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散歩記録 新中川

本編

今回は新中川に架かる橋達を紹介していこうと思います。

新中川は江戸川区と葛飾区の一部を東西に分ける川。
別名、中川放水路と呼ばれ人工的に掘削された運河でもあります。

川幅は荒川や多摩川等の大きい河川にこそ及ばないものの結構広めで
全長は8㎞程。

人工的な河川なだけあり川沿いはかなり整備されていて、江戸川区内の川沿いでは健康の道と言う散歩ルートも設定されています
また、それぞれの橋からは長閑な住宅街地域住民の憩いの場となっている土手が広がり、何とも心落ち着く眺め。
途中、車道で散歩道が途切れたりはあるものの橋の下を通ればそれも解決。
とても歩きやすい川沿いなのでのんびりとした散歩にお勧めです。


こちらのページを読むと、この放水路を作る事になった経緯や歴史などの詳細が分かります。

それでは、新中川に架かる橋を写真と軽い説明と共に紹介していきます。
(20以上ある橋の紹介なのでかなり長めです。)


新中川の橋

新中川通水記念公園

中川と新中川の分岐点には、川の通水にあたって多くの住民の協力が不可欠であった事等を示す碑が建てられていました。
碑の建つ公園は「新中川通水記念公園」と名付けられていて
関わった人々の存在を風化させまいと存在感を放っています。

公園はややアクセスが悪いため人が少なめ。 清掃は行き届いているので散歩の途中で一休憩するのに最高だった。
丁度川の分岐点にあるため見渡す方向によっては視界が一面川になるのが素晴らしい。

高砂諏訪橋(高砂諏訪橋人道橋)

新中川の最上流に架かっている橋。
車道と歩道とで橋が分離しているタイプとしてはかなり大きめで
構造的には勿論名板なんかも個別で設置されているため、周辺の道がやや複雑になっていて面白いです。

一つ上の通水記念碑と合わせて別記事で軽く紹介もしています。↓


細田橋(細田橋人道橋)

高砂諏訪橋に引き続き車道と歩道が分離している橋。
中川はこのタイプの橋が割と多めです。


三和橋

ちょっとした踊り場も。

スタイリッシュな形状の橋。
恐らく架け替え済みで全体的に綺麗かつ整備が行き届いている。
踊り場には椅子が設置されているので一休憩にちょうどいい。


八劔橋(仮橋)

2022年3月当時は架け替え工事中。
架け替え工事中の仮橋。 ※左上に手が写りこんでます。
旧橋の親柱。 

八劔橋(やつるぎはし)は架け替え工事中につき、仮橋を歩行者・自転車のみ通行可能。
仮橋の撤去まで含めた全行程の完了予定は令和9年の7月予定とのことで、護岸工事なども含めかなり大規模なものの様。
新設橋を渡れるようになるのはもう少し早いかもしれません。

2022年3月当時には新設橋の橋台を設置中でしたが、旧橋も親柱だけは残っていました。


奥戸新橋

親柱横に残る堤防跡? ここも橋の構造の一部だったのでしょうか。

架け替え直後の新しい橋が多い新中川の中ではやや珍しく、かつての姿を多く残した橋。
年季を感じる名板や親柱が格好いいです。


奥戸新橋の下流には新金貨物線の橋梁が架かっています。


上一色橋

鳥の羽っぽい形。

特徴的な形の親柱が鳥の羽みたいで可愛い。
また、歩道が工事中につき令和5年2月まで片側のみ通行可能に。


上一色中橋

上一色橋の下流は上一色「中」橋。
地名に関した名前を付ける際にありがちな上中下のネーミングですが
この橋の場合、そもそもの地名に「上」の字が入っているためか
「上一色上橋」が無く、いきなり中から始まってしまい
少しややこしくなっています。

この文章自体もかなりややこしいですね。

なお、上一色下橋はありません。

辰巳新橋

新中川に架かる数少ないアーチ橋の一つ
この辰巳新橋は「バスケットハンドル型ニールセンローゼ橋
と呼ばれる構造で、綺麗な弧を描くアーチが橋の中心に向かって窄んでいく形状がスタイリッシュ。
ケーブルはひし形を描くように交差していて、横から見るとシンプルなシルエットの橋をどの角度から見ても少し不思議な、でもどこか楽し気な表情にしてくれています。

また、地面に映し出される橋の影も面白いのでこの橋を渡る際は是非地面も見てみてください。

歩道の道幅はかなり広く自転車とすれ違っても安心。
橋途中には椅子もあり、上流側に架かるJRの橋梁を眺めながら
休憩もできます。



小岩大橋

小岩大橋は国道14号線の通る橋なので交通量が多め。
ただし、橋の両端には横断歩道があるので川沿いの散歩に不自由はありません。
横から見えるサーモンピンクの橋桁が可愛いく、親柱上の鷲?鷹?の上に子供が乗っている装飾も何故かくすっと笑えるデザインで好きです。


松本橋(仮橋)

松本橋は令和5年3月ごろまで工事につき通行止め。
代わりに少し上流に仮橋が架けられています。
この仮橋は平成28年頃から使用されているようで、外から見ると錆が強烈。
しかし特に揺れなどは感じず、実に6年もの間無事に利用し続けられるのにあくまでも「仮橋」と言うのも中々すごいものだなと考えたりしてました。


鹿骨新橋

地名を冠する、江戸川区の鹿骨に架かる橋。
これは鹿骨「新」橋だけど新しくない鹿骨橋は現在は存在しません。

橋の途中に銅像と、橋から一段下がった踊り場があるのが特徴的。
一段下がると川との距離が近づき、思ったより見える景色が変わるのでなかなか面白いです。
銅像はこんなご時勢だからかマスクを着けていました。


鹿本橋

鹿骨新橋があったから鹿骨橋かとおもいきやこちらは「鹿本橋」。
上流付近で多かった車道と歩道で分離しているタイプで
錆びに錆びた欄干やそこかしこに亀裂の入ったアスファルト、異様に狭い道幅等見るからに年数が経っているので近いうちに架け替え工事が始まりそうな予感。



大杉橋

怖すぎる。 そのぶん効果はありそう。

新中川唯一の斜張橋(塔からケーブルを斜めに張って支える橋)。
道路との兼ね合いか塔とケーブルの位置が下流側に寄っているのが特徴的。

名板が鏡のようにピカピカで完全に周囲が反射してしまい写真が撮りにくかったです。
また、橋の下にある立ち入り禁止の看板が夜に見たらちびりそうなくらいおどろおどろしかったです。
この見た目のままホラー映画の小道具にでも使えそう。


一之江橋

道の終点って表記が好き。

京葉道路が通過しているだけあり車の通行量がかなり多く
歩道も歩道で自転車が多いので歩行者には辛い橋。
道幅は普通で踊り場も無いので景色を楽しむ余裕はありませんでした。


新椿橋

1本下流の南椿橋との距離がとても近い橋。
歩道は片側のみで車線も片側一車線のみ。
完全に一つの橋を二つに分けたような感じになっています。

二つの橋の間を首都高速の高架が通っている構造のため一応別の橋として扱われていますが、場合によっては似たような構造でも同一の橋として扱われることもあります。



南椿橋

二つ並んだ橋の下流側に架かる南椿橋。
通りに対して真っすぐ続く新椿橋に対して南椿橋はややカーブしているため
川にせり出した形になっていてやや眺めがいい。


春江橋

春江橋は橋脚に破損が見られたため現在車道封鎖中。
フェンスに囲まれていますが2021年12月頃は歩道のみ通行可能でした。

上の説明資料のpdfファイルによると7年間の工事にて
架け替え予定との事です。
現在の橋よりもかなり道幅が広がり、現代基準の造りになるそうで通行はしやすくなりそう。
ただ、現在の無骨な欄干や控えめなサイズの親柱も中々好きなので
良くあるデザインの橋になってしまうと少し残念。

こちらの過去記事内でも同じような内容で登場しました。


涼風橋

一つ上流の春江橋の架け替え説明のpdfによると平成18年度に架け替えが完了した橋のよう。
確かに親柱が綺麗で橋の造りも少し現代風になっていました。
実は横から見た橋の姿もなかなか綺麗ですが、涼風橋の一つ下流にある明和橋が素晴らしいため相対的に霞んでしまいがち。
橋の架け替えに伴って川沿いも整備されているので歩きやすいです。


明和橋

個人的No.1新中川に架かる橋
優雅なアーチとそれを形作る無骨な鉄骨がマリアージュした美しくも堂々とした佇まいは思わずうっとりするほどの出来。
川に対して斜めに架かる橋は見る角度によって全く違うシルエットを見せ
アーチ構造の隙間から覗く夕陽や歩道に落とすアーチの影等、季節や天候、時間によって無数の表情を見せてくれます。

こちらのページによるとこの橋は「門」をイメージして作られた物だそうで
なるほど確かに、少し離れた場所から見ると顕著ですが下路式アーチ橋(アーチ構造の下に道がある橋)にしてはかなり高さがあり、4本の塔の力強さも相まって人々を出迎えてくれているようにも見えます

また、比較的新しい橋という事もあり道幅もまあまあ広めで踊り場と椅子も完備。

橋途中にある「ゆとりと賑わい」のプレートに関しては調べても情報があまり出て来ませんでしたが、テーマをもって地域のコミュニティの場として造られた、それ程の情熱と目的を込められた物が素晴らしくないわけがない
明和橋、大好きです

似たような写真と似たような文章で綴られている過去記事です。
ほとんど同じ内容です。


瑞江大橋

一つ上流の明和橋とは交差するような角度で架かる橋。
橋自体は斜めですが、橋脚は船の通行や耐久性との兼ね合いか真っすぐ設置されているため、川沿いから橋を眺めると徐々に小さくなる橋脚で遠近感を強く感じられて面白いです。

親柱横には少年の銅像があり、笑っていました。



新今井橋

今井水門(新中川下流に設置してある水門)前最後の橋。
新大橋通の一部で車の通行量が比較的多め。
歩道は歩道で自転車の通行が多く道幅も広くは無いので完全に通行用の橋。
橋の両端に横断歩道は無いので、川沿いの散歩目的なら土手を降りて橋の下をくぐるのがおそらく一番近道です。

(今井水門)


新中川の下流にある水門。
通行当時は工事中で周辺の通路もやや変則的になっていました。

水門としてはかなり大きめで門扉が7個並んでいます。
なお、関係者以外の通行はできません。


瑞穂大橋

新中川の治水を司る今井水門の外にありますが、瑞穂大橋までは新中川の扱いとなります。

新中川の最下流に架かる橋。

二つの川が合流する地点な上橋自体が合流地点に向かってややカーブしているため眺めが良好。
比較的新しい浦安のマンション群と工場の物々しい雰囲気がミスマッチで斬新です。

新中川はこの橋の下を通過した後、旧江戸川と合流し舞浜方面へ続き、最終的に東京湾へと注ぎます。



まとめ

かつては人の住む土地だったところを治水工事の目的で開削、竣工までに25年を要する大工事の末に完成した中川放水路は今、名前を新中川に変え地域に根付き橋が架け変わる際にはお別れ会が開かれるほど愛される存在となっています。

そんな新中川に架かる橋達は老朽化に伴い架け替えラッシュの波が
かつて親しんだ橋も数年の内に架け替えが始まってしまったり、一度渡ってみたかった橋が知らないうちに別の橋になっていたり…

普段何気なく渡っている橋ですが、無くなってみると分かる愛着のようなものがあるかもしれません。
気になった橋があった方や懐かしさを覚えた方等、少しでも興味を覚えたら是非一度渡ってみてください。




おまけ

新中川沿いで見かけた猫たちの写真です。

川沿いにある謎のデッドスペース内で写真外も含めると5匹ほどが猫端会議をしていました。
中々風格のある表情。 高級そうでもっこりした毛並みに反して強そうです。
しばらく眺めていたら見えないところへ移動してしまいました。
木の裏からひょっこりとはみ出た白い耳。 可愛いです。




おわり。


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