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あんたはエラいっておまえが言うな。

[コワーキングスペースのコミュニティ運営について考える:第2回]

KOILでコミュニティを一緒に作ってきた仲間の会員さんから、前回の記事はコミュニティをディスり過ぎではないか、とご心配いただきました。そこで慌ててあらためて表明しておきますが、私自身もその中の人としてKOILの会員さんたちを見ていると、コワーキングスペースにおけるコミュニティは本当に素晴らしいなぁと思います。こんなにやりがいのある、ありがたい仕事はそうは無いなぁと思っています。もちろんです。

ただ、その実感がない方々にコミュニティ絶対正義論でコミュニケーションすると、逆に拒否感を感じさせてしまうこともあると思うんですよね、というのが前回のお話でした。

さて、多くの人が感じるコミュニティのウザさ、鬱陶しさの正体とは何か。これ、別に大声で言うような大発見でもなんでもなく、みなさん普通に感じていることだと思いますが、この2点ですよね、たぶん。

・めんどくさい!(役割や義務、人間関係)

・入りにくい!(常連ばかりの店のアレ)

で、この「押し付けられる役割・義務」「排他」の先にあるのって、ファシズムとかカルト宗教組織とかだなぁと。えー、それは言い過ぎでしょー、という声も聞こえますが、いや、でもオウムやナチスは構成員にとってはとても幸せなコミュニティだったはずで。コミュニティっていう言葉にはあの種のグループのイメージがうっすらと貼り付いていて、だから「嫌な匂い」がまとわりつきがちなんではないでしょうか。実際、周りを見渡すと、最近やたらとニュースになる体育会系の団体を始め、そういう排他的で強権的なコミュニティは決して少なくないですよね。

コワーキングスペースのコミュニティを、そういうイヤな匂いのしないものにするためにはどうすればいいか。現時点では、僕は次の2点(本質的には1点)かな、と考えています。

1・固定的なヒエラルキーを創らない

カルト宗教やネットワークビジネスのような絶対的なピラミッドを創って上昇志向や忠誠心を植え付けるようなやりかた。あれは絶対ダメだと思います。当たり前の話をしているようですが、それに近いこと、それに繋がってしまうようなことはついやりそうになるんですよね。だってマーケティング的にはそれは、ごく基本的な手法ではあるわけですから。

たとえば、コワーキングスペースでは、コミュニティの核になってくれる会員さんって必ずいらっしゃいます。運営側の皆さまであれば、そういう会員さんが最高の「財産」だという感覚は共有できると思います。で、その方々はとても大事だから、なにか特別な資格というか呼称的なものを付与して特典を…なんて、僕は検討しかけたことがありました。でも、考えてみたらそれって上から目線で気持ち悪いなと思って、やめました。「あんたは役に立つ、エラい」っておまえは何様だ、次はホーリーネームか、帽子の線か、と。

いやそれとこれとは全然違うでしょう、考えすぎですよ、というご意見もあるとは思いますが、これは「匂い」の話なので、「匂いのもと」がどんなに些細なものでも、その臭気は全体にフワフワと漂ってしまうと僕は考えています。あるいは私たちの毎日は小さな選択肢を選び続けているものだから、そこでこっちの道を選んじゃうと、その先はあっちに行っちゃうよ、という感覚を持っています。

2・ひとつの大きなコミュニティ、というイメージを持たない

そして、ネガティブな印象を与えないという「守り」の話に留まらず、より豊かなコミュニティを創るという「攻め」の意味で、この2つ目の視点はより重要だと思います。これは本当に最近整理できたことなのですが。「KOILのコミュニティ」なんて無い!要らない!というお話。

で、すでに長い原稿になってしまい、これは少し丁寧にお話ししたいので、次回あらためて書こうと思います。ではまた!

#ビジネス #コラム #コミュニティ #コワーキングスペース

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