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11.29 @奈良3|遠いダウンタウン

強豪・熊本に連勝して上り調子の西宮ストークス。連勝を伸ばしたいところでしたが、コロナウイルスの影響に振り回されます。対戦相手の奈良の選手が濃厚接触者の判定を受け、選手・スタッフもPCR検査を受けることになったものの、その結果が出るのが土曜日の試合開始までに間に合うかどうかがわからないということで、前日になって急きょ中止が決定。結果は全員が陰性で、日曜日の試合は無事に行われることになったものの、なんとなく水をさされた感じはあったね。

ところで、コロナと言えばご存じのように、西宮では谷選手がコロナウイルスに罹患し、戦線を離脱する事態に。

自ら進んで公表してコメントを発表するなど、キャプテンとしての責任感を全うする行動に賞賛の声が集まりました。これはマジですごいと思った。

【前半】
立ち上がり、またしても西宮は躓きます。3分を経過したところで2-9。うーん。取り立ててどこが悪いという感じはしないものの、ただ点差が開いていったという感じ。ボールも人もそこそこ動いていて、ワイドオープンのスリーはつくれているのに、そのスリーが決まらないんだ。それも打ってるのは今野・渡邉と、決して不得手なわけではない選手。でも、だからと言ってシューターかと言えばそれはそうじゃないわけで。今季は3FG%最下位の西宮ですが、その弱点がもろに出た形で奈良にリードを許します。

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ディフェンスも酷いわけではないけれど、挙げるとすればラキーム・ジャクソンをオフボールでフリーにし過ぎたかな。基本、アウトサイドのシュートは得意ではない選手だけど、こっちはスリーが決まってしまう皮肉。ドライブをさせると厄介だから、ボールを持つ前の時点でもうちょっとストレスを与えたかった。1Q最後のブザビレイアップはそれが顕著で、結局、こういうタイプは自由に持たせちゃダメなんだよね。外国籍選手より、今野先輩とか、日本人選手がベタ付きする方がいいのかも。きっちりシールしてレーンを空けてあげた俺たちのオマラちゃん(誰の命名?)のファインプレーも光りました。

そう考えると、オフェンスではスリー、ディフェンスではオフボールの守備と、攻守に谷さんがいない影響が出てしまっていたとも考えられるのかもしれません。

さて、2Qに入ると一点、スリーが決まり始めて点差が縮まります。ただ、それも一瞬で、いい形で点を取れているのに、その裏のディフェンスで簡単に失点してしまう。もったいない。ゾーンもちゃんと崩せているのに。

ディフェンスで目立ったのはマーカス・ダブの老獪なポストムーブにデクワンさんが付いて行けないシーン。2Qはファウル2つ持ちのムボジさんがずっとベンチにいた影響もあり、ダブにかなりやられました。そこをちゃんと突ける奈良の「わかってる感」。一方で、劉たんはオマラちゃんとのポジション争いには全然負けてないんだよね。終盤に連続で決められたけれど、オフェンスリバウンドや速攻もあったし、その点はあんまり気にならない。

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そうこうするうちにシュートタッチも冷えてきて、結局13点差で折り返し。道原選手のスリーのスランプは深刻ですね。シュートが入れば逆に決められるし、あちらを抑えればこちらが抑えられない。そんな感じでちぐはぐな時間帯が続いた前半の西宮でした。

【後半】
後半の西宮はスタートを変更。DJ→ルオフ、今野→福田とボールムーブを意識したと思われる交代で、このラインアップを引っ張りました。これまで「魔法使い枠」としてあまり併用されなかった道原&ルオフの共演。なかなか良かったよね。ルオフさんがビシバシとスキップパスを通して奈良のディフェンスを動かし、ギャップのある状態で道原選手や渡邉選手がドライブを始められるので効果的。

ディフェンスも頑張っていて、ファウルはあるもののよく脚で付いて行っていました。序盤に17点差まで広げられますが、そこから少しずつ点差を詰めていきます。攻守でリバウンドを拾いまくっていた福田選手の頑張りが印象的でした。3点差と十分に相手を射程距離内に捉えて3Q終了。後半に登場したオマラちゃんの活躍がなければ追い付いていたかも。

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ただ、スリーだけはやっぱり決まらない。20得点したこのQですら4本打って1本も決まらず。だからドライブに切り替えたのかもしれないけど、そうすると追い上げ始める皮肉。尻に火がついたとも言えるけれど、スリーが決まってればもっと追い上げに迫力が生まれたはず。「from downtown」というのは遠いところ(downtown=下町)から決まったという意味で、NBA中継などでスリーが決まった時にはよく使われるフレーズですが、今季のストークスにとってのdowntownは余りにも遠いのでした。

4Qはルオフさんがベンチスタート。それでも、ようやくコンセプトが浸透してきたのかパスはよく回り、とうとう同点に。DJもしっかりチームバスケットに徹していたよ。残り6分ちょっとで松崎選手が久々にスリーを決めて、この試合初めて西宮がリードします。

完全に勝ち試合だったのだけど、肝心なところでシュートミスが響いて、奈良に再逆転を許して残念な敗戦。ルオフさんをもうちょっと早めに戻しても良かった気はするけれど、DJも調子良かったしなあ。このQも結局、松崎選手の1本しかスリーは決まらなかったのだけど、ボールはしっかり回るものの奈良のディフェンスの鋭さが最後まで継続していて、コーナースリーも楽には打たせてもらっていない。ボール回しが読まれているのかもしれなくて、それはやっぱりルオフさんがいなかったからなのかなとも思うのでした。

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でも、そんなにがっかり感はないよ。少ない人数で回していていたから疲れはあったとは思う。それでもやりたいことはできているはず。終盤にショットクロックバイオレーションが続いたのは確かに問題だけど、それはパッシングでより良いシュートチャンスを生み出すバスケットの副産物でもあるから、これをもって選手の消極性を問題にすることはできないと思った。勝負を分ける場面でシュートを決めた奈良が素晴らしかった。

【試合のターニングポイント】
1Q|今野選手、渡邉選手のスリーポイントミス

ターニングポイントと呼ぶには余りにも早い時間帯過ぎるわけですが、オープンスリーを続けて外したことで、試合を難しくしてしまった。結局、序盤にリードを許したことが結果に繋がってしまいました。2人ともスリーは苦手ではないけれど、決してシューターではない(2回目)。ボールを持っていない場面ではキャッチ&シュートの精度が求められるフィッシャーHCのバスケットにアジャストする日々が続きます。

ちなみに、今野・渡邉・道原の全員が3FG%でキャリア平均を下回っており、渡邉選手はルーキーシーズンを除けばキャリアワースト。道原選手にいたっては14.8%という信じられないような数字です。



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