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実習生さんへの伝え方

私は作業療法士(OT)というリハビリの先生です。

私は作業療法士経験8年時点で年12〜14人くらいの実習生(OTS)さんの実習指導を担当させていただいております。

その経験の中で、気付いたことや気をつけていることを踏まえてご参考になればと思い、書き記してみたいと思います。

【キーワード】
「実習生もクライエントと同じ」
「働き方は十人十色」
「丸暗記学習とリーズニング」

「実習生もクライエントと同じ」

実習指導者として、絶対に勘違いしてはいけないこととして、臨床実習は学びの場であるということです。

時に試験官気取りでマウントをとろうとするCE(SV)が居るようですが、OTSはもちろん未熟な者であり、実習の通例すら知らない事があります。

その対象者(OTS)に対して指導者は評価の視点で課題を明らかにし、適切なヒント(知識)を補填して更なる成長へ導いてあげる必要があります。
例を挙げると…

  1. リスク管理や礼節は守れるか?

  2. 作業療法についての理解はしているか?

  3. 自身の知識を実習へ活用できるか?

  4. 疑問や仮説の生成はできるか?

そのOTSのレベルや課題に合わせて、実習で達成すべきタスクを段階付けし、適宜声掛けを行う。
作業療法士が臨床で行っている事ですよね?


「働き方は十人十色」

次に実習生の意欲について、様々なOTSが居るかと思います。
作業療法士を目指した経緯や就職についての意見を聞くと、その傾向が見えてくるかもしれません。

作業療法士は「価値」という概念を人間の中に持っています。もちろん、OTSも同じですよね。
例を挙げると…

  1. 親に勧められたから

  2. 安定した仕事(雇用・条件)だと思ったから

  3. 人と関わる仕事だから

  4. 作業療法士になりたいと思ったから

"作業療法士"というものに特別な意味を付与しているOTSさんは学習意欲が高い傾向にあり、給料をもらう手段として考えている場合は効率主義的にこなしたいと考える場合があります。
※あくまでも一例です

作業療法士に関わらず、天職だと思って働いている人は決して多くないと思います。そのためOTSが将来的に自分らしい働き方をする事を想定すると、学びに対する動機付けは異なるということです。

「丸暗記学習とリーズニング」

私は臨床実習とは別に養成校さんと連携してOTSのお手伝いをさせていただいておりますが、その中で「最近の学生は素直すぎる」という意見が多く聞かれます。

おそらく、テスト対策型の勉強が進化してきたことにより「Q1の答えはA1である」のような学習を中心とした効率的な丸暗記学習をして来た事が背景にあるのではないかと思います。

しかし、臨床家に要求されるのは「A1(対象者)にQ1(症状や課題)がある、それはなぜか?」という「なぜ(WHY)?」を明らかにする推察力です。

丸暗記学習のまま仮にOTRになれたとしても、「分からないので答えを教えて下さい」という臨床家では、優秀とは言い難いと思います。

そこで大切になるのが「リーズニング(臨床推論)」です。
作業療法臨床において、クライエントのより良い生活へ導くために様々な選択をしなければなりません。その選択の根拠となるのが、リーズニング
と言えます。

そしてOTSが推察力やリーズニング力を磨く絶好の機会、それが臨床実習なのです!

OT実習生が臨床実習の期間で、自身の知識と臨床を照らし合わせ、知識を想起し、知識を組み合わせ、知識を応用できるように学習する機会になれば、優秀な臨床家を育成することに貢献できると思います。


何か質問やご意見があれば、Twitter(@mttk_ot)へリプライお待ちしてますm(_ _)m

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