金属アレルギーが原因の円形脱毛症があるらしい

5年ほど前に、突然、母から電話があった。
世界仰天ニュースという番組で、歯の詰め物がアレルギーを起こし、円形脱毛症になった事例が紹介されていたとのこと。
私も奥歯に詰め物があるので、検査をしてみたらどうか?と連絡があった。

母は、番組でインタビューを受けていた皮膚科の先生と、先生が所属するクリニックの名前までメモしてくれていた。

しかも、そのクリニックは私が住んでいるところから近い。
ためしに行ってみようと思い、電話をしてみた。
テレビの反響なのか、回線がパンクしているようで、つながらない。

会社を早めに切り上げて、直接クリニックにいってみた。
クリニックは小さいビルのワンフロアで、エレベーターを出たら、人がたくさん…
繁盛してるなーという感じだった。

2時間待って、ようやく診察。
先生が「君も歯に詰め物があるんだね。パッチテストしたら確定するけど、金属アレルギーで円形脱毛になったんだね。」
かなり、自信たっぷりに金属アレルギー推しだった。

普段アクセサリーをつけると痒くなるので、金属アレルギーかも?と思う一方で、口の中に金属の詰め物があるけど、特に口の中がただれたり、痒くなったりすることはないので、金属アレルギーは関係ないかも?と思う面もあり、私自身は半信半疑。

紹介された大学病院でパッチテストを受けた。
背中に金属を含むクリームや、液体を30種類くらい貼り付け、パッチテストを行った。

結果は、明らかな陽性はなく、水銀など、一部の金属で疑陽性がある程度。
結果をみた先生から、右上奥歯の詰め物に水銀が含まれているかもしれないから、成分分析を受けるようすすめられた。(右上奥歯の詰め物が黒く変色していたらしく、水銀を含む詰め物じゃないか?と推測したらしい。)

先生に紹介されたデンタルクリニックで、少し詰め物を削り、成分分析を行った。結果は、水銀は含んでいなかった。

同時に、水銀を含む材料でパッチテストをもう一度行った。結果はどれも疑陽性か陰性。

再び、皮膚科に結果を持って行ったところ、先生はまだ金属アレルギーだと思っていて、漢方をすすめられた。
ただ、この時点で金属アレルギーと判断できる検査結果は一つもなく、漢方は拒否して、帰ってきた。

治療を受けると、治るのではないか?と期待してしまう。少し髪が生えてくると、今回こそ、円形脱毛症を卒業(完治)できるかも?と期待してしまう。

漢方を拒否したとき、先生には「治す気はあるのか?」と聞かれた。
「素人目でも金属アレルギーの陽性が出ていないことはわかる。原因がしっかり特定できたら治療を受けたい。」と伝えた。

これまでの経緯を知らない先生からしたら、わざわざ診察受けて、治療を拒否するのはなぜ?と思うだろう。
30年、期待と裏切りを繰り返してきた患者にとって、新たな治療は、相当な確証がないと、メンタル的にハードルとなる。


その5年後、最近になって歯科治療で詰め物を交換することになった。かかりつけのデンタルクリニックでこの金属アレルギーのことを相談したら、もう一度、大学病院(5年前とは別の病院)でパッチテストを受けることになった。

今回は、金属だけでなく、歯科治療で使う材料や、化粧品に入る成分など、50種類。でも、やっぱりアレルギーはなかった。
前回、疑陽性と判断された成分は、今回も同じように赤くなっていたが、今回の病院では陰性と判断された。

先生の説明では、アレルギーと刺激は異なり、素材によってアレルギーを起こしやすいものと、刺激を受けやすいものがあるらしい。
私の場合、アクセサリーをつけて違和感があるのは刺激を受けているだけで、アレルギーではないようだ。
そして、今回の先生は、金属アレルギーが原因の円形脱毛症はほとんどない!とのこと。

いろいろあったけど、5年超しで、金属アレルギー疑いは収束した。

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