大須絵里子

絵を描くこと、文章を描くことが好きな2児の母親。 日々過ごす中で感じたことを主に書いて…

大須絵里子

絵を描くこと、文章を描くことが好きな2児の母親。 日々過ごす中で感じたことを主に書いています。 うさぎイラストhttps://www.instagram.com/osueriko 色鉛筆https://www.instagram.com/osu_eriko_iroenpitsu

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座るうさぎ

    • 文房具屋

      万年筆のインクを買いたくて 地元の文房具屋へ行った。 地域密着のその大きな文房具屋は 暦通りの営業をする店で、 今日はお盆休みでシャッターが閉じ、 チェーンまで張られて 厳重な閉店体勢だった。 うきうきとした気持ちが途端にしぼみ、 がっかりとしてしまう。 事前にいくらでも調べる術はあったし、 お盆休みの認識が抜けていたのは自分だ。 勝手にやって来て、 勝手に期待して落ち込んでいる。 文房具は大好きだ。 店を見ているだけで楽しいし、 恐らく使わないだろうと思うものでも

      • 今夜スーパーへ

        出掛ける支度を終えて さぁ出発と思った矢先、 ふと気になり閉店時間を調べてみた。 『まもなく閉店』 Googleの検索結果には これから向かおうと思っていた スーパーの情報が登録されていて、 とても便利でありがたい。 ここから徒歩15分弱の距離。 閉店まであと15分しかないのに。 コロナ禍前の感覚が未だに残っていて、 店という店は深夜近くまで 開いているような気がしてならない。 自分の感覚をアップデートできていないことに ちょっと恥ずかしさを覚え、 どうしようかと一

        • 新鮮な景色

          窓の外の世界は 全てが「向こう」だ。 右も左もない。 東西南北もない。 いや、かろうじてこの部屋は 南西向きだと知っているから、 方角はゼロではないのかもしれない。 しかし感覚として、 私のいる窓の内側は「こっち」。 窓を通り抜け、ベランダを越え、 視界を遮る背の高い木々のさらに奥は、 「向こう」もしくは「あっち」。 こっちの空は明るいのに、 向こうの空は真っ暗だった。 スマホに入っている天気アプリからは もうすぐ雨が降ると通知が飛んできている。 あっちの方は今正に 降

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        座るうさぎ

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        • 日々
          625本
        • 乳がんの日々
          11本
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          18本

        記事

          夏の日差し

          ほんの少しの距離だからと、 車に日傘を置いたまま スーパーまでの道のりを歩いた。 太陽はちょうどてっぺんの時間帯で、 アスファルトの上にはまぶしいくらいに 日の光が当たっており、 日陰はほんのわずかしかない。 時間にしてみれば2分程度の距離だ。 足早にスーパーへと向かい敷地内へと入れば、 スーパー自体が作る陰で 日を遮ることができる。 だから日の光を直接浴びたのは わずか1分くらいと思われる。 お目当ての銘柄の卵が買いたかっただけで 店にいた時間も短く、 会計を合わせて

          予定

          八月後半を見据えて スケジュールの確認をした。 手帳に既に書き込んである予定を 改めて組み直し、 予約を入れたり変更したりと スマホをいじる。 ついでに九月の予定も確認しようと 手帳を見れば真っ新だ。 じゃぁあれしよう、 これしようと詰めていったら どんどん文字で埋まってしまった。 子どもたちの夏休みが終われば 朝から夕方までの自由な時間が増える。 夏休みのこのだらっとした毎日もいいけど、 早朝起きてお弁当を作ったり 送り出したりというつらさはあっても、 自由な時間

          欲しいもの

          欲しいものがあると、 それについてものすごい勢いで スマホで調べてしまう。 依存症レベルでスマホをいじり、 ずっと似通った情報を集めまくる。 そうやって頭の中をぱんぱんにして、 その上で本当にいるかいらないかを判断し、 いらないとなったらすっきり解放されるし、 いるとなったら今度は買うタイミングを考え出す。 衝動的にものを買うタイプではないけど、 衝動的に欲しいスイッチが入って のめり込む時間を短期間過ごすため、 一見すると衝動買いに見えるかもしれない。 今欲しいもの

          早朝

          朝4時過ぎに目が覚めた。 昨夜は日付が変わってもなかなか寝付けず、 随分長い間ごろごろとしていた。 15時過ぎにコーヒーを 飲んでしまった日にこうなることが多く、 眠りが浅く、夜中に目が覚めてしまうのも このせいと思われる。 4時半になり、一匹の蝉の鳴き声が聞こえた。 ジージーとアブラゼミだ。 私はもう一度眠りたくて、 目を閉じたまま耳を澄ませていた。 一瞬意識が飛び、再び意識が現へと戻ると、 その時にはたくさんの蝉の鳴き声が聞こえていた。 一瞬なのは自分だけの感覚で

          アウトプットの変化が必要だ

          先月半ばからだろうか。 これまで楽しくて仕方が無かった 「書く」という行為が急に億劫になってしまっていた。 ノートを開く気にもなれず、 書いておきたいことが頭に浮かんだら iPhoneにメモしておくに留めてしまい、 ペンを持つまでに至らない日がずっと続いていた。 このnoteもそうなのだけど、 継続したいというこの気持ちは、 やりたいからなのか ただの義務感や惰性からなのかと、 自分の本心が読めず迷い揺れ動くことがある。 他人へアドバイスをするならば、 それなら一回距離

          アウトプットの変化が必要だ

          疎外感を見る

          新宿から山手線に乗り込んで、 閉まっている方の扉の前に立つ。 電車が発車するまでのわずかな時間、 私は窓の外を眺めていた。 隣の線路には電車は来ておらず、 ホームの様子がよく見ることができた。 電車の幅分距離はあるものの、 程よい距離感で色んな風景が見えてくる。 私の視界入ってきたのは、 ホームと、屋根と、階段と、 そこまで多くはない人だった。 まだ前の電車が行ったばかりなのだろう。 だから尚更その一家が 目に入ってきてしまったのだ。 所謂外国人観光客の集団だと始めは思

          疎外感を見る

          中にある空

          スーパーの屋上に駐車した車の中で、 買い物を終えてからどら焼きを食べていた。 夏の空にはもくもくと雲があちこちに広がっており、 局地的な雨が降ったりやんだりしているようだ。 向かいに停めてある車のフロントガラスには、 空の青色と、雲の白色が映り込んでいる。 それを眺めながら食べる栗どら焼きは美味しい。 ちょうどおやつの時間帯。 空腹だったからなおさら美味しい。 上空を飛行機が通りかかったようだ。 フロントガラスの中の空に 飛行機が一機、斜めに飛んでいくのが見えた。

          向こう側 こちら側

          久々に追われるこのない ひとりの時間を過ごすことができた。 夏休みに入って自分以外のことだけに 時間を割く日が続いていて、 これがかなりのストレスだった。 スタバでコールドブリューを飲み、 ベリーヨーグルト&ベリーグラノーラを食べる。 時間にしたら30分にも満たない時間だったが、 このほっとできる時間はとても貴重だ。 私の座ったカウンター席は 目の前いっぱいにガラス窓が広がっていて、 歩き、横切っていく人たちがよく見える。 無音で動く人々は、日陰のためもあるかもしれない

          向こう側 こちら側

          財布

          明日は開運日。 長いこと使っていたお財布を 新調したくてしばらく悩んでいた。 そして今日、ついに買ってしまった。 日頃カード払いがメインで 現金は使わないことが殆どだ。 だから三つ折りの小さい財布をと 考えて探したけれど、 納得のできるものがなかったのと やはりお札が曲がってしまうことが嫌で、 結局長財布にすることにした。 なるべく薄型のものを選んで 鞄の中でかさばらない努力をする。 明日の開運日に使い始めることに決めている。 新しいものはとても嬉しい。 心機一転。

          アラート

          空を仰げば快晴だった。 日傘を差して歩いていても 日差しの強さをじりじりと感じるし、 足元からは照り返しがむあっと上がってくる。 8月に入ってまだ2日目だが、 かなり長い夏を送っているように思う。 異常気象と言われる昨今、 そもそも正常な気象とはどんな状態なのか、 またいつと比較しているのかがよくわからない。 外出は控えるようにと 熱中症アラートというものが毎日出ているが、 私ももちろん、世の皆さまも普通に出歩いている。 国籍問わず観光客も多く、街は賑わっている。

          雨上がりの散歩道

          私が出掛ける時には 激しい雨はやんでいた。 大地全体に水がまかれ、 歩いていると涼しく感じられる。 公園からは蝉が大きな声で叫び続け、 もう雨は降らないんだろうなと 私は教えてもらった気持ちになる。 思いの外水たまりはない。 不思議なところに水の流れはできているが、 覚悟して履いてきた真っ白のスニーカーは 汚れなくて済みそうだ。 久しぶりの大雨は街を洗ってくれた。 乾いていた公園の土も、 熱を帯びたアスファルトも、 葉っぱの汚れも。 久しぶりに気持ちのいい散歩道。

          雨上がりの散歩道

          新宿の空

          新宿駅南口を出てから左。 御苑の方へ向かって歩き出せば、 そこはとても広い歩道になっている。 たくさんの人々が行き交う中、 外国人観光客とすれ違った。 彼女は私より少し背が低く、 中肉でワンピースを纏い、 長い髪を背中に垂らしている。 とてもキュートで、 その笑顔もまた可愛らしくて、 右手でスーツケースを引き、 左手でスマホを構えて 私の背後の景色を 見上げるように撮っていた。 きらきらした表情から この東京新宿という都市に対する 想いが伝わってくる。 私もこの街が好