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気になる空き地


いつもお詣りに行く神社への道すがらに
気になる場所がある。

それは空き地で、ずいぶんと長いあいだ、草が生い茂っていた。
その草が刈り取られ、建築物の標識が建ったのは、昨年の春先の頃だろうか

標識を読めばどうやら二階建ての住宅が建つらしいが、
工事は実にゆっくりとしたペースで始まり、今に至っている(まだ完成しない)

神社へは月に一度、お詣りに行くのだから、工事現場も1ヶ月ぶりに見ることになるのだが、夏の頃は特に遅々として進まず、1ヶ月経って何処も変わっていない、ということもあった。


その土地が、以前はどんな状態だったのか、何か建物が建っていたのか、残念ながら思い出せない。
私がその土地に関心を抱いたのは、そこが空き地となってからだ。

月詣りの帰り、私はふと、その空き地の脇で立ち止まった。
良く晴れて太陽の光が眩しく、この場所に家が建つのなら、さぞ陽当たりの良い家になるのだろうと思い、足を止めたのだ。

私は、外出する時には大抵方位磁石を持ち歩いている。早速取り出して南の方角を確認した。

そして、次に神社を背に、四方、八方の方位を確認した。

神社は東北の方角にある。
こんもりとした木立は北の方角だ。
駅前の繁華街は南の方角、
東から東南にかけてなだらかな川が流れている。

思わず唸りたくなるような、
素晴らしい地相だった。
あまりの素晴らしさに思わず笑みがこぼれてしまう。
(ハタから見れば奇妙な光景だったかもしれない、
人様の土地で方位磁石片手に一人、ほくそ笑んでいるなんて)

※ここで、何がどう素晴らしいのかを説明したいと思う。

まず、
○神社が東北の方位に位置するということは、東北から南西に至る鬼門線の入り口を神社が封じてくれることになる。
更に
○北の方角に高台があることが吉。寒気を避けることが出来る。
○南の方角が開けていて、遮断するものが何も無い事が吉。陽当たりが良く、太陽のエネルギーを浴びることが出来る。


年が明け、工事は少しスピードアップしたように見える。

此処の建築主は、これからどんな家を建てるのだろうか、
地相がどれだけ良くとも、その上に家相の悪い家がたてば台無しなのだ。
どうか、良い家を建てて欲しい、と願い、いや、これだけの土地の持ち主、よもや間違いはないだろう、と思ったりもする。

私は勝手に配置図を思い描き、玄関の位置を決め、出窓を作り、車庫の位置を決めたりしている。

楽しみは尽きない。




※ヘッダーは星川が撮影した写真です。