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【静岡】富士遺産センター

縁起を巡る旅「めでたび」の概要はこちら。

日本一の縁起物、富士山。
一富士二鷹三茄子いちふじにたかさんなすび」と言って、初夢に見ると縁起の良いものを、縁起の良い順で並べたことわざがある。
富士山は江戸時代から縁起の良いものの象徴として広く愛されてきた。

あらゆる物に神が宿るという考え方がある日本には、各地で大岩や樹木、山などの自然そのものを御神体としてお祀りする信仰がある。富士山もその山岳信仰のひとつだ。

縁起物をめぐる旅と題しているからには富士山は欠かせない。
今回は富士山への理解を深めるために静岡県にある富士山世界遺産センターを訪れた。(山梨県にも同名称の施設があるが、この記事では静岡県にあるものを紹介する。)

まず目を引くのは富士ヒノキの木格子で作られた建築だ。設計は坂茂のもので水面に建築が反射して逆さ富士が映し出される。
実際の逆さ富士は、晴れた日に水面の凪いでいるときしか見られないことから開運の象徴とされている。訪れた日は生憎の雨模様だったが、それでも逆さ富士を疑似体験できた。施設に入る前から縁起が良い。

展示室に入ると193mのスロープを登りながら疑似登山をする。
途中には富士山に生息する動植物や、富士山の信仰なんかも展示されていた。

他の登山客がプロジェクションされた展示室

富士山に見立てた土俵で相撲を取る「泥宮本富士講(上井出天満宮)」や、砂浜に富士山に見立てた砂山を作る三重県の「島総垢離しじまごおり」など、この場所ならではの展示がたくさんあった。

もともと日本には縁起物と同じ形を作ってご利益にあやかる文化がある。砂山や土俵を富士山に見立てることで、そのご利益を得られると考えられている。富士山は静岡以外でも信仰の対象になるほど、ありがたい存在なのだ。
ミュージアムショップも富士山に見立てた商品づくしで、なにを買っても縁起が良さそうだ。

曇り空の隙間から見えた頂上

これで予習は完璧。あとは遠くに見える青い頂を踏み締める日が来ればいいのだが。いや、やはり富士山は遠くから見るのが美しくてちょうど良い。

富士にかけて、この旅の「無事」を祈願する。

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