パラリンピックと娘と絵本
パラリンピックが始まりました。恥ずかしながら、パラリンピックをちゃんと観戦するのは、初めてです。
さて、夕食時に、競泳で銀メダルを獲得された山田美幸選手のニュースを観ながら、就学前の次女がこんなことを言いました。
「でも、この人、手がないよ?」
画面の向こうのアスリートの方々を見て、純粋に疑問に思ったのでしょう。私と妻が、パラリンピックとは・・・と冗長に説明していると、小学生の長女が一言、
「さっちゃんの絵本にも、出てきたでしょ?」
と言いました。
この、さっちゃんの絵本とは、「さっちゃんのまほうのて」(著:たばたせいいち)のことで、先天性四肢欠損という障がいを持って生まれた女の子の物語です。さっちゃんには、生まれつき右手の指がありません。
「しょうがくせいになったら、さっちゃんのゆび、みんなみたいにはえてくる?」
さっちゃんはそう、おかあさんに聞くのです。自分の手のことで、幼稚園のお友達とけんかになり、傷ついたさっちゃん。おかあさんは答えます。
「さちこのてはね、しょうがくせいになっても いまのままよ。ずっと いまのままよ。でもね、さっちゃん。これがさちこの だいじなだいじな てなんだから。おかあさんのだいすきな さちこの かわいいかわいい てなんだから……。」
すごくつらいけれど、正直に答えるんです。さっちゃんは一生この手と生きていく。おかあさんはどんな気持ちでこの言葉を言ったのでしょう。
おそらく多くの障がい者の方が、通ってきたであろう道、障がいをもつ子供の親が通ってきた道、いろいろと想像しながら子供と一緒に学ぶことが出来る、おすすめの一冊です。
私たち夫婦が驚いたのは、何年も前に読み聞かせたこの絵本の内容と、パラリンピックの選手のことを、長女が結びつけられたことです。
我が家では、毎晩絵本を読み聞かせています。絵本の中には、たくさんの人たちの経験や想いが詰まっています。自分一人では知りえない世界を見ることができる。そんな日々の読み聞かせが、多少でも娘たちの実になっているのかな?と感じられる出来事でした。
パラアスリートの方々の活躍を自宅のテレビ越しに全力で応援しています。がんばれニッポン。
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