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ハラスメント対策実施した結果


お久しぶりです。
ProjectAmythosの旗揚げ公演はteamCANNANが中止になってしまったものの、teamEDENのみと走り抜けることができました。
応援頂きました皆様ありがとうございました!

AFF2も終えたので今回実施したハラスメント対策について書こうと思います。
CANNANやるぞ、とか公演についてはまたどこかで語るとします。
単純に実施した事、思った事を記録として残そうと思い今回このnoteを書きます。

ハラスメントについて思ったこととかは↓こちら↓


●ハラスメント対策方法

今回はハリウッド等でも使われていると言われるハラスメント対策を参考にして実施しました。

実際に配布した資料

まず、ハラスメントの告発先を複数組織内につくります。
告発先を主宰のみにした場合隠蔽が可能になってしまう為です。
今回は主宰の私、演出家、舞台監督を報告先として選びました。
報告先の住所をキャストはいつでもネット上で確認できます。
キャストはハラスメントを人知れず受けた場合、専用の用紙に内容を記入して1番良いと思った宛先に送ります。
専用の用紙には名前(匿名可)、被害内容、希望する対応をなるべく詳しく書いてもらいます。
希望する対応は、話し合いならば場を設ける等しますが、内容によっては必ずしも希望通り対応するわけではないことは事前にキャストに説明。
状況を見て最善と思われる対応を取ります。

報告用紙

例えば、主宰の私がハラスメントをしたとしましょう。
キャストは私以外報告先のどちらかに報告。
該当者の私を外してまずは話し合い。
この時の話し合いは全て記録をとってもらいます。
そして一度めは厳重注意。酷い場合は主宰であろうとも解雇…主宰の場合はもう公演中止ですね。
この場合、演出家と舞台監督が話し合いをしてジャッジします。
話し合いの結果が出るまで加害したと思われる該当者は自宅待機。
座組み全員に詳細は伝えないが、「ハラスメント報告があった」ことを共有。
当事者だけでなく、全員に共有することで座組み全員が再度ハラスメントを意識して稽古ができるようにしていきます。
この時、被害者が共有を希望しない場合は共有はしません。

万が一、同じ人物に二度目のハラスメント報告が来た場合、その時はいかなる場合も解雇となります。
もちろん、ハラスメントとは繊細なもの。
被害を受けたふりをして加害者に仕立て上げることも可能です。
加害したと思われる人物の話や、ハラスメントの内容、そして入手できる範囲で証拠を見て最終決定をします。
二度目でも解雇されずに終えた場合や、解雇しても被害者が納得出来ない場合。
法的手段を取れるよう弁護士の紹介や、今までの記録を全て被害者に渡し全面的にサポートする。
匿名の場合は名乗り出てもらう必要がありますが…。(名乗り出る所に課題がありそうなのでここはまた次回別の対策を用意すべきかも)

法的手段でも無理!もう私SNSで告発します!となった場合でも、記録があるので団体からも記録を公開したり、より詳細な経緯を説明することが可能になります。

以上が、今回私が実施したハラスメント対策です。

●やってみた結果

今回、ハラスメントの報告は一つもありませんでした。
やって意味があったのか…と言われれば私は「あった」と思います。
皆の素晴らしい人間性のおかげでハラスメントが発生しなかったのは大前提として勿論あります。
ですが、今回の対策があったからこそ得た効果もありました。
今回の制度を経験するのは全員が初めて。
珍しい制度ということもあり、座組みには常に今回の取り組みに対する意識がありました。
体を触るときは必ず一言「触るね」という言葉が強要しなくとも自然と出る。
芝居に関連するセクシャルな内容を話すときは前置きをする。
時には今回の制度をネタに冗談を言い合う人もいました。
「そんな冗談言うなよ!」と文字だけだと思われるかもしれませんが・・・ハラスメントを意識してるからこそ言える冗談です。
おかげで稽古場はいつも和やかな空気が流れていました。

稽古場にいる皆の頭の片隅に「ハラスメント」という言葉がある。そしてその為の仕組みがある。それをちゃんと個々が意識しているという環境だったことが一番の対策になったと思います。

●ハラスメント対策の今後

最近みたニュースでハラスメント講習をしてた人がハラスメントしてた・・・なんてものを見ました。
かく言う私も、ハラスメント反対を大々的に掲げている団体からハラスメントを受けたことがあります。
「お前が言うんか」と思うこともありましたが、逆にそれだけハラスメントを自覚・意識することは難しい事なのかもしれません。

該当のニュースを見たり、自分が経験したことを振り返った時
「この人たちはハラスメントを身近に置きすぎて慣れてしまったんだな」と思いました。
無意識のうちに自分は絶対にしないと思い込む。ハラスメントを意識する日常に慣れてしまった。
だから、そのような立場にあるにも関わらずハラスメントをしてしまったんだなぁと。
この対策も、今回上手く作用していると思えたのは皆が慣れていなかったから…。
継続的にハラスメントを意識する環境が大切なんだという結論に至りました。
もちろん、ハラスメント講習も大切かと思います。
事前の知識は持っているべきですが、その時だけの意識では防止するのは難しい。
ただでさえ完全に防ぐのが難しいもの。
相手の感じ方次第という、被害者が出やすく、加害者になりやすいもの。
ハラスメントと言って相手を貶めようとする人も稀にいます。
全員が常に意識を持ってさまざまな行動や発言をしていくのが大切だなと。

慣れれば慣れるほど、ハラスメントに対する意識はなくなってしまう。
「ハラスメント対策」に慣れないこと。
常により良く変化し、常に全員が気をつける環境をつくることが今後の課題だと今は思ってます。
また諸々考えて次に繋げ、ハラスメント対策を必ずして興行をするという流れになっていけばなと思います。


以上。
ハラスメント対策の備忘録でした。
是非皆様のご意見もお聞かせ頂けますと幸いです。

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