TくんのSNSを探したら

たまに、Tくんと連絡を取りたい衝動に駆られる時がある。話す目的はないんだけど。

大好きだったことを伝えて、Tくんの反応を見たい私がどこかにいる。

連絡先を知らない私は、SNSのどこかにTくんが存在しないか探した。

Twitter、Instagram、TikTok、どこかにTくんの痕跡がないか探した。
…色んな名前で検索したけど無かった。

じゃあ、この前Tくんの写真を見つけた某不動産会社のホームページに、ブログとか無いかな?
…ブログは無い。

でも、Tくんの担当する物件の説明文が、Tくんの感情も入っているような気がして、少しだけ嬉しくなった。(Tくんの言葉かどうかは不明だけど)

でも、もっとTくんのプライベートなことが知りたい!と欲が収まらず、Facebookを登録してみた。(アカウント持ってないと見れなかった。)

Facebookで名前を検索してみる。
…ない。

Tくんと仲良かった男子は?
…あった。

そこに友達として入ってないかな?
…ない。

幼馴染のあの子のページにはいるかな?
…ない。

じゃあサッカー部のあの子は?
…ない。

高校が同じだったあの人は?
‥ない。

小学生時代から仲良かったSくんは?
…ない。

Sくんの写真に載ってないかな〜?
…あっっった!!
結婚式の写真と、結婚式前日に同級生みんなで浅草で観光している写真が載っていた。

変わらない細身のTくんがめちゃくちゃ眩しい笑顔で映っていた。そりゃ、結婚前日だもんね。何しても楽しいしキラキラするよね。

なんだか遠くに感じた。

私の知らないTくんが400km離れた東京で笑ってた。

笑っている目尻に二本シワが入っていた。私が知っているTくんより年齢を重ねていた。

笑うと線みたいに細くなる、その笑顔が大好きだった。目と目が近いお顔を愛しく想いながら、小学生の頃よく見つめていたことを思い出した。

でもなぁ、、、なんだろ。改めて画像でマジマジお顔を見てみると、懐かしくて嬉しいんだけど、なんか好きな顔じゃないなーと思ってしまった。

これが蛙化現象ってやつ?

細くてシュッとした顔も体型も、なんだかペラペラに感じてしまい、人間的な薄さを表しているように思った。

結局、好きじゃなかったのかな、、、

本人を見て、好きと思ってなかったのかな。

私のことを好きなTくんが好きだったのかもしれない。

チヤホヤしてくれて、ちょっかい掛けてくれて、いじって笑ってくれるTくんに、ただ気持ち良く思っていただけかもしれない。

陰から応援してくれたり、気にしていたよと友達から教えてもらった時に、Tくんの好意に心が温かくなって、それを好きな気持ちだと勘違いしていただけかもしれない。

Tくんの気持ちが好きだっただけで、Tくんの容姿は好きじゃなかったのかな。

それとも、私の知らない場所で生きていく中で、今のTくんが出来上がったのかな、、

まぁ、もともと今は好意は無い。
昔好きだっただけ。

私はTくんを愛せない。
やっぱり運命の人はTくんじゃない。
それがハッキリしました。

そう思いながら、Sくんのページを閉じ、でも閉じる前にTくんの奥様の顔をまじまじ見納めするのでした。

☆☆☆

Tくんは、今まで私のSNSを探したことはある?

私の名前を検索したことはある?

あの後、私のことをどうやって忘れていったのだろう。

何回くらい、私のことを思い出してくれただろう?

今も実家に帰る時に、私のことを思い出したりしますか?

思い出さなくても、思い出しても、私にとって、Tくんの存在は青春そのもの。Tくんが居なかったら、今の私はいないと思う。だから感謝しています。

どうか、Tくんにも私にも幸あれ!
お互い自分史上最高の記録を出せる人生にしよう!

ハッピーバースデー、Tくん。
36歳おめでとう。

2024.5.8

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?