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カメラは京セラ、サムライです。

さんざん失敗したのに懲りて、もうジャンクカメラには手を出すまいと思ってたのですが…長続きせず。
じぶんに負けましたね。

給料日+非番=最強(最恐)

ほんとは、ブッコフに鞄を買いに行ったのです。
ポンコツ人生を歩くようになってからこのかた、中古品があれば新品なんか買わない…と決めたのはいつぞやにも書いたはずですが、以前880円で買ってから愛用していたリュックのファスナーがどうにも不調で…修理屋さんに持っていくと、交換となると9,000円オーバーとな。
経済の革命(笑)ですね。880円の鞄の修理に一万ちかくとなると。
なので諦めて素直に新たに中古品お迎えしようと、勤めが休みで暇だったから見てみようとね。

結局リュックはまた880円でそこそこ良さげなのがあった。
折角来たので、カメラコーナーをのぞきに行ったのがいけなかった。
オリンパス光学XA2とA11フラッシュがあってね。
動作確認してない=電池なんか用意してないよという扱い。
カメラ屋さんで買うより安い。

ガラスケース開けてもらって手にとらせてもらったのですけど、なんか手持ちのXAとなんか違う…
プラスティックがいままで触ったことのあるXAシリーズと違い、やけにマットな質感なのです。
なんか訳ありかも。

と思って、視線を移動すると、やけに塊感のある、やはり黒いプラスティック製のカメラが。
価格は同じ。
XA2を店員に返して、そちらを触らせてもらう。
レンズがブラウンがかっているのは、コーティングの色かな? 黄ばみかな?
とは思えど、液晶の電池消耗マークの点滅をおしゃまは見逃さなかった。
「これお願いします」言っちゃったよ。

それでまた懲りずにカメラ安くお迎えしました。
京セラサムライZ2。

ファインダー下には視度調整ノブがある

給料日だったとはいえ、びんぼう人の1ヶ月分だから、小さな出費でもチリツモなんですよ。いやはや。

「カメラは今日から、サムライです。」

いつものバイブル「使うハーフサイズカメラ」によると、サムライ初代、X3.0の発売は昭和63年。1987年。
坂本龍一を起用したCMのコピーは
「カメラは今日から、サムライです。」
これとカメラを構える教授…この当時はそんなあだ名なかったんじゃないかしら…の姿は鮮烈に記憶している、そんな中年以上の人多いでしょ。ねえ、みんな。みんな若かった。

カメラを構えるっつったって、従来とはぜんぜん違うカッコでしたからね。
ムービースタイル、って当然アナログ時代のビデオカメラ、ソニーのハンディカムが発端となった、小型軽量カメラを思い浮かべますが。

大げさと言えば、あんな大げさなものはなかった。
お作法みたいな、カッコつけた、わるく言うとわざとらしいポーズをとっているような姿かたちでしたから。
それがかっこ良かったね。
なんか記憶にある絵とYouTubeでみられるCMと違うんだなあ…あれはカタログのスチール写真だったんかな。カタログ持ってないし画像盗用するわけにもいかないので、みなさん検索してみてくだされ。
たぶん初代のズームボタンは片手操作ができないような位置にあるから、あの独特な構え方になったのでは。

それが2年後のZ2では、片手で操作できるように改良された、のでしょう。

赤いレリーズボタンの後ろがズーミングレバー

赤いシャッターボタン横のレバーで、広角側からズーミングする。電動だから、オリンパス光学の失敗作であるOM3桁シリーズ流に言えば、パワーフォーカスってことかな。
この形でズーム手動にもできないだろうけど。

動作確認!

さて、電池が消耗していたので、急いで夜ヨドバシに行って、パナソニ2CR5を購入しました。

オプションなのか付属品かわからんが、ハンディカムよろしく付いている、手の甲をサポートするパッドみたいなのを緩めて、コインでネジネジを回して電池室蓋を外す。
これのせいで、電池がどこに入ってるのか俄にはわからなかった。
閉めるときは、2本の爪をしっかり本体に差し込みましょう。
幸い電池を替えたら各部ともちゃんと動作しました。
クオーツデートの日附がリセットされて、89年1月1日になった!
昭和64年だ(笑)

電源は初代と異なり、フラッシュの横にあるレバーをスライドさせると起動。
フラッシュがご覧のようにポップアップする(リトラクタブル?)。
これが自動化電子カメラによくある、勝手に発光するタイプのもので、電源オンのたびに、背面のMODEボタンで「夜景モード」を選択しないといけない。
当然暗いところでは液晶なんか見えない。
合焦時の電子音もうるさいが、これはSETボタン押すだけで消音できる(液晶のアイコンが消える)。もっともレンズの駆動音はなかなかのもの。スナップシューター向けではありませんね。
どなたかが書いておられましたが、京セラのカメラ、当然コンタックスもですが、AFや巻き上げモーターの音が癇に触るという。確かに。
旧いAFカメラの宿命といえば宿命なのでしょうな。
合焦も遅いと思う。そりゃそうだけど。
デジカメレベルのAFと比べてはいけない。

サムライのホールディングは理にかなっている

わたしは右利きなので、このカメラの使用にあたってなんの支障もないけれど、ZおよびZ2には左利き用のモデル、Z-LとZ2-Lというのがあったらしい。
でっ 早速フィルムを詰めて撮り始めたのですが…ISOの手動設定というものはないですよ。DXコード必須…片手持ちが基本のカメラで気になる手ブレというものが減る予感あり。現像してみないとなんとも言えんけど。
いえね、手で下から掴むかたちなので、上下動をうまく手でリダクションできている気がするんよ。
1/500秒というシャッター速度は普通のコンパクト機のスペックで、日中ならばなんらの問題にもならないが、暗いところでスローシャッターともなると、両手で保持しても必ずブレる。
人間の足は2本ですからね。三脚のようには安定しない。
だから、完全にブレが根絶できるわけではなさそうだけど、
このサムライの設計、なかなか人間工学的には優れているんじゃないかしら。

サムライをめぐる、限りなく妄想に近い推測

オリンパス光学における米谷美久氏のように、その企業のカラーをも打ち立てた名設計者の存在は、出る杭は打たれる日本の企業風土ではなかなかにめずらしいと思うのですが、みなさまはどう思われますか。
京セラという会社は、2005年にカメラ光学機器から撤退して久しく、そういったカリスマ的な技術者ないしは設計者の存在も公にはされてこなかったようですが、事情に疎いあたくしでも、ひとりだけ名を知っている人がいました。
安原伸氏。そう、ディープなカメラおたくなら「安原一式」の開発者として記憶しているだろうし、自主制作映画の監督という顔ももっていた人であるけれど、かれは京セラでカメラの設計をも手掛けていたという。

https://xtech.nikkei.com/dm/article/FEATURE/20120822/235097/

安原氏が自身の会社で企画したカメラやレンズは、どれも漢字の商品名がついていた。安原一式、秋月などなど(ウェブサイトが閉鎖されたのか、リンクも張れないしほかの商品の詳細も見れなくなった、残念)。
それがかれのポリシーだったのだろう。
と思うと、ピントきませんか?
京セラ「サムライ」という商品名。
1964年生まれという氏が、新卒で入社して数年後でしょうか。
設計部門への配属を強く希望したというくらいだから、最後に手掛けたコンタックスAX以外にも、氏の息のかかったカメラはいくつもあったはず。
「サムライ」なんて、如何にもそれっぽいネーミングセンスだと思いませんか。
推測ですよ。かなり妄想に近い推測。
確かめようにも、既にかれはこの世を去っている。

まずは撮り終えるまでわからない

ハーフサイズだけどフィルム縦送りなのでファインダーは横位置だとか、3倍ズームだとか、よく知られていることについては詳説しない。
よってかなりひとりよがりな内容かも知れないですがご容赦願いたく。
あと書いている最中に、裏蓋のフィルム確認窓からの光線引きがこわくて、黒マステ(バッグに忍ばせているMTの黒)で目張りしたことも書いておきたい。
中古カメラのモルトプレンはあてにならんからねえ。

現像結果が上がったら、またご覧いただきましょう。
お読みいただき有難うございました。



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