堕姫と妓夫太郎
昨日の鬼滅もおもしろかったですね！マンガを読んでいないしアニメも気づいた回だけリアタイできればいいかという気持ちで見ているのですが、この3週分くらいはかなり見入ってしまっていた。堕姫と妓夫太郎、本当に良かったですね。本当に、本当に、良かったですね。
なぜ兄妹でなく妹兄の順で名前を並べたかというと、フラニー(妹)とゾーイー(兄)を読んだからですね。先週末までは肌の白いほっそりとした繊細な人形のような兄妹をイメージしながら読んでいたのに、今日再び本を開くとなんかなんとなく堕姫と妓夫太郎がチラついてしまった。少し頭の中でビジュアルイメージを借りながら読んでしまった。妙に頭が良く、幼い頃から変な自意識を習得してしまっていたが故に周囲に突っかかってしまう、そんな自分が最低の人間でたまらない……と落ち込むような話。すべての若者に刺さる耳が痛くなる話ではあるし、もしこれが刺さらない人がいるならそいつにはえらそうに「向上心のないものは馬鹿だ」とか言ってみて、すごく恥ずかしくなって後悔するのがドンピシャ読者層あるあるなんじゃないか。もちろんゾーイーがフラニーに比べて年嵩な分、何枚かうわてなわけで。でもやっぱ誰からでもズケズケ言われるのはやだし、フラニーが言うように「殺してやりたい」よなあと思う。梶井基次郎の「檸檬」なんかにびしばし影響を受けた時期があれば、同時にこれを読んでそういう気分を作っていってもいいかもしれない。てかウィットに富んだやり取りがウザ面白くておすすめです。この兄妹は実はそこそこ大家族の中の一部の切り取りであって、この2人を含むグラース一家を書いた作品が連作としてあといくつかあるらしい。読むか……