人生を最大限に活用したいと願う私たちにとって、アカウンタビリティ・パートナーは変化と成長にとって不可欠なツールです。自己成長や目標達成までの道のりは長いことが多いため、そのすべてのプロセスを一人だけでやり抜くには相当な困難が伴います。
そんな時にあなたの自己成長や目標達成を伴走型でサポートしてくれるのがアカウンタビリティ・パートナーです。
今回の記事では、アカウンタビリティ・パートナーが自分の人生の変革にどう活用できるかを紹介していきましょう。

アカウンタビリティ（説明責任）と責任の違い

まずは説明責任と責任の違いを明確にすることから始めましょう。

アカウンタビリティ（説明責任）とは

アカウンタビリティとは日本語で「説明責任」と訳されます。この言葉はもともと、政治やビジネスの分野で使用されている言葉で、政治家や経営者が、ステークホルダーである有権者や株主・顧客に対して税金の使い道などの行政運営や企業経営の内容について説明する責任がある。という考え方から生まれたものです。

もともとはアメリカから始まった「アカウンタビリティ」という概念は今や日本をはじめとした世界中に広まっており、日本でも「説明義務」という言葉が医療分野などでも一般的に使われるようになりました。

アカウンタビリティは「自分が問題の当事者という意識を持ち、求める成果を達成するために、 主体的に責任を持って行動することを指す」と定義されています。

アカウンタビリティと責任の違い

ここでいう責任とは「特定の行為の結果に関して、対処する任務や義務」と定義されています。アカウンタビリティと責任の違いとして「自己完結するか否か」が挙げられます。

つまり、「責任を負う」ことは自分一人だけでも可能ですが、「アカウンタビリティを果たす（説明責任を果たす）」ためには、自分と、責任を果たす「相手」が必要になります。

例えばダイエットに失敗したとき、失敗の責任は自分が負うだけですが、アカウンタビリティを果たす場合には、「ダイエットをする」と宣言した相手に対して「なぜ失敗したのか」「今後どうするのか」を説明しなければなりません。

当然、一人で責任を負って自己完結するよりも、誰かに説明した時のほうが「やらなければならない」という責任感が高くなります。この一人だけで目標に挑戦する時には決して得られない責任感を持たせてくれるのが「アカウンタビリティ」であり、その相手のことを「アカウンタビリティ・パートナー」と呼ぶのです。

アカウンタビリティ・パートナーについてはこちらの記事もご参照ください

なぜ「アカウンタビリティ・パートナー」が人生を変えるのに有効なのか

続いて、なぜアカウンタビリティ・パートナーが自分の人生を変えるのに有効なのかを紹介していきましょう。

完璧に自己管理できる人は少ない

私たちの中には、自己管理が得意な人もいますが、自己管理が得意ではない人にとって、目標達成に向けた面倒なステップを一つ一つ進んで行くのは難しいことです。

私たちが自己管理するためには、生活習慣など日々の生活において、「面倒だ」「やりたくない」と感じることのある取り組みをする必要があります。例えば、睡眠時間や食事量・飲酒量のコントロール、運動の実施などです。これらを変えるためには、自分が不快だと感じる行動（好きなものを食べられない、眠たい欲求に勝たなければならない）に敢えて取り組まなければなりません。

自己管理できる人であれば自発的に目標に向かって努力し、自分との約束を守り、最終的なゴールに到達する可能性が高くなります。しかし自己管理能力が低いと何かを成し遂げるのが困難なのは想像に難くありません。

人生を変えたいと願うのであれば、自分を律する力を身につけなければなりません。ですが、一人で自己管理をできる人は多くありません。そこで有効なのがアカウンタビリティ・パートナーの存在です。

どうすればもっと自己管理能力を高められる？

自制心が弱く自己管理能力が低いと、目標を達成するのが難しくなるのは明らかです。ですが人に何かを挑戦すると宣言した場合、一人で挑戦するのに比べて成功する可能性がはるかに高くなります。

たとえば、ジムでパーソナル トレーナーを予約すると、そこに誰かがあなたを待っているとわかっているからこそ、ジムに行く可能性が高くなります。これが無人のジムであれば「今日は忙しいからやめておこう」と簡単にキャンセルできます。「人と関わる」ということは、私たちが思っている以上に自分の挑戦意欲を高めるモチベーションになります。

人間は社会的な生き物だからこそ、人との約束を守ろうとし、自分一人ではできないことにも仲間と共に挑戦するようにプログラムされているのです。この仕組みを上手に使っているのがアカウンタビリティ・パートナーの仕組みであり、この仕組みを使いこなすことであなたの目標に対する成功確率が大きく高まります。

人生においてアカウンタビリティ・パートナーが重要な理由

自分が置かれた状況について不平不満を抱いている場合、あなたは本質的に自分自身を被害者として描いていることになります。あなたは気づいていないかもしれませんが、その状況に陥った自分に対して責任を持たず、他人を責める「他責」の思想では、自分の決断に責任を負うことはできません

他責の思考は、自分以外のすべてに原因があるとして非難し、他人が変わることを願うのに忙しかったため、自分が変えられるのは自分自身だけであるということに気づいていませんでした。
私たちにできるのは、座って世界を非難するのではなく、自分が何をしたか、しなかったかを振り返ることです。そして自分には何の責任があるのか​​、そして自分の態度がどのように私を妨げていたのかを見つめ直すことです。

他責をやめ、自分の人生の責任は全て自分にあると考える「自責」によって、自分を犠牲者だと考えることがなくなりました。自分に問題があると認めることは大きな痛みを伴いますが、その痛みを乗り越えた先にある現実にはとても大きな力がありました。

失敗を他人のせいにするのではなく、自分が下した決断、あるいは下さなかった決断に対する責任を受け入れ、自分自身にアカウンタビリティ（説明責任）を課すことで自分の人生は大きく変わります。

失敗への恐怖

失敗は常に不快なものです。ですが快適な肘掛け椅子に座っているままでは、ほとんど成長はありません。失敗を恐れて、外の世界に出て転んでも立ち直らず、肘掛け椅子で居心地よく丸くなってしまったら、私たちは決して学ぶことはできず、成長もしません。

失敗した時のリスクや不快感を恐れることは自分自身を改善することを妨げることを意味します。失敗を恐れずに向き合っていくと、少しずつ、自分の考え方がいかに自分を妨げていたかがわかるようになります。

失敗を恐れるのではなく、物事を実現するという真剣な取り組みにチャレンジしているという認識の方がはるかに前向きに行動を起こせるようになります。

アカウンタビリティ・パートナーを活用して人生を改善する方法

続いて、アカウンタビリティ・パートナーによって人生がどのように改善されるか。その方法を学びましょう。

人生を変えるためには「行動変容」が欠かせない

より良い人生にするためには、今の人生の中での改善点や達成すべき目標に向けて、行動変容する必要があります。
行動変容とは、文字どおり自分の行動を変えることで、新しい目標や複雑な問題、障害に遭遇したときには自分自身の行動を変化させることが重要です。

習慣の追跡にはアカウンタビリティ日記をつけることが有効

行動と習慣を変化させるために、まず最初は自分の習慣を理解することが必要です。自分の習慣を理解するために効果的なのが日記をつけることです。自分の習慣を追跡することは、自分自身に責任を持たせるための優れた方法です。

日記には、毎日の仕事、運動、自己啓発、感謝、学習を記録するだけでなく、その週の目標、新しいことや怖かったこと、失敗したこと、その失敗に関連した学習も記録すると良いでしょう。

アカウンタビリティ日記の使用方法

毎週の終わりに、毎日の運動、目標を達成したかどうかなど、これまでの成果をすぐに集計するので、順調に進むことができます。私たちの活動、意図、目標を追跡、測定しなければ、自分自身に対して責任を持つことが難しくなります。

例えば、毎月の終わりに全体的な要約を作成し、その情報を使用して新しい月の目標設定を通知します。目標を達成できなかった部分をどのように改善できるかを検討することは行動変容を促すための自己理解の方法として有効です。

アカウンタビリティは一過性のものではありません。確かに、試合・受験・ダイエットなど特定のプロジェクトや人生の転機において、アカウンタビリティを高める必要があると感じるかもしれませんが、私たちが生産的で発展途上な存在として成長し続けたいのであれば、通常の日常生活にアカウンタビリティを組み込むことが不可欠です。

アカウンタビリティ・パートナーを活用する

この記事を読んで「目標達成はしたいけど、毎日日記を作成するのは面倒だ…」と考えているのであれば、アカウンタビリティ・パートナーを活用するのが一番です。

なぜアカウンタビリティ・パートナーが必要なのか
アカウンタビリティは、効果的な成長、目標の達成、そして私たちの生活をより良くコントロールするために最適な手法です。

アカウンタビリティ・パートナーは、私たちが自分の行動や決断に責任を持ち、その責任を果たすための存在です。自分で決めたことをアカウンタビリティ・パートナーに宣言することで、私たちは自分の人生で起こったことについて他人を責めることをやめ、必要な変化を起こすためのコントロールを取り戻します。

アカウンタビリティ・パートナーが目標達成に向けて伴走することは、自分の現状を客観的に把握し、目標達成までサポートや励ましを得られるため、自分を変えるのに最適です。

この関係は永遠に続くわけではありませんが、アカウンタビリティ・パートナーと共に変化させた生活習慣は、パートナーと共に挑戦した期間が長いほど強固になります。自分を変えたいけど一人では難しい。と感じている方は、ぜひアカウンタビリティ・パートナーを活用してみましょう。

アカウンタビリティ・パートナーを活用する場合のポイント

最後に、アカウンタビリティ・パートナーを活用する場合のポイントについて解説していきましょう。

課題：アカウンタビリティ・パートナーからレベルのサポートを受けられません。

解決策：パートナーとの関わりに不安や疑問を抱いているのであれば、それを正直に話しましょう。アカウンタビリティについて適切な知識と経験があるパートナーであれば、関わり方を変え、あなたが不安なく目標に挑戦できるようにサポートしてくれるはずです。

アカウンタビリティ・パートナーの概念自体は誰でもできるものですが、アカウンタビリティの知識がなければトラブルが発生した時や目標達成がうまくいかないときに適切に対処できません。そのような場合には、適切な知識と経験があるアカウンタビリティ・パートナーを探してみても良いでしょう。

課題:近くに住んでいたアカウンタビリティ・パートナーが引っ越してしまった。

解決策:アカウンタビリティ・パートナーは同じ場所にいなくても活用できます。たとえ時間は違っても、同じように運動をして、その後に報告会を行うことはできます。必要に応じてチェックインのスケジュールを調整することもできます。

月曜日の朝に近況報告すると、パートナーは木曜日までに応答するかもしれません。お互いに柔軟に対応する意欲があれば、パートナーシップはさらに発展する可能性があります。

場所が離れていても、パートナーと繋がり続ける方法はいくらでもあります。あなたにとって必要なパートナーであれば、引き続きサポートを受けることが重要です。

課題:目標を達成できないと、アカウンタビリティ・パートナーが批判してきます。

解決策:あなたが目標を達成できなかったとしても、アカウンタビリティ・パートナーがあなたを批判することは、最もあってはならないことです。あなたを批判するアカウンタビリティ・パートナーとの関係はそっと終わらせる時が来るかもしれません。

アカウンタビリティ・パートナーとの会話は、揺るぎない協力的であると感じられるべきであり、批判や否定的な自分語りは役に立ちません。新たなアカウンタビリティ・パートナーを見つけましょう。

アカウンタビリティ・パートナーを活用して、自分の人生をより良くしよう

この記事では、人生を最大限に活用したいと願う人々にとって、アカウンタビリティ・パートナーが変化と成長に不可欠なツールであることを紹介してきました。自己成長や目標達成までの道のりは困難なことが多いため、そのプロセスを一人で進めるのは困難です。

アカウンタビリティ・パートナーは、自己成長や目標達成を伴走型でサポートしてくれる存在であり、その活用方法や重要性についてはご紹介したとおりです。

「自分の人生をより良くしたい！」と考えている方は、ぜひ一度アカウンタビリティ・パートナーと共に人生を変えることにチャレンジしてみることをおすすめします。