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「衣、食、住、DJ」 vol.7 DJインタビュー(番外編)

ゲスト:堀尾 英樹 LIBITUM  代表

皆様こんにちは。ホンダイズミです。
オタイレコードの<note>企画「衣、食、住、D J」第7弾。
今回はDJではなく音響設備関連の会社の代表をゲストに迎えてのインタビュー。
愛知県名古屋市中区の繁華街、通称<女子大>にある老舗クラブ「JB'S」さんに、以前マネージャーとして長く勤められていた堀尾氏に、いろいろと興味深いお話を伺いました。

それでは早速スタートしましょう。

「couryard bay marriott」 1F ラウンジにて

〜起業について〜

ホンダ(H):独立したのはいつですか?
堀尾(HO):店を辞めてから割とすぐです。2010年いっぱいで退職してカタチ的にはもう動いてたから今年で14年目かな?
H:職種としては音響設備リース業みたいな感じですか?
HO:音響設備、いわゆるプロオーディオとステージ照明、あとは映像機器をベースに、自分がやりたくてやっているというよりは<何故か>やってます(笑)。ハコ(*クラブ)って自分達で(音響や照明などを)触るでしょう?で、当然詳しくなるから、セカンドキャリアのことも考えて、当時社長に今やっているようなことを「別事業としてやらないか?」って提案していて、実際に大阪のショーパブの音響設備の仕事を取ってJB'Sの売り上げにしたりしたこともあったんですけど、結果話は進展しなくて……。で、それからしばらくして色々思うことがあって、辞めた時にちょうど(音響機器)メーカーさんから連絡もらって「こーいう仕事できないですか?」って言われてやり始めたのがそのまま今のカタチになってる感じですかね。
H:なるほど。まあ割と自然な流れだったワケですね。ところで、JB'Sさんのマネージャーは結局何年やったのですか?
HO:15年くらいかな。
H:その前は何やってたんでしたっけ?
HO:服屋です(笑)。
H:え?服屋さんだったの?販売ですか?
HO:そう。販売ですよ。いや、何気に今アパレルをやってらっしゃる社長さんとか、結構当時の僕のお客さんだったりするんですよ。
H:えー!マヂっすか!?知らなかったなー。ビックリです。
HO:今はもう会社が変わっちゃったから名前は出せないですけどね。
H:そーなの?残念だなあ……。*この後すごく面白い話になるけど割愛。

〜<club JB'S>時代のこと〜

HO:当時(*アパレル時代)のクラブは今みたいな感じじゃなくてもっとアングラな世界で、今はもうなくなってしまった店も含めてあちこちでよく遊んでました。
H:で、JB'Sに入ったキッカケは?
HO:服屋を辞めて、というかオイタし過ぎてクビ切られて(笑)、しばらくして仕事を探してたら、ちょうどオープニングスタッフの募集があって「行こっ!」て感じで。クラブ好きだし。だから最初アルバイトだったんですよね。
H:割と軽いノリだっんですね。マネージャーになったのはいつですか?
HO:半年後?いや一年後だったかな。最初ソウルのハコで、どっちかというとディスコ寄りで年配の人達が遊べるようなイメージの店にしたかったらしいんですけど、そんなの上手くいくワケないですよね?スタッフもそーいう感じじゃないし。ただ、そこに居たDJさんなんかは皆名古屋では生粋の実力者で、その人達に可愛がられて、オープンしてすぐというのもあって色々な事があった末に形態を徐々に変える方向になって、マネージャーになったタイミングですぐにイベント形式を始めたんですよね。
H:あの頃はまだあまりなかったスタイルでしょう?
HO:そう。当時のクラブって、それぞれのハコによって結構色がしっかり付いてるイメージがあったんですよね。
H:「JB'Sはハウス」っていう感じだった気もしますけど。
HO:ハウスを推し始めたのはもう少し後なんですけど、ハコとしてジャンルを決める必要はなくて「日によって変えればいい」っていうのがスタンスで、世の中にプレイヤーがたくさん居た方がもっと華やかになるだろうと思ってました。自分自身クラブミュージックに興味があるから、ヒップホップももちろん好きだし、ハウスミュージックも大好きだし、とにかくいい音楽が好きなんです。「コレはクラブにしかない音楽だ!」って当時思ってて(笑)。
H:大物ゲストを呼ぶようになったのは?
HO:お店として推していたうちの一つとしてハウスのDJをプッシュし始めて、トーキョー行ってプロモーターの人達と繋がり作って全国ツアーの名古屋公演とか、名古屋に来たことのない第一線で活躍するDJのイヴェントを数多くやって、とにかく全国版のフライヤーにJB'Sの名前がバンバン載るようにしました。でもなんかね、クラブで(そういったことを)長くやってきて、辞めて、今でも思うことがあって……。
H:へえー。それを是非聞きたいですね。
HO:クラブの在り方って、ちゃんと考えている人ももちろん居るんですけど、目先の楽しいことだけに振り回されている人も実はすごくたくさん居て、目の前の「楽しい」をより良いものにして紹介していくのって大事なことのはずなのに、ユルいっていうか、趣味の延長でやっているだけみたいな印象を受けることもあったりで…….。別にカッコつける気もないんですけど、どーせやるんだったらしっかりとやりたいし、となればその土壌を作る為に裏ではもっと頑張ってやらなきゃいけないことがたくさんあって、そこをしっかりしないと足を掬われちゃうのが夜遊びの世界だと思ってますから。だから自分はそれを実践してきて、スパルタスタイルに徹してやっていたっていう……(笑)。
H:なるほど。そーいう自覚はあるんですね。
HO:もちろんわざとやってましたたからね。結構誤解も多いけですけど(笑)。
H:確かに周りからすると「厳しい人」っていう印象はあったかもしれませんね。

〜クラブシーンについて〜

H:さて、そんな堀尾さんに聞きたいんですけど、現在のクラブシーンの状況についてはどう思いますか?
HH:良くも悪くもみんな変わってなさ過ぎると思います。正直、昔と感覚があまり変わっていない気がしますね。
H:ハコ側が将来を見据えてあーしたいこーしたいというヴィジョンがあまりないってことですかね?
HO:例えば昔は服屋さん(のB.G.Mで)ハウスなんてかかっていなかったし、TVのニュース番組のテロップの後ろで流れてる曲が今は意外とクラブミュージックだったりするでしょう?結構変わって来たと思うんですよね。いい意味で。アングラなモノが、まあ線引くつもりはないけれどいい音楽が表に出て来て、認知されて評価されるようになって良くはなったんですけど、現状のクラブの話なんかを聞くと、結局現場では何も変わってなさ過ぎて。やってることも、ヴィジョンもね。未だに「目の前のことで楽しけりゃいいや」くらいの感覚になってしまっている印象で、(あー昔と何も変わってないんだー)って思うとちょっと寂しくて……。それが本音かもしれないですね。
H:うーん。解決法はないんですかねー?
HO:んー。なかなか難しいでしょうね。全国的にもお店が減って来ているように感じていて、理由のひとつには「必要とされているかされていないか」ってこともあると思います。名古屋に限らずトーキョーでもデカいハコがどんどん無くなっちゃって有名な所もどんどん縮小して、第一線で張っているアーティストがプレイできるハコが少なくなっているのが現状なワケでしょう?それは正直寂しいしかないですよね。「またみんな地下に潜るんかい!?」みたいな話じゃないっすか。それはヤだよなーって。
H:名古屋もやはり減ってるんですかね?
HO:お店以前にお客さんが減っていますよね。パワーが全然ないでしょう?
H:ナンパバコみたいなのはどーですか?
HO:アレは目的が違うじゃないですか。音楽が一番ではなく夜遊ぶ集団の溜まり場っていうのがあーいういわゆるエンタメ寄りのハコであって、クラブという呼び方でいいのどーかすら分からないですし。ディスコでもないし……。
H:なかなか難しい問題ですね。

〜最近の活動と今後〜

HO:ホテル(*「コートヤード・バイ・マリオット名古屋」さんの一階ラウンジで毎週金曜日開催の<MUSIC NIGHT>)の仕事をやり始めてから最近動きがまた変わって来て、昔やっていたことを一回置いて、気持ちをリセットしてやり始めた感じです。前にヒルトン(ホテル)でもやっていて、ココは11月からスタートしてレギュラー枠としては12月からなのでもう半年くらいかな?最初は3ヶ月の1クールで2月位までの予定だったんですけど、ご好評をいただいて無期限延長になりましたし、今後は他のホテルでもやりたいなって思ってます。
H:このスタイルはすごく良いですよね。私も何回か来てますけど。
HO:でしょう?ハッピー系の派手なプレイヤーもいいですけど、自分の場合はやっぱりホテルらしさを損ねないようなこーいう感じの方がベターかな、と思ってやっています。(DJ陣が)プレイの幅がある人達だからどこでもやれるでしょう?
H:アンビエント系が得意なメンバーですかね?
HO:そーではなくて、別にジャンルを縛ってるつもりではないから単純に音楽の幅が広いメンバーで構成していて、クラブとは違ってホテルのラウンジだから空間をちゃんと見てそこをサウンドでデザインしていくっていうか……。
H:フツーのお店とは人の流れも違って、ワインの飲み放題をやっていたり、あと外国の方も多いですから、色々考えてやらないといけないですよね。
HO:年齢層も幅広いし滞在しているゲストによって雰囲気も変えられるようにね。で、お客さん目線も大事ですけど、働いてる人達も楽しく仕事できるようなカタチも、プレゼンをした中の一つの項目にありまして。スタッフの方々目線でもなんだかちょっといつもと気分が違うでしょう?実際やってみると、やっぱりそれって結構大事なんだな、ってあらためて思いましたね。
H:確かにそーですよね。
HO:あとは、今後映像の仕事を増やして行きたいですね。時代の流れもあって映像の使われ方が昔と違うから、名古屋でももっと上手く使って欲しいですよね。
H:例えばプロジェクションマッピングとか?映像の制作もされているんですか?
HO:はい。幸いなことに仲間にも恵まれていまして。この間の現場では、美容室さんからの依頼で円形のLEDヴィジョンを納品させてもらって、そこで映像を流しました。宙吊りで円形をキープするのが難しかったですけど、お陰様で上手くできました。あとはエンタメ系のショーがあるようなお店も昔は音と照明だけだったんですけど、今はバックにデカいLEDヴィジョンを入れて映像に力を入れているところも多いので、依頼があれば全然やりますよ。
H:それって具体的にどーいう類いの店なのですか?
HO:しっかりとしたショータイムがあるエンタメ系のお店ってあるでしょう?そーいう感じですね。あとホストクラブさんとかも設備はスゴいですよ。それで最近も歌舞伎町に行ったりとか。あ、そうそうトーキョーで思い出しましたけど数年前の<東京オリンピック>の仕事もしました。映像系とは言っても、その時はTV放送する為の映像ケーブルの設営とかなんですけど、ドイツの会社の下請けで手伝わせてもらいました。
H:<東京オリンピック>に仕事で関わってなんてスゴいですねー。
HO:たまたま話が来ただけなんですけど。でもまあありがたいですよね。正直今の仕事のことはここ十何年間ほとんどオープンにしていなくて、ウェブサイトも作らずに口コミだけでやって来ましたから。あと、大きな結婚式場さんのハロウィンパーティーとかでも音響・照明を持ち込んで仮設ステージを組んだりしたこともあります。機材もしっかりしたのがあるので。
H:大きなイヴェントとかでもイケるってことですね?
HO:規模にもよりますけれど、ある程度は。今はコロナ禍も明けて世の中活発な動きも増えて来たので、改めて「もっと動かなきゃ!」ってエンジンかけたくらいの感じなんです。なので皆さん仕事下さい(笑)!
H:了解です。問い合わせはどーすれば良いですか?
HO:Eメールでメッセージもらえるとありがたいですね。
H:分りました。アドレス載せておきます。本日はありがとうございました。
HO:こちらこそありがとうございます。

まだまだ話は尽きない中、この辺りで締めさせていただきます。
若い頃からアングラのクラブで仕事をされて来ただけあって、我々の知らない世界を垣間見させてもらえた気がしてとても楽しかったです。

現在、名古屋市中区栄一丁目にある一流ホテル「couryard bay marriott nagoya」の一階ラウンジ「CRUST」さんにて、毎週金曜日18時〜22時の間
「MUSIC  NIGHT」を開催中。今回のインタビューもコチラで収録させていただきました。
夜はワイン飲み放題(*90分間。スパークリングも有り)+アペリティフ三種で税込3000円というとてもお得なサーヴィスもやっています。

かなり素敵な雰囲気なので、ご興味のある方は是非立ち寄ってみて下さい!
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LIBITUM(リビトゥム)/ 堀尾 秀樹(ホリオ ヒデキ)
info@libitum.jp
 *現在ホームページ制作中

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それではまた次回お会いしましょう。

TEXT : ホンダイズミ(PLUS+ Talent Agent 代表)




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