自動車保有容認を求める申立書のひな形を作りました *若干改訂あり

*2021年4月24日改訂:タイトルを「意見書」としていましたが、福祉事務所としての判断を求める趣旨を明確にするために「申立書」と改めました。また、申請時に出すことを想定してましたが、それ以外の場合にも使えるよう、申立書の冒頭の文章から「生活保護の申請をしますが」という文言を削除しています。

 生活保護の申請の大きなハードルとなっているのが自動車保有の問題です。特に、公共交通機関の発達していない地域では、自動車が利用できるかどうかは大きな問題で、生活に困っていても、生活保護の申請を躊躇する最大の要因になっています。

 生活保護制度は自動車の保有を全く認めていないわけではありません。
 障害があって自動車無しでは通勤・通学・通院が困難な場合や、公共交通機関を利用して通勤・通学・通院することが困難な場合には、一定の条件の下で自動車の保有が認められています。
 しかし、多くの福祉事務所は積極的にそのことを伝えることはなく、むしろ「生活保護では自動車の保有は認められない」とのみ伝えて、申請の「障壁」として利用してきました。

 このような状況をなんとかしたいと考えてこのたび作成したのが、自動車保有容認を求める申立書ひな形です(一番下にダウンロード用のURLがあります)。
 このひな形は「交通不便・通院等」、「交通不便・通勤」、「障害・通院等」、「障害・通勤」の4種類に分かれています。これは、生活保護実施要領が定める保有を容認する類型が以上の4つに分けられるためです(なお、「障害」としていますが、障害者手帳を保有している場合に限られるものではありません)。

 申立書を作成する際は、生活保護実施要領の該当部分(課長通知第3の9、同第3の12)をできるだけ参照してください(「生活保護手帳」に載っています)。
 申立書ひな形には代理人弁護士欄もありますが、申請する方ご本人が作成することもできます(その場合は、代理人欄を削除するなどしてください)。
 その他、書式毎の注意事項を各書式の2ページ目に書いていますので、それも参照してください。

 また、生活保護申請時に「概ね6か月以内に就労により保護から脱却することが確実に見込まれる者であって、保有する自動車の処分価値が小さいと判断されるもの」については、6か月間処分指導が保留されることがあります(課長通知第3の9-2)。この処分指導の保留は延長することもできるとされています。
 この扱いについてもあまり知られているとは言えないため、申立書のひな形を別に作りました(これについてはWordで作っています)。

 申立書ひな形を使って作成した意見書は、生活保護を申請する際などに、申請書と合わせて提出することが考えられます。
 ただ、提出すれば全ての場合で自動車保有が認められるわけではありません。福祉事務所側で保有を容認する要件を満たすか検討して、保有の容認を判断することになります。
 もっとも、その判断も絶対に正しいわけではありません。もし、保有を認めないという判断がなされ、納得がいかない場合には、各地の生活保護利用支援ネットワークなどの支援団体に相談してください。

 少しでも自動車保有というハードルが下がり、生活保護に結びつくケースが増えることを願っています。

 ★申立書ひな形はGoogleドライブに入れましたので、下記URLからダウンロードをお願いします。
【2023年8月31日追記】最近、下記のファイルの「共有」を求められることが多くなっていますが、「共有」には応じられません。「共有」ではなく「ダウンロード」をしていただくようお願いします。

【交通不便・通勤】
https://drive.google.com/file/d/1eukZhxuD3xrUJ3Hmza6ZHmBZDx7KICEH/view?usp=sharing

【交通不便・通院等】
https://drive.google.com/file/d/15MJrDwptQWiY8Xh2V-hxGEyNhlu01uJA/view?usp=sharing

【障害・通勤】
https://drive.google.com/file/d/1vX_zj9s3_QDU9uB06Q5_jDGTsosa0H7J/view?usp=sharing

【障害・通院等】
https://drive.google.com/file/d/1yreEDD0iERwoQmUEniPYC_3wpHFRcZme/view?usp=sharing

【処分指導留保】
https://drive.google.com/file/d/126pv1Er-iOtL0ONZmuEZoWCWqbAiK1o3/view?usp=sharing


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