「推しって何?どうすれば作れる?」推しが"作れない"人と、推しが"いる"人の違い
この記事は、フィードフォースグループ Advent Calendar 2023 の25日目の記事です。最終日なので思う存分書かせて頂きました。
昨日はフィードフォースベトナムの森大輔さんのベトナムのデジタルマーケティング代理店の5つの特徴です。私の一昨年の記事を認知して下さっていて恐縮です…。
日本ではあまり使われないメッセージ誘導広告の利用が盛んなど、内容自体が新鮮で興味深かったのですが、その背景にあるベトナムのお国柄も書かれており知識欲の満たされる記事でした!
私は一昨年のクリスマスイブにこういった↓記事を書いた、アナグラムのライター兼デザイナーの西尾です。
今回は「推しとは何なのか?」「どうすれば作れるのか?」「健全な推し方は?」についてまとめました。
(※あくまで一個人の超主観的な偏見だらけの見解です。異論は大歓迎です。)
最近、私によく投げかけられる質問があります。
「推しが欲しいけど作れない。どうすればいい?」
作り方として、「とりあえず色んなコンテンツに触れる」と上記の記事で紹介しています。
ですが話を聞くと、
「アニメも漫画も好きで色々見るけど、どっぷり特定のキャラ・作品にハマれず、推しが作れない」らしいのです。
つまり、推しがいるかどうかはコンテンツの摂取量ではなく、別の何かによって左右されている?
それを上手く説明できずモヤモヤしてたので、この機会に言語化を試みました。
そもそも推しがいる人って本当に幸せなの?
私には、推しに課金し過ぎてお金がなく、白米に塩か醤油をかけて食べて生活している友人がいます。
これを聞いて、推しがいる人が幸せだと思いますか?
推し活は客観的に見たら非合理的なただの娯楽のようにみえるかもしれませんが、当人にとってみれば一番合理的な生命維持活動だったりするのです。
極端な話をすると、何かに没頭して現実逃避することでしか正気を保てない状況に置かれているほど、推しの恩恵を受けられると思っています。
熱中してハマれる推しがいなくても健やかに生きていける人の方が本当は幸せなのかもしれません。
もちろん激しい欠乏感を埋めるためだけでなく、人生のヒマを埋める素晴らしい娯楽としての機能もあると思います。
しかし、個人的な感覚では「この作品の中ならこのキャラが好きかな」というのは、"推し"ではなく"好きなキャラ/人"です。
推しは本来、「誰かに推薦したくなるような存在」という意味合いがあるので、お金を出したり誰かに布教したりなど、対象への貢献活動が起こるものが推しだと思ってます。
自己表現の手段としての推しと、尊厳を守る手段としての推し
一方、昨今の推し活ブームによって、上記以外の目的で推しを消費する人が増えている気がします。
それが、自己表現の手段としての推しです。
自分らしさを求められる今、取り柄や熱中して取り組んでいることがなくても、「推し」があればアイデンティティを確立できるからです。
このパターンの方は以下のような特徴があります。(偏見です)
・その推しである必然性が低く、熱量(≒依存度・執着)も低め
・共通の話題にしやすい、三次元のアイドルや俳優/ヒットした作品のキャラが対象
・"推し活"自体に意義を見出している
両方の目的で消費している方もいますし、推し活を通して経済を回す、人とのつながりが増えることは良いことなので、どんな推し方でも素敵だと思います。
ただ、「誰かが推し活をしていて楽しそうだから自分も推しが欲しくなった」というのであれば、無理に作っても幸せは続きません。
それは誰かに欲しいと思わせられているだけで、本当の欲望ではない可能性が高いからです。
ということが、阿部さんが紹介されていた本に書いてあり腑に落ちました。
それでもどっぷり推しにハマる方法が知りたい方のために、もう少しねばりました。
推しは基本的に、"作る"ものではなく"いる"もの
ここまでの話をまとめると、今あなたに推しが必要なら既にいるはず。いないなら、たぶん必要ないのだと思います。
もし推しの作り方があるとすれば「いっぱい壁にぶつかりに行きましょう」が正解に近いのかも。
そう思い、推しができない方に話してみたところ、
「私も人生で色々苦労したことはあるはずなんだけど…」と言われました。
たしかに、どんな人も何かしらは苦労しているはず。
それでも、"作れない"人と、推しが"いる"人がいる。その差は何?を考えていきました。
推しが"作れない"人と、推しが"いる"人の違い
結論、違いは以下2点です。
①無条件に自分に価値があると思えるか
②推し対象に強く共感・憧れを抱けるような体験をしたことがあるか
①無条件に自分に価値があると思えるか
程度問題はあれど、無条件に自分に価値があると思える人は、一時的に無能感に苛まれても、自分は存在していていいと思わせてくれる身近な存在や基盤があるので、そこまで病みません。
しかし、そうではない人は、できない自分は無価値だと感じ、傷付くのを恐れて他者との関わりを避け、更に病みます。
無条件に肯定してくれるものがない場合、"条件付き"で肯定してくれるものに頼るほかありません。
その条件付きで肯定してくれるものこそが「自己愛」です。
自己愛と聞くと、「自分を愛する」のような肯定的なものや「ナルシスト」のような否定的なイメージもあるでしょうか?
どちらも本質的には、「"条件なしには肯定されない自分"をどうにかして肯定しようという心の働き」と捉えられます。
この自己愛についての心理学「自己心理学」では、自己愛を充たす手段として3つの方法があります。
自己愛を充たす3つの方法
<鏡映自己対象体験>
賞賛や注目を集めることで自己愛を充たすアプローチです。自己愛が成熟している人なら、挨拶を交わす程度でも自分の存在が認められたと感じ、充たされたりします。
上司から勧められた本に、「使命感」と「劣等感」が人を突き動かすということが書かれていたのを思い出しました。
劣等感が強い人ほど、賞賛や注目を集めるために一生懸命頑張るので、能力の高い人が多いのかもしれません。(使命感・エネルギーの矛先次第ではありますが)
自分の力で自己愛を充たすには、ある程度コストが必要ですが、より手軽に自己愛を充たせるのが次の方法です。
<理想化自己対象体験>
いわゆる推し活で自己愛を充たすアプローチです。
スポーツの応援が一番イメージしやすいかもしれません。成績が悪いと落ち込んだり、良いと喜んだりするのは、推しと自分を同一化させているからですね。
自分自身に注目や称賛を集められなくても、理想とする対象を熱心に応援する/憧れを抱くだけで、自分も誇らしい気持ちになれるため、インスタントに自己愛を充たせます。
まさに推しは心のストロングゼロ。
<双子自己対象体験>
自分と似た人と絡むことで自己愛を充たすアプローチです。
趣味が合う人や地元が同じ人などと、共通点について話したり、一体感を覚えた時に自己愛を充たせます。(社会の一員として認められた感覚?)
オタクは推し活でも、その仲間と絡むことでも自己愛を充たせるので一石二鳥!
②推し対象に強く「共感」「憧れ」を抱けるような体験をしたことがあるか
では、上記の方法を使えば自己愛を必ず充たせるかといえばNO。
自己愛が未熟な人ほど、自己対象(自己愛を充たしてくれる人)への欲求水準が高く、身近な対象では満足できません。
(特に努力で肯定を得ようとするタイプは、自己対象への期待が過剰に高まりやすい)
そこで登場するのが推しの存在。
三次元の人間は自分の意志を持って生きてるので、理想通りにいてくれるのはなかなか難しいです。
でも、二次元のキャラなら失望する確率は三次元より低いので精神衛生上良い。
※絶対読んで下さい↓
三次元の方がリターンは大きいのですがリスクも大きいので、私は基本的に2.5次元までしか推せません。
しかし、馴染みのない人からみれば、二次元のキャラは"ただの絵"でしかありません。
それを推しにするには、「推しを欲している精神状況」のほかに、「推し対象へ強く心を寄せられるか」が重要になります。
「強く心を寄せられるか?」を左右するのが、「共感」と「憧れ」。
例えば「ビジュが好き」は興味を持つきっかけにはなりますが、内面まで好きにならなければ心を寄せることはできません。(性的な消費目的以外では)
「応援したくなる」というのも、過去の自分と重ね合わせて共感したり、自分にはできないことを成そうとしている対象への憧れからくるものだと思ってます。
二次元のキャラに共感・憧れを抱くにはどうすれば良い?
A.推しを必要としている人が経験したことと近い経験をする
そもそも二次元のキャラは、「推しを必要としている人に刺さる」ように作られていることが多いです。
ので、根深いコンプレックスが多い人ほど刺さる確率は高くなります。
先ほどから出している「魔法使いの約束」を例に挙げます。
※作品をかんたんに紹介すると「魔法使いと人間が共存する世界へ飛ばされた主人公が、癖の強い魔法使いたちと心を通わせ、<大いなる厄災>である月と戦う物語」です。
この世界では、魔法使いは偏見や差別の対象になっている中で孤独に生きてきたという描写が多くあります。
それに対して、ただ「可哀そうだな」と憐れむのではなく、過去の自分と重ねて胸が締め付けられる、救われたような感覚になれる人でないと、強く心惹かれることはないでしょう。
ですが安心して下さい。
最近は、広がりつつあるオタク層に合わせて、より幅広く刺さるキャラやセリフも増えています。
例えばこれ。
誰しもが経験したことのある失敗や後悔を、気まぐれで強い力を持った魔法使い(≒最高の自己対象)が肯定してくれる。
まさに鏡映自己対象体験の極み。
他にも共感・憧れを抱きやすい魔法使いがたくさんいるので、二次元のキャラにハマりたい方はぜひ「魔法使いの約束」をどうぞ。
ちなみに私が始めたきっかけは、左右の目を交換した(正確には奪った)キャラがいると聞いたことです。
ファンタジーな世界観ですが、ストーリーは残酷な部分が多く予定調和のハッピーエンドではありません。
上手くいかない現実を受け止め、人間も魔法使いもそれぞれ尊重しながら、なんとか手を取り合い泥臭く前に進んでいく物語に生きる勇気をもらえます。
オート機能もあるのでゲームが苦手な方も安心!
しかも、今ならメインストーリーの一部を開放中!始めるなら今!
\10秒でかんたんインストール/
↓↓↓今すぐ推しを作る↓↓↓
推しは容量用法を守って適切に摂取しましょう
まほやくは最高ですが、一点だけ注意があります。
推しはあくまで無条件に自身を肯定できない人が、肯定できる人と並び立つために摂取するぐらいが丁度良いです。
なぜなら、推しからエネルギーをもらうのはコスパが良過ぎて、無条件の肯定を与えてくれる現実の人間との繋がりや、自分を自分で認めるために必要なコストを割かなくなるからです。
心を長期的に強く保つには、揺るがない自己を確立するための努力(内部)と、適度に依存先を作る&分散させること(外部)のバランスが大事だと思います。
以上です!約5500字の乱文にお付き合いいただきありがとうございました。
(おまけ)
一昨年のクリスマスは2.5次元の推しの生配信を観ていましたが、今日はアフタヌーンティーバスとのコラボで推し活してきます!
お仕事では記事LPを任せて頂くことが多いので、お悩みごとがあればお気軽にご相談下さい。
CTAは多い方が遷移率上がるのでもう一度。
\10秒でかんたんインストール/
↓↓↓今すぐ推しを作る↓↓↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?