリアのような。
火を灯してくれるような優しさをBUMP OF CHICKENは歌ってくれる。

この優しさとフィクションの相性がとても良いのではないかと最近思う。
例えば心に傷を負った少女の成長と挑戦だったり(おかえり、モネ→なないろ)、シリーズのアニバーサリーを飾る大回顧録的な大絵巻だったり(ポケモン25周年→アカシア)、海賊王を夢見る少年の勇ましさだったり(劇場版ワンピース デッドエンドの冒険→sailing day)。
どちらかといえば観れていないタイアップ作品の方が多いけど、少なくとも目にした作品はどれもその作品と素敵な共鳴をしていた。

そして今回のタイアップ。
『SPY×FAMILY』。家族だ。
一度聴いてあまりの心地良さに驚いた。
これまでの楽曲よりも距離を近くに感じたからだ。
これまでのBUMP OF CHICKENは勇気や共感や発見を提供してくれる絵本のように感じる楽曲が多く、そのままこのイメージをBUMP OF CHICKENにも重ねていた。
制服のポケットにたくさんの絵本を詰め込んで、チャリを漕ぎながらグングニルやランプを聴いていた頃から20年経つ。
たまたまラッキーなことに家族を持てた私に、この楽曲は、理想とも呼んでしまいそうな風景を見せてくれた。
モーターサイクルのような日常でも、話がしたいよのような叶わない願いでもない、ただただ優しく温かく輝く誕生日ケーキの蝋燭のような歌詞をひたすらリピートした。

ラフメイカー然りプレゼント然り、流れた涙を放っておかないBUMP OF CHICKENが私は好きだ。

本当を言えば家族だけではなく、家族ではない人にも優しくできるようになりたい。通勤や買物中にすれ違うだけの人たちへも、家族に向ける優しさの消費税分くらいは払えるようになりたい。
そうして名前も知らないすれ違うだけの人たちの家路の夜空を、ほんの少しマッチ程度でも明るくできたら嬉しい。

SPY×FAMILYの第一期は迷った挙句試聴を見送った。
現在その判断を後悔しつつアマプラのお世話になっている。
今日がシーズン2の第一話放送日だ。
まだ追いついていないから本編は観ないけど、オープニングだけはまず観ようと思っている。

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