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自民が“だまし討ち”各界連の「中止請願」取り下げさせ インボイス「円滑導入」意見書 採択〜すべてがNになる〜

2023年7月22日【国民運動】


共産党は反対討論

埼玉県議会

物価高が暮らしと営業を深刻にしているもと、消費税のインボイス(適格請求書)制度実施予定の10月が迫っています。地方議会では同制度中止・延期意見書が171自治体(6月30日時点、全国商工団体連合会調べ)で採択されています。これに危機感を募らせる自民党が、インボイスの「円滑な導入」を求める意見書を提出し、いくつかの自治体で採択されています。

 埼玉県議会は7日、自民党が提出した「インボイス制度の円滑な導入に向けた事業者支援の強化等を求める意見書」を自民、民主フォーラム、公明、県民会議、維新などの賛成多数で採択。日本共産党は反対し、城下のり子県議が反対討論しました。

「延期か」問うと自民「そうです」

 「消費税の廃止を求める埼玉連絡会」はこの議会に向けて「中止の意見書提出を求める請願書」を提出する予定で6月12日、各会派に紹介議員になるよう要請。19日に再訪し意思確認したところ、自民党から「インボイスに関する意見書を出すつもりでいる」との発言があり、連絡会は「延期の意見書か」と問うと「そうです。全会一致にしたいので中止請願を取り下げてくれれば」と答えました。連絡会は検討し、請願を取り下げました。

 ところが、自民党が提出しようとしている意見書が「円滑な導入」という題名で、議会最終日の7日に提案・採決が狙われていることが判明。「STOP!インボイス」は6日、ツイッターで県在住者向けに「延期・中止・見直しを求める意見書案を自民党の埼玉県議会議員から提出してほしいという声を届けませんか」と訴え、議会傍聴を呼びかけました。

 自民の「円滑な導入」意見書は「納税軽減特例の恒久化」など、連絡会の中止請願とは百八十度異なります。

 自民党の「だまし討ち」に、連絡会から怒り、実施中止への決意の声があがっています。

 連絡会の中村稔事務局長は「意見書でインボイスの問題点を認めたのは運動の前進ですが、私たちは円滑な導入など求めていません。10月実施中止を求めて9月議会に請願を出す予定です」と述べます。

 連絡会に加わる埼玉土建の野澤角栄さんは「インボイスが実施されると建設労働者は生活が成り立たなくなります。暮らし・営業を守るため最後の最後まで中止・廃止を貫きます」と力を込めます。

内容が市民にはわからないまま

 STOP!インボイスの小泉なつみさんは「意見書の内容が採決日まで市民にわからないまま採択されたことは納得いきません」と、議会運営の仕方に疑問を呈しました。

 埼玉県では知事選が20日に告示(8月6日投票)され、県議会の6割を占める自民党が大野元裕知事の支持を表明。自民党言いなり県政に転落するか、日本共産党公認の柴岡ゆうま候補の当選で民主的な県政を進めるかが問われています。

 消費税廃止各界連絡会の中山眞事務局長は「自民党の裏切りは政党の信義にもとるものです」と指摘。広島市などで自民党が円滑実施案を出し、採択されるなど、各地の中止・延期請願を妨害していると指摘し、議会の動きをチェックすると同時に「10月実施中止に向けた運動をさらに広げたい」と強調します。

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