見出し画像

【フィルムで撮り歩きツーリング】まず平泉を目指したものの

6月に入ってだいぶ大気も湿り気を帯びてきました。
南東北は平年ですとそろそろ梅雨入り、明けるのはだいたい7月下旬ごろです。
雨続きの週末は、出掛ける気力も失せてしまうこと請け合いなので、晴れ間が多かった5月中旬以降はせっせと走りに行ってました。

といっても、最初はさすがに遠出はせず、仙台近郊をうろうろしていました。大きな名目は「通勤用」ですからね!
また購入したのが2002年式のキャブ車(今どきのエンジンではなく燃料供給にデジタルとアナログくらいの違いがある)で、さらに距離計が小数点より上がなんと4桁!(9999キロ超えたら0キロに戻る! 笑)のため正確な走行距離は正直不明なのです。実際は何周もしてるんだろう。ゆえにエンジンも労ってやる必要がありました。最近やっと調子が上がってきてますが、それでも。

「そうだ、平泉行こ」

5月最後の土曜日、朝7時半に出発。
すぐ取り出せる位置にOM-4tiを忍ばせて…とはいえ停車してもグローブ付けたままでカメラの操作をする気にはなれないので、速写性はなし。あくまでゆるーい旅の写真を目指します。
とりあえず目的地は平泉、中尊寺あたりですが、神社仏閣巡りが好きなわけでもなく、ただ走っていれば満足、さらに写真が撮れたら本望みたいな、典型的な地元にお金を落とさない観光客ですね。

道の駅で寄り道

仙台から国道4号をひたすら北上します。
泉、富谷、吉岡、大衡、三本木…ようやく大崎市ですが中心地古川にもまだ達していない。1時間は走ったんだけど…
その三本木の道の駅で小休止します。
駐車場を奥へ入っていくと、いきなりこんな車がお出迎え。

むかし安い燃料として採掘されていたという亜炭、この辺りでも掘っていたらしく、その採掘に使われていたというダイハツのオート三輪。
トイレ休憩の思いがけない余禄でしたが、こんなん撮っててほんとに平泉まで着くのかね…

20mmレンズの向き不向き

今回のレンズは、まずコシナ20mmf3.8を付けた状態で、もう一本50mmf1.4も持参しましたが、交換してる余裕…心理的にも時間的にも…なかったです。隣の県とはいえ片道100キロ超。しかも日本最大面積を誇る岩手県に数年ぶりで入っていく…つもりでしたから。結果として。
栗原市の南の端あたりが旧高清水町、このへんにはいにしえのドライブイン(食堂ですな)の廃墟が国道沿いに集中しているのですが、その手前あたりではっとする風景をかすめて、すぐのコンビニで本日2回めの休憩。
なんだか雲行きが怪しくなり、風も、横風も強くなってきましたので、すこし様子見もかねて。
歩いても3分もかからない場所でしたが、初心者ライダー心理としては知らない土地でバイクから離れるのは不安でして…横道を入っていったらさらに良い、絶対的に良いというよりは個人的な琴線にふれる風景に会えるかもしれず、またエンジン始動して行ってみました。

しかし20mmだと広々感は出るのだけれど、肉眼でみるよりかは木々が小さく、このときの実感としては「遠いなあ」と思えて、50mmに交換したかったのですが前述の心理に加えてぽつぽつ通り雨が降ってきたりして。

ドライブイン廃墟集中地帯を過ぎたこの広い駐車場がある店。
ここもレンズ換えたかったしもっと近づきたかったなあ。

やがて空はやや明るくなるものの、横風強風はあいかわらずでした。
しかも行く手をはばむように岩手県方向には黒い雲が沸き立っていて、葛藤はあったものの金成沢辺で針路を東に、4号線降りてしまいました。
帰宅して地図みたら(グーグルマップも使うものの、紙の地図大好きです)あと十数キロくらい?で平泉だったのですが。

若柳に向かって水田地帯を行くと、いきなり琴線をがっしと掴まれるような風景を目にして停車。
このアングルだとやはり真ん中の小屋が小さく遠く写るんですよね…でもこっちはまあまあじゃないか?

南を向いているので佳きお天気ですが、振り返るとどよーんと暗いのです。
すぐ脇を東北道が通っているとは、写真だけでは俄にはわからないでしょう。

若柳駅で3度めの休憩

そしてやってきたのがこちらです。

この仔馬みたいな原付二種バイクがおしゃまの愛車です

旧栗原電鉄、晩年はディーゼル動力になってくりはら田園鉄道となっていましたが、2007年に廃止になってしまったのです。
この若柳駅は、車庫を改装したミュージアムに隣接し、東に1キロほどの線路はディーゼル車の乗車会、またレールバイク(動力は人力…自転車ですね)の乗車会でも使われています。
この日はどちらもなかったですが、駅は無料開放されていたので構内の写真も撮ってきました。

岩ケ崎は旧栗駒町のさらに旧称
後方にみえるのが旧車庫です
小さな電気機関車と
木造の貨車。塗り直したのか文字をフォントで済ませているのが惜しい
マルチスポット測光を駆使した一枚

待合室のカットではマルチスポット測光使ったのに、上に屋根がかかった電車の撮影では失敗してはずかしい出来だったので(初めてOM-1を使っていた時のことを思い出した)、現役時代の若柳駅で撮った1990年代のプリントから一枚お目にかけます。

後ろに写っている車庫がいまのミュージアムですが、駅との間に廃止後道路ができたため敷地は分断されレールもつながっていません。

室内は木板張り。オレンジ色は平成になってから上塗りした?

お楽しみはそれからだった? けれど…

ひととおり駅をみてから、翌日現像に行く予定だった「いつもの写真屋さん」に電話すると、明日はだめだけどきょうならいいよ!とのことで、急遽向かうことに…ナビアプリによると1時間半で着く? もっとかかりそうだけどなあ。
これで完全に岩手県に背を向けて、一路仙台方面へ針路を変えます。

途中登米市方面までは道を知らず、ナビにたよりきりで若柳を後にします。
白鳥の飛来地として知られる伊豆沼附近を通り、なぜに一旦北に向かう? じつは国道398号をまっすぐ来ればよかったのに間違えたり工事中だったりしていたのを「戻れ戻れ」と言われてたのでした。
さらには震災後整備された「みやぎ県北道路」なるものの入口が方々にあり、無料ですが自動車専用道路なので125cc以下の原付二種は走れません。道なりに交差点を直進すると入口に誘導されるあぶない場所もあり(原付は左折と表示はありますが)、丁重に敬遠して街なかを抜けると、水田地帯で停車して写真撮りたい!ポイントがいくつもありましたが、そうもゆっくりしていられないので(+強風)、その後国道346号にのってから撮れたのはこれだけ。

この場所どこなんだろう? 確認する余裕もなく
ここはもう松島町近く、明治潜穴公園

この346号、知られざる?快走路で、意外にも風光明媚(だった気がする…)肉眼のレンズに映るすべてが美しく感じられ、こんど行くときは時間と心の余裕をもって走りたいです。
車輌での撮影行ではもっともだいじなことのように思えます。

おわりに

予告を変更して(要は出来心とその時の気分)なつかしい岩手県に向かったものの到達できず、やはり計画はしっかり立てて、あと日帰りだったら早起きして早朝出発は基本中の基本ですね。
そのうえで写真にかんしてはほぼ出たとこ勝負、旅の写真のいいところは「偶然性」と「時の運」に尽きますからね、あのときみた風景もあとで行ったらまた撮れるわけじゃない。そこは肝に銘じておきたいです。そして上にも書いたけど「時間と心の余裕」! そう考えると条件ないしはハードル高い気もしますが、まあ肩の力は抜いて、もちろん心の眼も澄ませておきましょう。

*おまけ

絞りを変えたかなにかで色調が変わる。コシナ20mmおそるべし

OLYMPUS OM-4ti Black+COSINA WIDE ANGLE20mm f3.8
FUJICOLOR100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?