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三千円の定期預金

封筒を開けることを忘れていた。

 東京にはよく行っていたが、国会議事堂には一度も行ったことがない。一度行ってみたいなぁ。と思っていたが、名もない私が入ることは出来ないと思っていた。
 しかし、最近知ったのだが国会議員の知り合いが居て連絡したら行けることが解った。(なぁんだ。私は国会議員をたくさん知っている。簡単に行けたのだ。)と思うと悔しかった。
 最近のニュースで、財務副大臣の神田さんという議員が税金の滞納を何度もしていたという。財務副大臣が税金の滞納をするのなら、国民は悲しすぎる。神田さんが「私は忙しくて、封筒などを開ける暇がなかった。」と言っていた。
 私は手が使えない机の上に郵便物がたくさん来ていても、自分では開けられない。「私は手使えないので、封筒を開けられなかった。税金を忘れていた。」と言っても通るのだろうか?なんだか判らない理由である。

定期貯金が出来た。

 私は、二十歳になった時、障がい者年金を三万円いただいた。嬉しくてしょうがなかった。一人で銀行に行き、月三千円定期貯金をすることにした。「大切な国民の税金だから、大切に使わなきゃいけない。」と思った。
 ショルダーバッグの中に通帳を銀行員の方が入れて下さった。私は、ルンルン気分で家に帰った。両親に「私、今月から三千円づつ貯金が出来るんだよ!」と言ったら、父は「お前はしっかりしてるなぁ。もう定期貯金の事わかったのか!」と呆れ返った顔をしていた。

国民に解る税金の使い方を

 そのうち、私は本を書いたり講演会を行うと謝礼をいただけるようになった。かならずその中から税金が引かれていた。(私も税金を払えるようになったんだ!嬉しいな!年金ばかりもらうのは悲しいと思っていた。)
 税金を払えるという事は、障がいの無い人と対等になった気分がした。しかし、国会議員の人達を観ると税金をちゃんと使われているのか、不思議である。今は物価高で近くに居る人たちは、「なんでも高いね!このままで生きて行けるかしら!?」と言っている。税金を払うのは嫌だ!と最近よく聞く。でも、税金を払わなければ国は成り立たない。物価が上がったので所得の低い人には、お金を配るという案を総理大臣は言っている。
 私は、その考えには反対だ!一年だけお金をいただいて、嬉しいのだろうか?!給食をタダにしたり、保育料をタダにしたり出産するときもタダにしたり。と具体的な例を挙げ制度化して、税金を使う事は国民にも解りやすい。

誰もが働けるシステムを!

 もちろん極端なヘルパー不足なためヘルパーさんの月給を上げて欲しい。
しかし、私はヘルパーさんの月給を上げるのなら、ケアを受ける人も働き月給をもらうべきだと思う。私達の年金や生活保護は何十年も上がってはいない。こんな事では、やはり私達は、低くみられるのであろう。
 難しい問題であるが、障がい者もエネルギーを使い働く事を考えなければいけない。全国では障がい者議員が40人居るという。40人の議員は障がいを持った事を経験して発言しているのだろう。とても頼もしい事である。寝たきりの障がい者も議員になれる時代だ。
 誰もが働ける時代なのだと思う。寝たきりでも話せなくても、にっこり微笑みかけるのが、素晴らしい仕事だと思う。生きている限り、みんな働いている。私もパソコンを打てないが隣に職場介助者が居て下さり、パソコンを打って頂いている。
 このような事が出来るのは素晴らしいことだ。二十歳の時に作った三千円の定期貯金は、どこに行ったのだろうか?私は思い出せない?!毎日探している。

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