法人(会社含む)代表者の住所の非開示、開示に正当な理由を求めることは日本を詐欺師天国にする。

法人登記で社長の自宅住所がバレちゃう? 業界団体が改善求める「原則非公開化を」|弁護士ドットコムニュース | https://www.bengo4.com/c_1015/n_16076/  


現状の様に、簡単に誰でも法人が作れる状態で、匿名性を高くすると、日本は詐欺師や悪徳事業者の天国になる。法人格を盾に責任を免れようとする輩に責任を取らせることが出来なくなるからだ。原則非公開にするなら、法人設立の要件を許認可制にし、解散や業務停止についても低いハードルで出来るようにするとことと抱き合わせにすべきであろう。

正当理由がある場合に限定すべきという意見もあり得るので念のために反論しておく。

正当理由の有無を判断する人は、開示しない場合には開示拒否が不当だという損害賠償請求はしにくいのに対し、不当開示の場合には、損害賠償請求・クレームの理論構成が簡単だから、疑わしきは非開示という運用になる。

例えば、プロバイダ責任制限法では裁判外の開示が難しい。理由は簡単で、開示拒否には制裁はないが、不当開示には民事、刑事のペナルティーがあるからだ。プロバイダとしては、開示拒否をして判断を裁判所に委ねるのが合理的な対応である。

しかし、正当な理由に基づく代表者住所の開示かどうかを裁判所に判断を委ねるプロセスは時間とカネがかかる。財産を保全するにしても相手の住所が分からないとどうにもならない。そして、消費者詐欺、悪徳商法の加害者は逃げ足が速い。悪意でログを削除するインセンティブのないプロバイダとは違う。正当な理由に基づく代表者住所の開示かどうかについて、裁判所に判断して貰うために必要な時間の付与は、詐欺師に逃亡と資産隠しの時間をくれてやることと同義である。

そもそも、日本の法制は、法人代表者や役員に対する個人責任の追及を認めている。本来は、平取締役の住所でさえもが開示されるべきである。

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