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老若日記-その29-Z世代がシルバー民主主義について考えてみた。

私はZ世代(1990年台後半〜2000年に生まれた世代)で、あまり中高年の方と関わる機会がない。
あるとしても1年に数回祖父母に会って話すくらい。
だから中高年の方達に対する理解がないし、正直に言えばネガティブなイメージを持っている。
しかし、この老若日記を読んでいて、中高年の方の考えを知ることができ、イメージが変わってきた。
そこで今度は私がZ世代を代表して、なぜ中高年の方に対してネガティブな印象を持ってしまうのかシェアしようと思う。

1.シルバー民主主義が中高年のイメージを悪くしている?

さて、シルバー民主主義という言葉をご存知だろうか。
お年寄りに対しネガティブなイメージを持ってしまう原因の一つである。
少子高齢化で高齢の方の割合が、若者の割合を上回ることで、多数決が絶対の選挙では、高齢の方が有利になる。
そのため政治家も選挙で当選するために、多数派である高齢の方が魅力的だと感じる政策を講じる状況をシルバー民主主義と言う。

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出典:日本の人口と世帯 16. 2020年の人口ピラミッド(実績、住民基本台帳ベース)GD Freak)

2020年の総務省の住民基本台帳に基づく人口の統計によると、
65~100歳が全体の27.9%を占める一方、20〜39歳は全体の21.6パーセント。
例え若者全員が選挙で投票したとしても、中高年の割合には勝てない。
この事実を知ったら、若者はより選挙に行かなくなりそうだ。
実際、去年の7月に行われた東京都知事選挙で票を入れた後、開票結果を知った際、私は自分の1票の無力さを大いに感じたのを思い出した。

2. 若者の1票の重みを大きくする?

シルバー民主主義は、同じく少子高齢化に直面している先進国でも問題になっており、各国でこの状況を改善するために、様々なアイディアが提案されている。

1つは世代別選挙区制だ。
各年齢層の人口に比例して、議員定数を割り振り、有権者は同世代の候補者の中から、投票する人を選ぶことができるシステムだ。
例えば、青年区は20〜30代、中年区は40〜50代、後年区は60歳以上と3種類の選挙区を設定します。そして上記の統計でいくと、20〜30代は全人口の21%を占めるので、全議席数が300のうち21%にあたる63議席が青年区の定数となる。
同年代の人が候補者に入ることで、本当の意味で、私たちの代表を決めることになり、若者の投票数向上が期待される。

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参考:東大大学院教授が「世代別選挙区制」提唱 0歳児にも選挙権(マイナビニュース)

そして近年、欧米諸国で注目されているのが投票者の平均余命に応じて票の重みづけをするシステムだ。
例えば、その選挙区の平均余命が80歳なら20歳の票の重みを40歳の1.5倍にして、2016年のアメリカ大統領選の結果を再計算すると、ヒラリークリントン氏の選挙人獲得票数が43%から63%に跳ね上がり圧勝したとのこと。

また、同年に行われたイギリスでのEU離脱を問う選挙でも、同じように再計算したところ、EU残留という結果になったという。

出典:「シルバー民主主義」は悪者なのか 若者だっていつかは年を取る(朝日新聞GLOBE)

3. シルバー民主主義の本当の原因

しかし、この年齢で票の重みづけをするシステムに関しては、最善の解決策と言って良いかは疑問が残る。
正直、自分の投票の重みが重要視され、嬉しいと思う一方で、お年寄りの投票の権利が侵害されていることに目を瞑ることもできない。
私たちだってあっという間に老いてしまう。
そう考えると、シルバー民主主義の本当の原因は中高年ではない。

政治家と有権者の考え方だ。

私を含めも若者も中高年も目先の問題だけを捉えて、それを解決してくれる政策を講じている政治家を選ぶし、政治家も、目先の当選することを考えてマニフェストを出している。
そうではなく、より長期的な視野で社会を考えなくてはいけない。

最近私はベーシックインカムについて知ったのだが、この政策に大賛成だ。
なぜなら、毎月安定的に7、8万円入ることで、生活するために働くのではなく、より豊かな生活にするために働くことができるからだ。

一方で、この制度を導入すれば、年金制度や保険制度に影響が出てくるだろう。
そうなれば、今度はお年寄りが困る。
私は、「短期的なメリットがあるから」という理由でこのベーシックインカムという制度の導入に賛成してしまったが、この制度が導入されることで、長期的にどのような影響が出るか考えなくてはいけないだろう。

4. 世代間対立は何も生まない

そして、若者が選挙で有利になる制度が導入されることで私が恐れるのは、
中高年と若者の間の溝が深まってしまうことだ。
世間では分断の時代とよく言われ、グローバル化と多国間協力がより推進されるべきだという考え方多国間協力は必要ないという考えるグループの間で溝ができいる。
今、この状況はとても深刻だ。
それは世代間対立でも当てはまるような気がする。
二つの違う考え方を持つグループが政治的な内容で対立すれば、感情的になり、建設的な議論ができなくなる。
それを避けるには対話をすることが重要だと思う。
お互いの状況を理解することから始めれば、壁はどんどん取り払われるはずだ。

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まとめ

シルバー民主主義と叫ばれる昨今において重要だと感じるのは、若年層と中高年層が交流し、お互いを理解し始めるところからだろう。
若者は自分がおじいちゃんおばあちゃんになったとき、中高年の方は、自分たちの孫が老いた時の日本の未来について一緒に考えることができるのが最善のように感じる、、、
が、これは理想論と言われてしまいそうだ。

今年の秋には解散総選挙が予定されている。
この記事が、どう候補者を選ぶべきか考えるきっかけになればと思う。

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