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こわいおじちゃん、やさしいおじちゃん

「ママ知ってた?
 優しいおじちゃんと、こわーいおじちゃんがおんねん。
 でな、何が違うのかなーって思って、考えるねんな」

小6男子。
我が家の「ミニ論理学者」であり「哲学者」である。


見守り隊のボランティアのおじさんたち。
倫理法人会で出会う経営者の方々。
バスの運転手、
サッカークラブの監督やコーチなど
息子の周りには多種多様な【おじちゃん】があふれてる。

いつもブスッとして文句を垂れ流すパパも観察対象だし、
いつも飲んで酔っ払い、テンション高めの私の父も、観察対象なのだ。

【おばちゃん】は観察対象にならない。
人と対するときに、
おばちゃんたちは愛想がいいことが多いから。
息子からすると、愛想が悪いおばちゃんたちを、あまりみたことがないし、親切な人が多いようだ。


「ねぇ、自分がイライラしたり
 怖くなる時を考えてみたら?」

「ぼく、外で怖くなることないもん。
 他人じゃん?
 学校は、自分を出すところじゃないし」

たしかに。
学校で泣いたり騒いだりしたところをあまりみたことがない。

幼稚園の時からだ。
年少さんから幼稚園に行ってたけど、
友達におもちゃを取られても泣かない。
怒らない子だ。
理由は「幼稚園のおもちゃだから」
それは、ぼくのものじゃないから、怒る道理がない。

「いや、使ってたものを取られたらら怒っていいんだよ?」
と何度、言っても、
頑なに「ぼくのちゃうもーーーん」と
我関せず生きていた。


年長さんになり、
担任からの電話連絡も減った頃。

久しぶりに幼稚園から電話があった。

「もう、嬉しくて!」
「先生、落ち着いてください 笑
 何があったんですか?」

「今日、クラスでおもちゃの取り合いがあったんです。それはよくあることで、その後、みんなで話し合ったり、誰かが止めたりするんですが、
 『やめてーや!僕つかってたやん!』って、〇〇くん(うちの息子)が叫んだんです。〇〇くんがですよ!?
 あの「幼稚園のおもちゃだもーん」って
 ゆるふわスタンスのあの子が!!
 自己主張したんです! もう嬉しくて嬉しくて。やっと自己主張してくれるようになって。心許してくれたんだなぁって思ったんです」

と、
言われた。
3学期の初めである。

あと2ヶ月で卒園式だけどな!
と、
心の中だけで、ツッコミを入れたのは
間違ってないだろう。


はい、そんな息子である。


「でも、家だと妹に怒ってるじゃん?」
「約束守らんもん。腹立つやんか」
「約束守らないと、腹立つの?」
「そう! ぼくの予定も変わるから」



あっ!


「時間に余裕がないとき、めっちゃ腹立つわ」


「おっちゃんたちも同じなんじゃない?」
「そっかー。
 予定通りにいかなかったり、時間に余裕がないのかぁ。
 ママはそんなときどうしてる?」

「んー、その人たちを見てってどう思うかってこと?」

「そう」


わたしは、
余裕のない人を見ると
必ず思う。


あの人はお腹が痛くて、
トイレを我慢してて
余裕がないんだなぁ。
早く治りますように。

と。


その条件下が、1番優しくなれるから。


看護師の友人は、
「どんなに人生落ち込んでても、悩んでても、この人たちより動けるだけマシ」
って思うことでやる気になると言ってた。

人には言えないけど、
実は思ってるマイルールなのだ。



世の中から、
お腹が痛くてイラついてる人が減ればいいなぁと思う今日この頃である。

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