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【千葉】料理の神様に会いに行く

縁起を巡る旅「めでたび」の概要はこちら。

日本で唯一の料理の神様に会いに行く。
おせち料理を繁栄させたいと決意表明をするためだ。

そんなことをしなくてもおせちは途絶えないんじゃないか?と思う人も多いかもしれない。夏が終わると「おせち予約開始」の文字が増え始め、さまざまな場所でカタログが配布される。
しかし私が途絶えさせたくないのは「郷土料理が詰まった地域性のある手作りのおせち」だ。

お取り寄せおせちが市場を拡大する一方、おせちを手作りする家庭は減り、だんだんと中身が均一化してしまっている。私は各地域、各家庭に根付いている郷土料理が詰まったおせちを、私たちの世代にも作ってもらいたい。もっと多くの人がおせちを自由に作って楽しんでほしい。そういった心持ちで私は千葉県の南房総市に足をのばした。

高部たかべ神社は包丁式ほうちょうしきという珍しい神事を行う神社だ。この神事では庖丁とまな箸を用いて一切手を触れることなく魚を調理し奉納する。さらに拝殿の左右には包丁塚があり、毎月包丁供養が行われているそうだ。

絵馬には包丁式と包丁塚が書かれている


静かな神社に木々の葉が揺れる音と鳥の声が聞こえた。神社の鳥居をくぐって階段を登ると海が見える。訪れた翌日からの料理はきっと真っ直ぐな味になるだろうと思わせる神聖な場所だった。

参拝を終えてからお守りと絵馬を授かった。
お守りは包丁式の様子が刺繍されたものと、小さい包丁が入ったもの。お守りに料理が上達するように願いを込めた。
そして包丁式が書かれた絵馬におせちの繁栄を願う。周りの絵馬は飲食店の繁盛を願うものや、立派な料理人を目指し調理師の試験合格を願うものが多かった。
そこにひっそりおせちの繁栄を祈願させてもらった。

高家神社でもう一つ授かったものがある。醤油だ。
この醤油は千葉県銚子市内にあるヒゲタ醬油が1996年から高家神社に奉納するために作った特別なもので、「神様からのおすそ分け(お福わけ)」として授与されている。
毎年11月23日に奉納するため、数量や期間を限定し醸造しているそうだ。奉納数に限りがあるそうだが、運良く社務所で授かることができた。

とろみのある醤油はとてもまろやかで、刺身や寿司に合う。この後訪れたお寿司屋さんでもこの醤油が使われていた。本当においしくて今でも思い出すことがある。私は生涯この味を忘れることはないだろう。

大徳家さんのお寿司

さて、料理の神様におせちの繁栄を祈願した。ありがたいお福わけも手に入れた。あとは自分がどう動くか。こうした活動を通じて、おせち作りに興味を持ってくれる方が少しでも増えてくれることを願う。

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