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すべてがNになる〜不定期連載〜

 半田 滋さんの「安保法制下の自衛隊〜踏み越える専守防衛〜」に行ってきた。

【追記】分かりやすい政治と兵器購入の表があったので挿入しておきます。

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   【安倍政権下での主な出来事】
2012年(平成24)
12月 第2次安倍政権が成立
2013年(平成25)
2月  アベノミクス発表
12月  国家安全保障会議が発足、特定秘密
    保護法が成立
    靖国神社を参拝
2014年(平成26)
4月  消費税8%に引き上げ
    防衛装備移転3原則を閣議決定
    
    原発を重要なベースロード電源として
    エネルギー基本計画を閣議決定                                      
5月  内閣人事局を設置
7月  集団的自衛権の行使容認を閣議決定2015年(平成27)
4月  「日米防衛協力のための指針」改定
   (地球規模で自衛隊が米軍と共同行動)
5月   安保法制案を閣議決定
9月   自民党総裁に無投票で再選
     安保法制が成立
2016年(平成28)
1月   マイナンバー制度始まる
3月   安保法制を施行
11月  南スーダンPKOで「駆け付け警護」
    の任務を付与を閣議決定 
2017年(平成29)
2月   森友学園問題が表面化
3月   南スーダンPKOからの撤収を命令
    加計学園が表面化
5月   初めて海上自衛隊の護衛艦が米艦
     艇を防護
6月   「共謀罪」法が成立
7月   国連で核兵器禁止条約が可決。日
     本は不参加
12月  イージス・アショアの導入を閣議決定
2018年(平成30)
7月   カジノ法案が成立
9月   自民党総裁に3選
12月   沖縄の辺野古新基地の建設で土砂
     投入開始 
    18大綱、中期防を閣議決定
2019年(平成31)
1月   厚労省、総務相の統計問題が浮上

 この講師である半田滋さん、東京新聞論説兼編集長委員という方であります。 
 たまに聞く武器輸出や兵器爆買いについては散発的に記事で読む程度だったがこの「安保法制化の自衛隊〜踏み越える専守防衛〜」を通して聞いてどういう動きをしているのか流れが理解できました。

 あまり詳しく書くと文量と自分が疲れてしまうのでかいつまんで書いていきます。「防衛計画の対抗」というのが1976年からあって年々推移するのですが76年の大綱が「基盤的防衛力」とありその後いろいろあるのですが、2018年の大綱では「多次元統合防衛力」と、名前だけ見てもなんかえらいことになっていると感じられますが中身も事実上の専守防衛の放棄、強力な日米一体化だとのことです。

 【2018年大綱の特徴】
 政権発足1年後の2013年末、初めて国家安全保障戦略とともに決定した13大綱は、向こう10年を見通して策定。
 これを5年前倒し改訂したのは、16年の安全保障関連法の施行を受け、軍事への傾斜を強めるためである。
 

 転機となったのはこの2018年時の大綱からのようでした。
 印象的なのは憲法に基づく専守防衛から逸脱する空母保有でしょうか。
 護衛艦「いずも」が空母化され、垂直離着陸可能なF35Bを搭載した攻撃型空母の誕生です。

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 又スタンド・オフ機能がある長射程ミサイルの導入。
 JSM、JASSM、LRASM(長射程巡航ミサイル)=長距離戦略爆撃機

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 島しょ防衛用高速滑空弾(事実上の弾道ミサイル)=大陸間弾道ミサイル 

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などです。よくニコニコ動画の菅官房長官官邸記者会見で「飛翔体」が飛来した際にコメント欄で「打ち返せ!」などと流れてくるのですが、今まで日本は大陸間弾道ミサイルを持っていないと思っていたので心の中で「持ってないから打ち返せねえよ」と思っていたのですが、いつのまにかやろうと思えばできる状態になっていました。無知でした。

 

 ⚫︎秋田と山口に導入予定のイージス・アショア

 秋田県秋田市荒屋演習場に関しては10月21日午前の記者会見で「ゼロべースで検討していく」と発言しましたがどこまで意味がある発言なのかは分かりません。

 ⚫︎イージス・アショア

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 イージス・アショアとは弾道ミサイルを撃ち落とすミサイルですが撃ち落としたはいいがその破片はどこへ落ちるか分からず周辺住民は危険にさらされます。またイージス・システムのレーダーからは強い電磁波が出ていてその方向へレーダーを北朝鮮に向けると自然と市街地の方を向いてしまうので住民への健康被害が懸念されています。僕はそのことも知らなかったので、それは反対の声もあがるよなと思ったわけです。
 イージス・アショアのレーダーは言うなれば電子レンジのようなものです。それを浴びて健康でいられるはずがありません。
 またイージス護衛艦は4隻から8隻へ増えておりイージス・アショアなしでもミサイル防衛は可能では?と思ってしまいます。

  ⚫︎北方領土交渉に影響

 ロシアはイージス・アショアに攻撃能力はないのかと懸念しており、導入すると北方領土の交渉で不利になる可能性があります。
 
【F35の爆買い】
 F15戦闘機のうちの改修不能な99機と入れ替えるためだと説明するがF15の退役時期は未だ決まっておらずF35を105機も追加してしまうとF15の機体は廃棄か、もしくは武器輸出候補となるしかないわけです。
 防衛省は、F4後継の42機分を国内で組み立てるため、防衛産業3社(三菱重工業に1129億円、IHIに521億円、三菱電機に220億円、合計1870億円を国が負担して施設を整備)に1870億円を払って生産ラインを作らせておきながら米政府が一方的に決める対外有償軍事援助(FMS)で米国内の販売費より50億以上も高い一機150億円でF35を爆買い、これはアメリカの言いなりだと言われてもしかたありません。
 しかも理由が国内組み立てが高すぎるとのこと、このなかなか無計画ぶりに驚いてしまいました。しかもこの筋の通らない経緯を納得させるためかこの「高すぎるので国内組み立てをやめ、米国から輸入に切り替えるとというのが閣議了解。」少し無茶苦茶なのでこれまで戦闘機作っていると聞くとぐぬぬと思っていた防衛3社に少し同情してしまいました。
 ちなみにアメリカから購入する105機分の総額は安く見積もって1兆2000億円。もうちょっと節約しろよって思ってしまいますが、トランプ大統領は上機嫌だったみたいです。
 少しは交渉しろよと思いますがFMSとはそういうものみたいです。

 【「空母化」は自衛隊の要望ではなかった】

 実はこのいずもなど護衛艦の空母化は自衛隊は望んでいなかったとのこと。自民党国防部会「対抗提言」を丸飲みさせられたのだとか。
 なにかF35を買わされたのに合わせて護衛艦を空母化すりゃいいじゃん!って流れが真実なんじゃないのかなぁとか思わなくもありません。
 やはり背景にあるのは安保法制のようです。
  ⚫︎インド太平洋でのさらなる自衛隊の活用
  ⚫︎次の米国による戦争で自衛隊の活用に道を開く
  ⚫︎憲法改正へ向けての着実な一歩
 この辺りでしょうかね。
その後もろもろ南スーダンに派兵とかいろいろありましたよね。
 あといつも不思議に思うのは日本はなぜ核兵器禁止条約に批准しないのでしょうか?

【増え続ける米国製武器】

 時折取り沙汰されますが米国製の兵器輸入も増えています。

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 オスプレイなんかよく墜落するので有名ですが、無人機グローバルホークなんかは機密扱いの機体なので整備士もアメリカの専門の整備士を連れてきてその人たちの生活費なんかも日本持ちなのだとか、その額なんと1人7000万円。少し交渉して日本人の整備士とかでもいけるようにしてくれればいいのに、と思ったりします。

 【動くカンオケAAV7】

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 特に印象的なのは水陸両用のAAV7と言われる車両、水陸両用なのはいいのですが車高が低く、砂浜ぐらいにしか上陸出来ず防衛を想定すると相手に上陸する場所を読まれやすいという欠点があるとか。装甲も45mmしかなく銃弾は防げるもののロケットランチャーなどは防げないとのことでした。海上移動速度も13キロしか出ず海上で発見された場合は"的"になること間違いなし、です。別名「動くカンオケ」と呼ばれていることにも納得です。

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  2019年も過去最高を記録しているそうですFMSでの武器調達。

【防衛大学校や自衛隊から消えた学生、卒業生】

 イラク派遣が決まったり安保法制の直後などに自衛隊を辞める人退校する人任官拒否早期退職者が増えるそうです。自衛隊といえど命の危機を感じ取って去っていく人が多いのでしょう。しかも最近人材不足なのか自衛隊の応募要項の採用年齢が26歳から32歳に一気に6歳も引き上げられました。人材不足は民間だけではないようです。
 しかしまた中東に270名の自衛隊派遣が閣議決定されようとしています自衛隊員の人材不足は解消できるのでしょうか。

 実際はもっと内容の濃いものでしたが覚え書き程度に書きました、そして会場で半田滋さんの著書が販売されていました。

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 「先制攻撃できる自衛隊」電子版があれば電子版で物増やしたくないので買おうかと思ったのですが検索してもなかったので久しぶりに紙の本を買いました。この講演を聞く前はタイトルが煽ってるな、と感じましたが講演を聞いた後は「さもありなん」と思うようになりました。サインもして頂きました。

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