#17 霜焼

逃げる足追ひかける足霜焼けす

 久しぶりに落ち着いて俳句を書いた。用意していた短冊の枚数がぴったりだった。

 表現が配慮として不良や反骨の形をとることがある。それは、心を伝える技術であって反抗の態度ではないのだと気がついた。しばらくは、写生へ徹しようと思う。

 昨日今日の新作十句。

✳︎

   #17 霜焼

フリースの毛玉こんがらがつて冬

降霜や星の数ほど弱音吐く

信号まで尾花が枯れてゆく速度

おでんの汁染みゐる目玉オヤジかな

クッキー三つ返してくれよ十一月

逃げる足追ひかける足霜焼けす

初冬の筆空芯やばねのつる

寒厨の匙カレーライスの湖を漕ぐ

皮すきや足場は竹馬の高さ

みかん剥く籠におかはりぞくぞくと

ぎんが

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