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イチオシの魚料理店

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魚のことを知り尽くした水産のプロがこっそり教えてくれたイチオシの魚料理店を紹介します
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懐かしいおふくろの味

富山県魚津市 漁協直営食堂「魚津丸食堂」(富山県・魚津市) 魚津港の道向かいの漁協倉庫を全面改装し、2019年2月にオープンした直営食堂。 至近の魚市場に毎日足を運び仕入れた魚を、魚津市民が肩肘はらずに楽しめる〝おふくろの味〟で提供しています。 魚市場と同じエメラルドグリーンの外観が目印です。 魚津丸定食でプチ贅沢 魚津の人々が毎日通える店にというコンセプトで、良心価格で提供しています。 最も豪華でボリュームのある「魚津丸定食」でも税込み1,800円。 店に掲示され

“超” 新鮮な刺身定食

大磯二宮漁協「めしや大磯港」(神奈川県・大磯町) 大磯二宮漁協の主な漁業は定置網。 ほかにも刺網やシラス船びき網などがあり、目の前に広がる相模湾で獲れる地魚を提供しているのが「めしや大磯港」です。 道路を挟んだ魚市場に水揚げされる “超” 新鮮な鮮魚を使った「刺身定食」がいち押しメニューです。 地魚6種が刺身の定食 その日によって水揚げされる魚が違い、取材に訪れた8月20日は、アジ、タチウオ、〆サバ、イナダ、マツダイ、生シラスの6種の魚が刺身に。 これに加え、イワシ

旨いものを旨いときに!

四季の海鮮 魚々味(三重県・JF鳥羽磯部漁協) 三重県初の漁協直営食堂・JF鳥羽磯部漁協の「四季の海鮮 魚々味(ととみ)」は、観光と漁業の街・鳥羽にあります。 モットーは、「旨いものを旨いときに!」です。 不動の人気魚々味定食 コロナ休業後に現在の西井繁充料理長を招き、7月3日にリニューアルオープン。2009年創業時からの不動の人気ナンバーワンメニューは「魚々味定食」です。 伊勢志摩の魚を中心に7種類程度が楽しめるお造りの盛り合わせをはじめ、かき揚げ、フライ、小鉢が付

ワカメを練り込んだ若草色の麺

JFひろた湾・まつばら食堂 (岩手県・陸前高田市) まつばら食堂はJFひろた湾の直営する人気店。 岩手県陸前高田市に2019年オープン。 道の駅・高田松原の中にあり、鮮度抜群の海の幸を海鮮丼や天丼、ラーメンなどのメニューで、リーズナブルな価格帯で食べることができます。 イチオシの「わかこちゃんラーメン」 イチオシは、独自メニューの「わかこちゃんラーメン」。 かわいらしいネーミングから想像できるかもしれませんが、広田湾の特産品・ワカメを使ったラーメンです。 ワカメをト

太刀魚豪快一本天丼

JF沼津我入道漁協直営食堂「市場めし食堂」(静岡県・沼津市) 静岡・沼津港のほとり、漁協直営の水産物展示即売所2階に2020年7月に開業しました。 のれんをくぐると、市が認定する「おさかなアートクリエイター」の肩書をもつスーパー小学生・鈴木翔太君の海と魚を描いた壁画が出迎えてくれます。 海側に沼津港、山側には富士山と絶好の景色の中で、お値打ち価格の地魚料理が楽しめます。 映えること間違いなし「豪快一本天丼」 一本釣りの小船36隻が所属するJF沼津我入道漁協の特産は、

漁港から直送のモズクを

沖縄・JF勝連漁協「勝連漁協のてんぷら屋」(沖縄県・うるま市) 「勝連漁協のてんぷら屋」は、沖縄県うるま市の食材や特産品を扱う商業施設「うるマルシェ」の屋外フードコート「うるまテラス」に店を構えます。 天ぷら以外にも、「もずくそば」「もずく酢」「もずく餃子」「もずく入りちきあぎ(沖縄かまぼこ)」「もずく佃煮入りおにぎり」など、様々なモズク料理が提供されます。 太くて歯ごたえがある酢の物 もずくそば(650円)には、麺を覆うほどの大量の生モズクがトッピング。 豚骨とカ

200gの厚切りマグロ

鮮菜魚 早瀬 (東京都・中央区) 東京メトロ銀座線京橋駅近く、銀座の隠れ家的立地にある豊洲市場のマグロ専門仲卸直営店。 オープンから十数年、厳選仕入れのマグロが織りなす料理があまたのマグロ好きを魅了してきました。 2年目の服部良一店長はオーナーとは古いなじみだそうです。 200グラムの厚切り漬け丼 ランチ営業で近隣オフィスの勤め人を虜にしてきたのが、開店当時からの看板メニューの漬け丼。 今はインドマグロの中トロを漬けにした「鮪中トロ丼」と、厚切りキハダマグロの「鮪漬

豊洲仕入れのネタをリーズナブルに

廻鮮寿司 吉恒 (千葉県・浦安市) 豊洲市場で、ウニ・カキなどを中心に250種1,000品目超を扱う水産仲卸の㈱吉善が直営する回転寿司店。 東京ディズニーリゾートから車で約10分のため、閉園後に第2のピークタイムがあるそう。 そんな魅力的な場所で西田理沙子店長は店を預かり10年になります。 お手軽ランチは900円 ランチメニュー10種類の中、特に人気なのは「お手軽ランチ」と「おまかせちらし」。 「お手軽ランチ」はマグロや白身、光物、イカ、エビ、サーモン、ネギトロ、玉

無駄なく使い倒す

つきじ鈴富 二子玉川店・魚河岸食堂 (東京都・世田谷区) 天然マグロ中心に鮮魚全般を扱う豊洲仲卸㈱鈴富のテークアウト直営店のうち、イートインできる唯一の店舗。 寿司店と食堂が隣り合う珍しい構造で、実験店的位置付けの魚河岸食堂は「家庭の魚惣菜を残したい」(鈴木勉社長)と奮闘しています。 中落ちこそぎ取る楽しさ 魚河岸食堂側のメニューでランチの「おすすめ」をうたっていた「中落ち刺身定食」(税込み1,320円)を頼んでみます。 マグロの中骨と銀スプーンが乗った大皿が出て思わ

プロが認める海鮮丼

水産食堂 (新潟県・新潟市) 新潟市中央卸売市場で水産物全般を取り扱う新潟冷蔵グループの水産仲卸、大栄魚類が運営する食堂です。 市場に届いたばかりの新鮮な魚が魅力で「旬と値ごろさを意識し積極的に地物を取り入れている」(本間栄店長)というメニューが揃っています。 市場で働くプロも唸る 主力商品は刺身定食や丼物です。 なかでもリーズナブルかつボリューム感のある海鮮丼の人気は高いとのこと。 新潟県産のお米を使い、細かく刻んだノリが散りばめられた酢飯の上には「海鮮丼」(税込

アナゴ専門店の「ばかしあい」

つきじ芳野 吉弥 (東京都・中央区) 豊洲仲卸「芳野分店」でアナゴ一筋35年の高橋康友社長が2012年に立ち上げた外販営業部門が営むアナゴ料理専門店。 築地場外市場の外縁部にあり、高橋社長発案のユニークなメニューを出しています。 東西の競演ばかしあい 高橋さんの祖父の通夜の後に「ウナギが食べたい」とこぼした祖母のわがままに、ウナギ蒲焼の名店「ての字」のタレを使って、アナゴを蒸して七輪で焼いて出した、関東風「うな重」に似せた煮アナゴの「あなごのばかし」。 関西からはるば

北海道と変わらぬ鮮度感

札幌魚河岸 五十七番寿し 東京駅店 (東京都・千代田区) 北海道・新千歳空港の行列が途切れない人気立ち食い寿司店「札幌魚河岸 五十七番寿し」のブランド2号店が満を持して東京駅に進出しました。1号店と異なりゆったりと過ごせるつくりとなっていて、自社の映像スタジオが手掛けた動画も見どころとなっています。 北海道特有の魚種たち 2011年開業の新千歳空港店は、道産を中心とした新鮮な寿司種が抜群のコストパフォーマンスで楽しめる店として人気を博しています。JR東京駅直結の商業施設

原価率高めで納得のおいしさを

北海番屋 (東京都・中央区) 東京・築地場外市場の一角に2009年12月に開業した、海鮮丼と網焼きが楽しめる海鮮レストラン。 豊洲市場の水産仲卸でサケ・マス・魚卵といった北洋物を扱う北田水産㈱が運営しています。店を切り盛りするのは元加工場長の寺田喜好店長です。 さまざまな魚種が一度に楽しめる 海鮮丼、海鮮網焼きと多種多様なメニューがある中で、いちばんの売れ筋が高級海鮮具材5種類を贅(ぜい)沢に組み合わせた「五色丼」(税込み3740円)。 「ノルウェーサーモンに、アイル

マグロは天然物にこだわり

寿し処 勢(せい)(東京都・江東区) 豊洲市場の水産仲卸売場棟3階の飲食店エリアにある「寿し処 勢(せい)」は、仲卸の㈱米銀の社長と㈱丸利の会長を兼ねている町山茂氏が運営会社の会長を務めるお店です。 国内外のお客さまへ仲卸の眼鏡にかなった魚を提供。 セットメニューは日本語と英語それぞれで料金含めて明示されています。 海外のお客さまへの売れ行きで一番人気は12貫+玉子の「百花にぎり」(税込み価格6160円)、国内のお客さまへの売れ行き一番人気は9貫+穴子+玉子の「おまかせに