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お風呂に入れなくても、シャンプーする方法

〈どんなことに悩んで解決してきたか〉その9

自宅のお風呂に入るのが難しくなっても、シャンプーはしたい。
私たち訪問看護師は、この気持ちを大切にしたい。


Bさんは、肺の病気で在宅酸素を使っています。きっちりした身だしなみを好んで、髪は毎朝整えるのが習慣です。頭を下げる動作は苦しくなるし、鼻からチューブが出ているので、シャンプーの時に顔を濡らしたくないと思っています。

Cさんは、痛みが出る動きがあって一日中寝ているようになりましたが、仕事は自然派化粧品の販売です。化粧品だけでなく、食べ物から洗剤など自然の材料を普段から使っています。いつも使う物でヘアカラーとシャンプーをしたいと思っています。

以前紹介した食器用洗剤の空き容器。これがなかなか優れものでして・・・。
傷を洗うだけでなく、お風呂に入れない時にも、きれいにするお手伝いをしてくれます。
傷の手当については、過去記事をご参照ください。


体力的な理由や病状によって、自宅でシャワーやお風呂に浸かることができない時には、体に負担がかからないように、部分的にお湯を使ってきれいにする方法があります。

ドライシャンプーという物もありますが、お湯を使って頭を洗うのは気持ちのいいものです。

ベッドやソファーに寝たまま行うシャンプーで、シャワーヘッド代わりになるのは、この容器です。シャンプーやコンディショナー、ヘアカラーをしたCさんも、最後にお湯を流す時に、大活躍しました。

〈用意するもの〉
① 食器用洗剤の空き容器に入れたお湯(髪が長い場合は容器2本)
② フェイスタオル2枚
③ ビニール風呂敷
④ 大人用紙おむつ

ビニール風呂敷は、お寿司やオードブルなど買った時に包んでくれる青やピンクに白の水玉模様の、あれです。小さめのレジャーシートでもOKです。

大人用の紙おむつ1枚(もちろん未使用の物です)を広げて使います。

寝ている場合は、枕を外して、座っている場合は、背中にもたれてもらう姿勢で行います。

襟元にフェイスタオル1枚を細長くたたんで、首に当たる部分にビニール風呂敷を上から少し巻き込んで敷きます。
首から頭の下にビニール風呂敷は広げて、首から水が入らないようにします。

流すお湯は、頭の下に敷いた紙おむつが吸い取ります。
紙おむつは横長に襟元にピッタリつけて敷くと、顔を横に向けてもらえば頭の後ろ側も洗えます。
横を向くだけで、頭を上げなくていいから、本人だけでなく、洗う人も力を使わずに洗えます。
紙おむつの下にはフェイスタオルを1枚敷いておきます。
紙おむつの吸水力は凄いです。短髪の方はもちろん、長髪でも大人用紙おむつなら吸い取ってくれます。

お湯を吸った紙おむつは、頭を下から支えて、引いて抜き取り、その下に敷いてあるフェイスタオルで頭を拭いて、ドライヤーで乾かすと短髪の方なら20分くらいです。ロングで、ヘアカラーをすると紙おむつは2枚で、時間も二倍です。


在宅酸素のBさんは、ベッドを45度位起こして、起き上がることが難しいCさんは、仰向けに寝たまま、このシャンプーをしました。


この容器に入ったお湯を使って、手や足だけを石鹸で洗った時は、少ない量で泡を流してくれますが、シャンプーは人によって毛量が違うのでお湯をつぎ足すこともあります。

そこで、容器は透けている方が残量がわかって便利です。
お湯は2つ用意すると安心です。
2本目の容器には、少し熱めのお湯を用意すると、温度が冷めても丁度いい温度になって、気持ちよく流せます。

たくさんお湯を使いそうな時は、バケツやポットに熱めのお湯を用意しておくと便利です。


さっぱりする気分は、病気をもっている方にとって必要な感覚です。

これを短時間で負担なく「気持ちよかった」と感じてもらえるなんて素敵なことです。

ご参考になりましたら幸いです。


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