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CROTを使用した仮想CL 〜多忙なSE (仮名)タナカケイジ編〜

2020.9.18の湘南OT-Consultationで
CROTを実施しました。

CROT カード5枚は以下の通りでした。
•うつ病 (精神科デイケア領域)
•適応(現在の問題)
•予定が多い(大事にしている習慣)
•アグレッサー(本人の性格)
•32歳 男性

【背景の考察】
タナカケイジさんは沖縄出身、東京在住の32歳独身男性です。

高校1年生までは将棋の強豪校でストイックに部活に取り組んでいましたが、お父さんが他界されたことをきっかけに退部。家計を支えるためにアルバイト三昧となりました。お姉さんが1人居ましたが、家計を支える事には無関心でマイペースな方だった為、タナカさんとの確執を生んでいました。

高校を卒業したタナカさんは、パソコンに詳しかったことから、独学でシステムエンジニア(SE)として就職する道を選びました。

就職のため東京に上京したタナカさん。
一人暮らしで仕事に追われて多忙な日々を送りながらも、少ない休日には将棋を指して気分転換をしていました。それ以外の時間は自己研鑽のために勉強に費やしていました。ただ、対人交流が苦手だった為、恋人や友人はいませんでした。お母さんにはたまに連絡をしていましたが、お姉さんとは不仲だった為、連絡先すら知りませんでした。

32歳まで仕事人間として生きてきたタナカさん。キャリアが増えるにつれ年々忙しくなり、多忙を極めていくうちに業務のミスが増えていき、上司に怒られる日々が続いていきました。そして、うつ病を発症してしまいました。

精神科病院に入院し、服薬治療にて病状は徐々に緩解していきました。自宅退院となり、復職を視野に入れて精神科デイケアで社会参加練習をすることを目的に利用開始となりました。

【介入方法の考察】
面接評価計画))

・仕事をしていた頃のスケジュールや発症した原因をどう認識しているのか確認する
→客観的に多忙だったことを理解できているか確認し、作業バランスを整える提案をしたい。

・仕事の条件、仕事の目的、仕事に対する価値観を聴取する
→復職を考えていく際に、元の職場に戻りたいのか?パソコン関連の仕事をしたいのか?雇用条件を優先するのか?を確認して、仕事の何に価値を置いていたのか評価して、以下の提案につなげたい。

《元の職場に戻りたい場合》
・リモートワークの提案
→拘束時間を減らして、休息をとりやすくしたい。
・楽しみながら仕事をする方法の検討を提案
→業務ストレスの軽減方法の獲得、作業バランスの偏りの予防、職場での人的環境の獲得の提案をしたい。

《元の職場以外でも良い場合》
・沖縄でパソコン教室のような仕事の提案
→教えることによる自信の回復、地域コミュニティとの繋がり(人的環境)の獲得

《共通で提案したいもの》
・相談相手作り、オンライン将棋の提案
→危機的状況になった際のための準備、将棋仲間などの人的環境を増やしたい。
・仕事と並ぶ価値観の作業の探索
→余暇活動の拡大をしたい。

〜まとめ〜
仮想CL タナカケイジさんには
☆作業バランスの調整
☆人的環境の拡大
☆復職
これらのことをキーワードに
人生背景を加味した介入方法の
検討ができました!

他にも、仕事は営業じゃないか?
子供はいるんじゃないか?などの
案も出ていました!
状況や環境が変われば目標設定が
変わっていくのが作業療法士ですので
いろんなパターンを検討するのが
臨床力アップに繋がりそうですね!

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